価値観を知って親子で笑顔に—キッズエニアグラム基礎講座レポート
みなさんは、「エニアグラム」という言葉を聞いたことがありますか?
エニアグラムは、古代ギリシャ哲学に基づいた心理学です。
性格を9つのタイプに分類し、自分が成長するための指針とします。
単なる性格診断ではなく、成長のためのツールとして用いるのがポイントです。
そんなエニアグラムを通して子どもの個性を知る、「キッズエニアグラム基礎講座」というプログラムがあります。
講師のかわぐちゆうこさん(ファインドエニアコミュニケーター)は、ママさんがご自身やお子さんの価値観を知るための講座を行っています。
こちらの記事では、DecafCoffeeStand to Me.さん(東京都西東京市)で開催された、「キッズエニアグラム基礎講座(初級)」のレポートをお届けします!
エニアグラムの9つのタイプとは?
講座に参加したのは、私を含めて4人のママです。
かわぐちさんの先生である山藤育子さんも同席されました。
(山藤さんはファインドエニア各種講座を手がけられています)
まずは、9つのタイプにはどんな特質があるのか、順番に見ていきます。
かわぐちさんから、「お子さんはどのタイプかな?と思い浮かべてみてください」とお話しがありました。
生後数ヶ月の赤ちゃんのように、お子さんが小さくてどのタイプか判断がつかない場合は、近所のお友達をイメージしてもOK。
すると、参加者の方から、こんなエピソードが出てきました。
「タイプ1のちゃんとした子は、学級委員のようなイメージがあります。娘のお友達で何でもきちんと取り組む子がいて、すごいなあと思います」
「タイプ2のやさしい子で思い浮かんだのは、保育園のお友達です。クラスの子が泣いていた時、ティッシュで涙を拭いてあげていて、思いやりがあるなと感じました」
このように、9つのタイプから連想すると、それぞれの子が持つ魅力に改めて気づきます。
また、娘さんが「タイプ4の感性のある子かも」と話すママさんも。
娘さんは、抽象的な絵を描くのが好きで、みんなが持っているイメージとは異なる表現を楽しんでいるそうです。
話が盛り上がったところで、かわぐちさんが大事なことを教えてくださいました。
それは、「ママさんがひとりでお子さんのタイプを判断するのは難しい」ということ。
「こんな行動をしているからこのタイプかも」と表面的な部分のみを見てしまうと、隠れている本質に気づけない場合もあるそうです。
本質は、行動の理由や価値観を形成するもとになっています。
かわぐちさんは、「その子の価値観をきちんと理解した上で、どんな特質があるのか見極めるのが重要です」と説明します。
子どもの”あるある”から読み解く
では、子どもの行動にはどのような理由があるのでしょうか?
子どもの”あるある”から読み解ける特質について、かわぐちさんが例を挙げてレクチャーします。
みなさんは、お子さんが習い事にすぐ飽きてしまう、長続きしないというお悩みはありませんか?
実は、飽きっぽいと一言で言っても、その理由はタイプによってまったく異なるそうです。
▼タイプ7:自由な子の場合
「自由な子」は、楽しいことを見つけ出す天才。
部屋で宿題をやっている時も窓の外まで意識が向いていて、面白いものを発見するとそちらに興味が移ります。
「『自由な子』のママさんは、お子さんと一緒に目標を設定すると良いですよ」とかわぐちさんがアドバイス。
お子さんの気持ちを聞きながら何に取り組むかを決めれば、楽しみながら継続できそうですね!
▼タイプ3:できる子の場合
できる子は、「努力はしたけれど、自分がやることではない」と見極めるため、習い事を続けない場合もあるそうです。
かわぐちさんは、「こうした特性を持つ子は、目標設定をされると辛く感じてしまうことがあります」と話します。
効率が大事だと考える「できる子」は、結果が出ないと自分で見極めているのです。
なお、かわぐちさんは、「このタイプだからこうしなくてはならないという決まりはありません」と補足します。
私は、あるあるエピソードの分析を通して、「習い事に行こうとしない」という行動だけでタイプを判断するのは非常に難しいと感じました。
それぞれのお子さんに寄り添って声かけをする必要があると、よく分かりました。
参加者の方からは、「診断すると、どれか1つのタイプになるのでしょうか?」と質問がありました。
ご自身もファインドエニアの講座を開催する山藤さんは、「完全にこのタイプという子もいますが、1つのタイプに異なる特質が入っている場合もあります」と説明します。
また、「環境や心の状態によって、外側に見えているタイプが変化することはあります。ただ、本質的なタイプは変わりません」と教えてくださいました。
まずはママ自身のタイプを知ろう
かわぐちさんのお話しを聞いて驚いたのは、「お子さんの価値観を理解するためには、まずはママ自身のタイプを知るのが大切」という点です。
ママが自分の価値観を知れば、お子さんと同じタイプなのか、まったく違うのかを考える基礎を築けます。
診断はオンラインで個別に行い、かわぐちさんがマンツーマンでじっくりとヒアリングしてくださいます。
to Me.の店長である美羽さんは、かわぐちさんの個人診断を受けたそうです。
「自分の価値観を理解したら、子どもとはタイプが違うと分かりました。以前は子どもの行動に疑問を感じることもありましたが、今はだいぶ減りました!」と話します。
診断の時、美羽さんは「昔の私と客観的に向き合って、会話しているようでした。『だからこの出来事は嫌だったんだね』と幼い自分に共感し、納得できました」とのこと。
ママのタイプが分かったら、再び個人診断を行い、お子さんのタイプを見極めます。
お子さんの診断は、ご自身ではなく、ママへのヒアリングを通して行っているそうです。
「ママが自分のタイプを知ってから、お子さんの特質を掘り下げて行くと、価値観を理解しやすくなります」とかわぐちさんが説明しました。
グループで見極めをすると新たな発見も
講座の最後では、参加者の方から「初級の次のステップがあれば、ぜひ参加したい」という声がありました。
かわぐちさんは中級の講座も用意されているので、なんとその場で開催が決定!
中級では、「タイプごとに、どのように行動したら過ごしやすくなるか」を考えます。
「中級は個人診断を受けてから参加したほうが、ご自身の個性を理解できているので視点が変わると思います」とかわぐちさん。
また、中級ではグループでお子さんの見極めも行うため、新たな発見があると言います。
お子さんの行動に疑問を感じた時、グループで話してみると、「うちも同じ」「それが普通だと思っていた」など色々な意見が出て、気持ちが楽になったママさんもいるそうです。
そして、次回の講座までに、それぞれのご家庭でお子さんの行動や発言をメモしてみるという宿題が出ました。
当たり前だと思ってメモしなかった行動も、グループで会話すると「それは面白いね!」と盛り上がり、お子さんの個性を発見する機会にもなるとのこと。
ママはお子さんと1対1で向き合っていると、「これで良いのかな」と迷ってしまったり、余裕がなくて強く言いすぎてしまったりしますよね。
私も子育てに悩むことがありますが、キッズエニアグラムの講座でお話しして、前向きな気持ちになれました。
かわぐちさんや山藤さんのようなプロにアドバイスいただけるのも、安心につながります。
私も個人診断を受けて中級の講座に参加し、自分や子どもの価値観への理解を深めたいと思います。
私が「キッズエニアグラム基礎講座」を知ったのは、Instagramがきっかけでした。
こちらの可愛らしいチラシに書かれたフレーズが目に飛びこんできました。
「今まさに知りたいことだ!」と思い、すぐさま申し込みを完了。
子どもの個性を尊重したいものの、「この言動は肯定していいのかな?注意したほうがいいのかな?」と迷ってばかりなので、理論的に学びたいと思いました。
当初は子どもの個性を知る目的で参加しましたが、かわぐちさんのお話しを伺って、「まずは自分を知って、私自身を大切にしよう」とマインドが変わりました!
ゆくゆくは、子どもの特質に合わせて、どんな風に声をかけたらいいか、どんな提案をしたらいいかを考え、親子で笑顔になる時間が増えたらいいなと思います。
かわぐちさんは、LINEで個人診断を受け付けているそうなので、ご興味のある方は登録してみてくださいね!
(写真撮影:浜田夏実)
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