人工知能プロジェクトマネージャー試験対策 - ⑥:分野E:システム構築能力 -
こんにちは。
一般社団法人 新技術応用推進基盤 公式note編集局です。
私たちのnoteでは、AI・DX活用や新規事業の創出をテーマとして、技術と市場の両面について情報発信しています。
今回は、当団体が提供している資格試験「人工知能プロジェクトマネージャー試験」の「分野E:システム構築能力」について、解説と対策を行います。
本試験の中で、分野E~Gはサブテーマととらえられており、配点も高くはありません。しかし、合格を目指すうえで、また基本的な知識を得る上ではこちらもおさらいをして頂ければと思います。
本有料noteでは、分野Eの解説と対策を掲載しています。合格水準の点を取る為に、また該当分野の学習者への情報提供の為に、また「AI(機械学習)に用いる技術的な知見」について学習する参考に、活用して頂ければ幸いです。
なお、人工知能プロジェクトマネージャー試験は分野A~Gまでの全7分野で構成されています。各分野に加え、はじめに・参考資料リストなど全体を書籍としてお読みになる場合は、ぜひ公式の電子書籍版のご購入もご検討ください。
noteから分野別に購入するより、金額的にもお得になっています。
また、全分野共通の前提理解について確認したい方は、ぜひ無料で公開している下記のnoteもご覧ください。また、他の分野についてもnoteでご覧になることもできます。
【ご注意事項 ※ 必ずご購入の前に確認ください】
本有料noteは、人工知能プロジェクトマネージャー試験 公式テキスト「AIを活用する技術を学ぶ」より、第5章部分を抜粋したものです。
公式テキストをご購入済みの方は、同内容ですのでご注意ください。
本書の著作権等の権利は一般社団法人 新技術応用推進基盤および著者にあります。無断で複製、転載、販売、公開等することは、有償・無償に関わらず一切認めておりません。権利が侵害された場合、法律に基づいて処罰される可能性がございます。
第5章:分野E「システム構築能力」
AIプロジェクトマネージャーに必要な「システム構築能力」とは
AI導入プロジェクトにとって、その中核がビジネス設計~モデル構築であることは事実と思います。そして分野A~Dにて、その概念と実装についてポイントを確認してきました。
しかしPoCを完了したばかりのモデルは、試行錯誤を繰り返して作成されたものであって、中身のソースコードは荒廃しているのが一般的です。このままでは、処理速度やセキュリティの基準、継続的な運用の基準には耐えられません。
また、モデルだけが孤立して存在していても、ビジネスの中では使いにくいものです。例えば社員の誰かの個人業務PCの中にPythonで書かれた十分な精度のモデルが格納されていたとしても、企業として活用はしがたいですし、このモデルを使ったサービスを提供することもできません。
そこで商用化の工程として、PoCの成果をシステム化していきます。作り上げたモデルをビジネスで用いるには、サービスとしての運用条件に合うように、中核であるモデルの周辺システムが必要不可欠です。
マネージャーは、最終的にビジネスインパクトを引き起こすのが仕事ですから、「モデルは作ったから後はヨロシク」というわけにはいきません。モデルの性能を充分に引き出せるよう、周辺システムの成り立ちにも意識を払う必要があります。
また、モデルは完成したその瞬間から「年老いて」いきます。ビジネスは日々変化しており、モデル構築に使用したデータも日々古くなっていくからです。モデルの洗い替えや学習データの差し替えなど、運用保守も意識して周辺システムにAIを組み込む必要があるでしょう。
そこで分野Eでは、AIマネージャーとして知っておくべき、PoC後のシステム化の工程や、基本的なシステムへの理解を学びます。内容の一部は、ITエンジニア出身者であればきわめて基本的な事項となりますので、読み飛ばして構いません。いままでITシステムに触れたことのない、企画や営業部門などの出身で本試験の受験を考えている方は参考としてみてください。
システムの基礎知識の確認
AI自身は「アプリケーションサーバー」に格納されているのが一般的で、「データベース」内にあるデータを読み取ってアウトプットを出し、そのアウトプットを「WEBサーバー」などが受け取って、実際のアプリ画面やWEB画面に表示させ、これを「クライアント」というPCやスマホなどを介して人が確認することになります。
本項はエンジニアでなくともITに慣れている人間の方にとっては一般的な内容ですが、基本的なITの成り立ちに不安がある方はここで確認しておきましょう。
サーバー
まず、AIのモデルが格納してあるサーバーについておさらいします。
一般に、単にサーバーといえばそれは「処理」を行うアプリケーションが格納されたハードウェアのことを指します。処理に必要なプログラムが格納されているのであって、データそのものを保存しているわけではないので注意してください。
例えばWEBのECサイトを考えてみます。ショップの画像や文字を表示したり、決済機能を提供したりするのはサーバーの役割です。一方で顧客名や顧客IDなどを覚えておくのがデータベースの役割ということになります。
ECサイトの画面1つをとっても、文章や画像の表示、画面デザインフレーム、広告表示、決済機能、セキュリティ機能、etcと、多くの機能が必要になります。そのため1つのシステム内には複数台のサーバーが存在することが普通であり、これに加えてバックアップを担うサーバーも立ち上がっていることになります。
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