【翻訳】●ファクトナの幻想(クー・ロイの最期)●
現在、4種類確認できる『クー・ロイの最期』のうち、Laud 610の四行詩版です。
●ファクトナの幻想(クー・ロイの最期)●
Brinna Ferchertne inso triana codlud
Laud 610
英語版: Kuno Meyer
1.
ふたりの猟犬が名誉ある勇敢な戦いをしているのが眼に浮かぶ。
クー・フランは、ダーリの息子クー・ロイの死を誇っている。
2.
Eraind(マンスターの部族)がエリンを襲った。ひじょうに多い集団だった。
ミースのウシュナまで、数も減少しないまま州を占領した。
3.
多くの戦いがあり、軍隊は頑強だった。
彼らはエウァン・ウァハへの行軍中、タラでひと晩を明かした。
4.
戦士Fliuchnaを倒したのは、クー・ロイの偉業のひとつだ。
彼がIuchnaの雌牛を追い立てたのが、苦難の原因だった。
5.
そのとき彼はアルスターの人々を激怒させた。それは語るに長い話だ。
宴会ののち、隠した小舟で、クー・フランからブラートナドを攫って行った。
6.
クー・フランは一年ものあいだ沈黙し、捜索していた。
クー・ロイの町への、道しるべを知るまでは。
7.
彼の妻がクー・ロイを裏切ったとき、彼女がした行為は悪であった。
無傷では済まず、彼女は不名誉に覆われてエリンを去った。
8.
メンの娘ブラートナドは、裏切りによって《銀の谷》に虐殺をもたらした。
*****以来、妻が夫を裏切る悪行。
9.
彼女は彼の髪を寝台の柱に、柵に、縛りつけた。――残酷な話!
クー・ロイは彼らに逆らって立ちあがった。それは勇士の反乱だった。
10.
柵に縛られたのち、彼の反乱から百人の男が傷つき倒れた。
五十の三倍の男に加え、五十人が傷を負い血まみれになった。
11.
しかしながら、クー・フランは剣を手に彼を襲った。
そして、六人の貴族の肩の上に、彼を散らかした。
12.
彼らは山のうえに行き、勇士Fliuchnaに復讐した。
*****を持ち去るだけでなく、彼らはIuchnaの雌牛を追い立てた。
13.
Senfiaccail Setnachがやって来た。彼の骨は擦り減り、ぼろぼろになっていた。
マク・ダーリが命を落としたのち、すみやかに彼は援助を受けた。
14.
王子の触れ役については、密集での(?)戦いが見事だった。
彼は武装した五十人を切り伏せたのち、自身が殺されるのを許した。
15.
盲目のTredornanはアルスターの軍に身を投じた。彼はにぶくはなかった。
有名な強い石、愚かな叫びはない! 六十人の真の戦士が彼を殺した。
16.
Darfindの息子エオヒドの戦い、その最後の場面は峡谷にあり、
誰がそこに敷石を置いたのかと訊ねられても、ほとんど知られていない。
17.
岬から谷まで、Darfindの息子エオヒドの戦い。
彼は正々堂々と戦って百人を殺したが、圧倒的な数に襲われた。
18.
それから、エオヒドは公正な戦いではなく、数に打ちのめされた。
そのため、彼の墓標はMag Roisにあるように*****。
19.
コルブレ・クアナッハは激しい遭遇戦をし、百人を殺した。
怪物のような海が彼を溺死させなかったなら、彼はコンホヴォルとともに戦っていただろう。
20.
Clóは激怒してやってきて、百人の敵を殺した。
体の強さは素晴らしいものではあったが、彼はクー・フランによって墓を立てた。
21.
Dedaの息子Russが彼らに襲いかかった。丈夫で強い家系だった。
英雄の仇討のために、アルスターの戦士は彼を殺した。
22.
その後すぐ、ドルイドのNemthesがやって来た。彼は自身の身になにが待ち受けているか知っていた。
彼は四十人の男を殺し、三回、それをくり返した。
23.
笑わない男、FianのForaiがやって来た。
巻き毛のDedorndが来て、栄光から軍を追い払った。
24.
Ferdomanが来て、すさまじい虐殺をした。
正々堂々とした戦いで、彼はコンホヴォルの息子Fiachaigの手を切り落とした。
25.
リアンガウラの息子が襲いかかって来た。Ingeiltは彼の栄光の名前である。
彼はコンホヴォルの息子コルブレを塩の海の荒波にさらした。
26.
ルギドとロイガレは二羽のワタリガラスよりも激しい戦闘を行なった。
その英雄に戦車をまかせ、御者は放牧場にいた。
27.
ロイガレは軍に訴えた*****
「紛争の仇を討つかどうか確認するために、戦士に公正な戦いをさせてはならない」
28.
フェルグスは軍に殺されぬように頬をつかんだ。
それから、彼は名高いアルスターの戦士との公正な戦いを得た。
29.
六十日、彼は戦場にいた。毎日、彼の技によって、ひとが倒れた。
Eraindが到着するまで、彼の*****だった。
30.
その後すぐ、王*****の意思に従ってEraindが来た。
七千七百と、無数の。
31.
***** Mag Enaigのうえ、戦闘がそこに到達した。
彼らは銀の岩に追いやられ、そこから戦車の戦いがはじまった。
32.
墓に覆われた斜面で、彼らは叫んだ。そこに軍が集まった。
その名前がついているだけで、それだけではなかった。
33.
真の哀しみは、ブラートナドとファクトナの出会いだ。
両者の墓は、岬の上のCindberaにある。
34.
Echdaの三頭の雌牛が見える。沼地をゆっくりとではなく進んでいる。
気高い戦士(?)*****が見える。あらゆる色の馬の群れが見える。
35.
川に沿って小舟が見える。襲われている敵が見える。
大きな家の向こうに大群が見える。立ち向かわない戦士が見える。
36.
*****
【英訳者注】[この四行詩はあきらかに破損しており、翻訳不能]