ノートさん

雪原で暮らしてます

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最近の記事

組織の理屈は

■ 論理的であること 他者に対して自分の考えを分かりやすく説明したり、問題発見を効率的に行うために必要 ■ 効率的であること 限りある資源を無駄、ムラ、無理なく使うために必要 ■ 合目的性 活動や手段ではなく、その背景にある意図や目指す成果を第一義に置くこと こうした理屈を大事にし続けていると、やがて人生はつまらなくなる。自分の仕事など、AIやロボットに置き換えたほうがよほど効率化は進むと、多くの人は自覚している。齢を重ねるにつれ不安と無力感が高まり、守りの人生に逃げ込

    • 帰りの空港

      旅の仕方と人生の歩み方は似ている。目標や計画通りに名所をまわる人は普段の生活も着実と思われるし、冒険旅を好む人は日頃から常に何かを探しているのかもしれない。 人を知りたければ一緒に旅行すればよい、人生に迷ったら独り旅をしてみればよい。 旅の最後は飛行機に乗り遅れないように空港に早めに着き、長い時間を無為に過ごす。周囲に迷惑をかけまい、最後は落ち着いて終わらせようと。正しき人生の畳み方に似ている。 最後の日まで木を植えたい。 空港でそれができるか。

      • One more day

        シネイド・オコナーの訃報に触れて ローマ法王の写真を破り捨てた一件は、いまだに質の悪いパフォーマンスと受け止められているのだろうか。 だが、権力者による虐待や不正義を憎み、強大な相手に正面切って喧嘩を仕掛け続けた姿勢は、決して忘れてはならない。特に、こうした虐待の実態を社会ぐるみで隠ぺいしようとする日本社会においては。 彼女の歌で彼女の魂を弔う My love, more dear than this life you are to me Your kiss more

        • 何が本当の汚れなのか

          書きたいことがあるから書くわけでもなく、しばらく書いていないのが気持ち悪くなり、とりあえず入力してみる。そんなものは誰も読まないだろうと思うのだが、何もない人間が書くプロセスによって何か生み出されるかどうかを実験してみる。 さて、最近のインターネット記事を見渡すと、虐待や殺傷ネタが3割、芸能人の不祥事・不幸が3割、スポーツ記事が1割、残り2割が政治・戦争・評論といったところ。この国のメディアや読み手(≒わたしたち)の品位を嘆くわけではなく、ただ単に、これが現実。他人の不幸や

        組織の理屈は

          整然、雑然

          ヨーロッパの整然とした街並みに比べ、日本は住宅や建造物が”個”を主張しあっていて統一感がない。それほど優れた個性があるわけではないが、隣と”被る”ことをとりあえず避けようとする。平素は違和感を持たないが、他国のクリエイターが撮った日本の映像などを通じて、改めてその雑然さを直視することになる。 自分の部屋の中、家の中、部署の中、生存領域の内部はきれいに整えるが、それ以外は不可侵・不関心領域。「日本人は協調性が高い」と誤解されがちだが、根本は部分最適が強い。インスタグラムは自分

          整然、雑然

          クリエイターたちの日課

          朝8時に起きて9時から12時まで脚本を書き、昼食はいつも同じものを食べる。昼食後は1時から3時まで脚本を書く。  イングマール・ベイルマン 朝6時に起きて、11時まで作曲。それで1日の仕事は終わり。 モートン・フェルドマン 通常、午前中に執筆し、午後は長い散歩に出かける。散歩から戻ると、夜まで書き続ける。エネルギー源はコーヒー。  キルケゴール 朝9時に書斎に入ってドアを閉めると、正午までは来客があっても対応せず、執筆に集中する。その時間に頭脳が最も活発に働くため、その

          クリエイターたちの日課

          暗黙の前提を問う

          独りボッチは嫌だ、怖い。となると、 とりあえず街に出て、人混みに紛れる。 善き消費者として、無理のない範囲で買い物をする。僅かな高揚感と満足を得る。 でも帰宅すれば、また独り。買った品物は明日になればどこかに行ってしまう。 組織に属し、与えられた役割をこなす。 他者と触れ合い、自分は独りではないことを確認し、ストレスと安心感を得る。 独りで尖っているよりは、組織のしがらみに浸っているほうが安全だ。 そして、年月を経るほどに従順になる。 手持ち無沙汰になればスマホを見ればい

          暗黙の前提を問う

          善さと強さ

          「望ましい未来が到来する期待が持てれば人は未来を重視した判断をする」という考え方(未来傾斜原理)がある。アクセルロッドの協調戦略を土台とする。家計が苦しくとも今を耐え忍いで未来に投資(スキルや経験値など)するとか、嫌いな相手であっても先々のことを考えて付き合っておこうと判断するなど。今はとんと耳にしなくなったが、「石の上にも三年」なんて言葉は、まさにこの考え方に基づいている。 だが今日において、世間に“望ましい未来”が到来する気配はないし、誰しも年を重ねるごとに自己実現の可

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          きづな、孤独、自由

          社会とは、人と人との繋がりだ。 他者との繋がりは必要だ。 繋がりの数は多いほうがいい。 繋がりが少ない人生は寂しい。 たとえSNSのような、あるいは何らかの搾取者嘘がつくった嘘の社会であっても、繋がっていたほうが身のためだ。 かような心情が働くかどうかは分からないが、人はみずから監視塔に監視される方向を選ぶ。自発的に奴隷になる道にすすむ(フーコー)。奴隷が大勢を占める社会では、自律を求める人は異端としてイジメにあう。それを嫌って奴隷に身を落とす人も増える。 奴隷化された社

          きづな、孤独、自由

          我々を打ちのめす本

          「我々の読む本が、頭をぶん殴られたときのように我々を揺り動かし目覚めさせるものでないとしたら、何でそんなものをわざわざ読む必要があるのか? 我々を幸福にしてくれるのか? 本など読まなくても我々は幸福なのさ。 自分を幸福にしてくれる本など、自分で書けば良い。 本当に必要なのは、痛々しいまでの不幸、愛する人の死よりも打ちのめされる本、遠く離れた森で自殺するときのような気分にさせる本だ。 本は、我々の内面にある、凍った海原を突き通す斧でなければならない。 そう、信じてる。」

          我々を打ちのめす本

          一日一生

          一日、一時間、一瞬が貴重に思えてくる。 残された時間を考えると、今のひと時を価値あるものにしたいという願いが強くなる。 とはいえ、社会は個人の願うようにはならない。 街に出て、価値ある体験をしようと焦っても、知恵も手段もない。 結局は、大切な時間を浪費して終わる。 そもそも、価値あるものとは何か。好きな人との邂逅、おいしい食事、未知との遭遇、動植物との触れ合い、社会的な評価‥等か?  ”世間から押し付けられる一般的な価値観”に惑わされることなく、「自分にとっての価値」を見

          情報過多の時代で

          物心ついたときから、身の周りは情報に溢れていた。インターネットがない頃でも、ある程度の手間をかければ必要な情報を入手できた。便利な時代になったもんだ、と子供の頃から感じていた。 現在は、その手間が極小化されている。世界各地の森羅万象に関わる事象や解釈について、簡単に「知る」だけでなく、「分かった」つもりになれる。ChatGPTに代表されるような機械学習の技術が進化するにつれ、誰でも「適切に考えた」つもりになれるだろう。考えることは面倒だ、誰かが代わりに考えてくれれば助かる。

          情報過多の時代で

          支配されているかどうか

          数年前、ドイツ人哲学者のマルクス・ガブリエルが東京の電車に乗り、ほぼ全ての乗客ががスマートフォンに見入っている光景を目にして、「中国はデジタル技術で国民が監視される国家だが日本はもっと凄い。日本人は自ら進んでスマートフォンの支配を受けに行く」と指摘した。 指摘はもっともで、第三者が日本の電車内を眺めれば、様々に奇異な光景が見えたことだろう。昔は“サラリーマン”が折りたたんだ新聞をじっと眺めて電車に揺られるのが朝の定番光景だったが、今はスマホに代替された。手持ち無沙汰にいじる

          支配されているかどうか

          世代論を超えて

          巷間取り上げられることの多い「世代」の特徴について; ミレニアル世代:1980年代前半~90年代中盤生まれ(現在28~40歳ぐらい) インターネット普及前後に生まれた世代、デジタルネイティブの始祖 幼少期からゲームやCDに馴染み、新しさやスピード感を求める ゆとり教育とも絡み、個性の尊重を重視する Z世代:1990年代中盤~2010年生まれ(現在13~28歳ぐらい) 生まれたころからIT技術、デジタル製品に馴染む ネット絡みの負の側面・諸問題に触れているので、ミレニアル世

          世代論を超えて

          リーダーの発達段階

          実ほど 首を垂れる 稲穂かな 若いころは尖っていても、組織で幹部層に昇進した後には、周囲に気を配りながら謙虚な構えをとる人が多い。特に日本では組織の円滑化のためには関係者への配慮がとても重要なので、この言葉が戒めのように用いられる。松下幸之助が好んだ言葉としても知られている。 一方で、いったん組織の最上位に上がり支配体制を盤石にすると、それまでの長者的な振る舞いが嘘のように、旧秩序をすべて破壊せんと強権を振りかざす人も出てくる。 「善政に浴していれば、民衆は自由を欲しない

          リーダーの発達段階

          人は忙しいときには暇を望み、 暇になれば忙しい日々が懐かしくなる。 ジレンマに悩み、あれこれと無駄な努力をしながら年をとって一生を終える。 古くから哲学者が取り上げるテーマだが、昨今、DXやらChatGPTやらが現実化する中で、さらに人々はこの悩みにもがくことになろう。 ただ、暇なのは人間だけだ。 他の動物や植物は、暇そうに見えたとしても、今を生きることで精一杯だ。一瞬でも隙を見せれば、生の存続が危うくなる。 数百万年前から、人はより安全、効率的、快適に生きるために努力