日記(2023/06/28) 「アンソーシャルディスタンス / 金原ひとみ」読了 #まじ日

「アンソーシャルディスタンス / 金原ひとみ」読了。

概念会でもたまに話に上るアンソーシャルディスタンス。金原ひとみの短編集。

ぐずぐずな女がぐずぐずになっていく様が痛々しかった。小説だから当たり前かもしれないが、彼女たちは一様に内省的で観察眼に優れていて言語化がうまい。どうしようもなさをこうやって肥大化させていくのかと興味深くさえあった。

どこか忘れたけど最初の方に「抽象的に考えることをしない(できない、だったかも)リア充」みたいな表現があって、妙に気に入った。”リア充”を説明する上でこの上なくピッタリの言葉で、また、そうやって表層的に見える他者を形容したり評したりする女ばかりだった。小説だから?

私が1番気に入ったのは「コンスキエンティア」かな。ままならなさが1番。人間関係の説明しきれなさがおもしろかった。

にしても、皆、とくに最後の方は、ひたすらセックスセックスセックスで、そうじゃなくても、とにかく肉体的で、精神と肉体の切り離せなさみたいなのも、そうだよな〜とか思った。どれも物理的に痛い。痛みがいちばん強い刺激なのかも。

あ、あと、「ストロングゼロ」に関しては、読んでるこっちが気持ち悪くなるようだった。そんな勢いでストロングゼロを飲んだら、翌日トイレから出られなくなる……身に覚えがあるあの気持ち悪さを感じない主人公は、相当酒が強い。ストゼロ5本開けたら、わたしなら、もうダメ。
仕事の合間にストゼロを一気飲みする描写とかあるんだけど、その後、顔色ひとつ変えずに座っていられるって相当。いや、実際は、自分の意識以上の影響は出ているんだろうけど、それにしても。
アルコール依存症ってお酒が強いほどなりやすいって言うしなって変な納得感があった。

いまこの状況だから読めるコロナ文学でもあるな。真っ只中だったらちょっと引っ張られたかも。


ちょこっとアンソーシャルディスタンスの話もしている概念会。
この時わたしだけが読んでなくて、へぇ〜って聞いてたんだけど、依存していくきっかけや理由が想像とは違っておもしろかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?