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居場所が与えられた自分にできること

 社会人になって、新たな環境に身を置いて4ヶ月が経った。3月に大学を卒業したことが遥か昔のことのように感じられるくらい目まぐるしく日々が過ぎていく。目の前の自分にすらしっかり向き合えない状況が幾多も重なって、ピーンと蜘蛛の糸くらい細く、今にも切れてしまいそうな緊張の線が心の中に張っているような感覚に陥ることが今もある。

 私は今、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げた会社にいる。日々たくさんの「出会い」に出会い、たくさんの考え方に触れ、想いを伝え、世界の職人さんが作ったプロダクトを販売する仕事をしている。自分の未熟さを思い知る日々だ。

 店頭に並ぶバッグやストール、ジュエリーそしてチョコレートはいつも私の心を躍らせてくれる、そして不思議な安心感を与えてくれる。じっと見つめていると、まるで「私はここにいるよ!」と自信たっぷりに胸を張って伝えてくれているかのよう。ひとつひとつのプロダクト(商品)に想いが込められていて、思わず愛でたくなるような気持ちになる。モノを買うという消費行動は機械的ではなく、心を温かくしてくれる、新しい世界に出会える、そうした人間の心の豊かさにまでつながることなのだと改めて気づかせてくれる。

 そんな私は今、自分自身の変革期の渦中にいると思う。

「変わらなきゃいけない。」

 これはネガティブな意味では決してなく、ポジティブな意味でそう思っている。自分が得意と思っていたことが、他の誰かにとっては自分以上に得意なことなのだと気づいた時。学生の頃、自分と向き合う時間や本当に大切にすべき根本って何なのだろうと友人と語り合い、勉学を通して考えた時間。そうした時間がたまらなく好きだったのに、だんだんとその時間に苦しさを感じはじめた時。当たり前に出来なければならないことが出来ていないと気づいた時。いろんな気づきを与えてくれているこの環境で、自分はどういう人間になりたいのだろうと本気で考えたい。変えたくないところは変えない。変わらなきゃいけないところを変えていく。変化することは大変で、怖いことだと思う。でも、その変化する過程や変化した後の自分を受け止めてくれる人が必ずいると思っている。他力本願と捉えられるのは本望ではないが、変化に向かっていく自分を応援しれくれる人がいる。そう信じている自分がいる。そう思ってくれる人の気持ちを大切にしたいと思う。

 今いる環境でできることって何だろう。今年で15年目を迎えた会社。色々な人がたくさんの想いを注いで、トライ&エラーを重ねて育ててきた会社。積み上げてきたもの。築いてきたもの。その世界に「私」の居場所を与えてくれた。私がやりたいこと・できることって何だろう。

自分自身の成長 × 自分がやりたいこと・自分ができること

 お店の表情は店舗によって様々でそれがまた素敵だと思う。初めてブランドを知る方にとっても、もう何度も足を運んでくださっている方にとってもいつもワクワクするような、それでいて安心するような空間はとても尊いと思う。最近は店舗空間づくりにも興味が湧いてきている。関西や九州、東北にも店舗展開があるのだが、そういった場所ではどのような顧客体験を生み出すことができるのだろうか。どのようなストーリーが生まれるのだろうか。現場にも行ってみたいし、いつかその場所でも働いてみたい気持ちがある。

 今いる場所でできることをただただ一生懸命に。一緒に働いているチームの皆さん、そしてお客様との出会いに感謝して、大切に。今いる場所でできなければ、別の場所でもできない。そう思いを刻み込んで、無理なく楽しく頑張っていきたいと思う。

 トップの写真は、ほぼ毎日通勤の時に使っているAntique Square Backpack。使いはじめて3ヶ月ほど。レザーが柔らかくなって、手にするたびに愛着が湧く。日本から遠く離れた国で、でも日本と確かに繋がっている世界の職人さんが作ったプロダクトがいつまでも愛され続けるように。
ずっと人様の心の中で育まれますように。

新米な身でありながら、
でも今その世界の中にいる者としてそう思います。

Keep Walking, Running!

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