椅子か床か
ずっと椅子に座る生活を続けてきた。
良質な机と椅子を揃えて、家の中でも作業の生産性を高めようと意識してきた。家は決して居心地を求める空間ではなく、次の仕事に備える控室だと捉えていた。
ある時、ひょんなことから、床に座る生活を始めてみた。
寝る時は床に布団を敷き、起きているときも座椅子で過ごした。資料作りやオンライン会議も、全て座椅子に座りながら対応した。
床に座った生活に変えたことで、今まで手狭に感じていた部屋が広く感じるようになった。椅子に座っているときの目線は、床から正面までしか行き渡らないが、床に座ることによって、床から天井までが視線の範囲になった。
床に座ることによって、部屋の状態に意識が及ぶようになり、暇なときは掃除をするようになった。これまで気づかなかった部屋の細部のつくりや、素材にまで意識が及ぶようになった。うちの天井はこんな模様だったのかと。
椅子に座ると一種の緊張状態になるのか、常に時間に追われるような意識があった。床に座る日々は、なぜか精神的な落ち着きが増した気がする。とはいえ、作業の生産性は特に落ちることはなかった。すぐに眠くなってしまうのが難点だが。
足腰が弱かったり、床が極端に冷える場合は、床座は難しいかもしれないが、座椅子の選び方や床暖房などの工夫によって、対処は可能だと思う。
ただ、当然ながら、机と椅子の有効性も分かっているので、ハイブリッド型がベストなのだろうと思う。もうしばらく検証して、最適な座生活を検証したい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?