1日10分!ITマスター塾 #24: 表計算を活用したいなら知っておきたいデータベースの話
表計算ソフトについて、クイズを出します。Excel・Googleスプレッドシート、どちらでもOKです。
都道府県ごとの人口が記録されている表データをつくります。以下のうち、どれが日本全体の人口の合計値を集計しやすいでしょうか?
1シートの中に、地方ごと(東北地方とか、関東地方とか)の複数の表がある
地方ごとにシートが分かれていて、各シートに地方ごとの表がひとつある
1シートの1つの表に、地方関係なくすべての都道府県のデータがまとまっている
(図で見せて欲しいと思われるかも知れませんが、すみません想像力を働かせてみてください)
ある程度、Excelやスプレッドシートを活用されている方なら、3番目のパターンが最も楽ちんだとわかるのではないでしょうか。
合計値を求めるときには、SUM関数を使います。
すべての都道府県のデータがひとつの表にまとまっているとすると、その連続的な範囲をSUM関数のカッコ内(引数といいます)に指定すればOK。
たとえば、こんな数式になります。
=SUM(B2:B48)
でも1とか2のパターンは合計したい範囲が飛び飛びなので、すべての範囲をSUM関数の引数に指定する必要があります。
たとえば、こんな数式になります。
=SUM(B2:B9, B12:B17, B20:B25, …)
入力するのだるいですし、ミスしやすくなりますし、できあがった数式はとても複雑に見えます。
このように、データとしては同じことを表しているとしても、どのようにデータを置くかで、表計算ソフトのあ使いやすさが変わります。
人間が見るためであれば、どっちでもいい話です。むしろ、1,2のほうが見やすいかも知れません。
しかし、コンピューターにデータを扱わせようとするとそうはいかなくなるのは、先ほどの例が示すとおりです。
数式だけでなく、並び替えやフィルタ、ピボットテーブル、プログラミングなどなど、コンピューターの力を借りて、表計算ソフトのポテンシャルを十分に引き出すなら、データの置き方のルールを守る必要があります。
この事実をビジネスパーソンすべてが知っていて、そのとおりにデータを活用いただければ、どれだけDXが進むことか…
さて、1のような表の作り方をテーブル形式といいます。テーブルにするなら以下のルールでデータを置きます。
1シートに1テーブル
1行に1レコード
1列に1カラムでデータ型を統一
1セルに1データ
1行目に見出し
空行や空列は入れない
セルの結合を使わない
「レコード」とは1件1件のデータになります。
レコードに対して、テーブルの縦列のことを「カラム」といいます。同じカラムでデータ型を統一する、たとえば、数値で統一されていれば、範囲の指定で合計などの集計、並び替えやフィルタといったデータ処理が可能になります。
ひとつのセルには1つのデータのみ入力します。複数のデータを入力したい場合は、レコードを分けるか、カラムを増やすかを検討します。
空行、空列、セルの結合をしたセルたちは、「データのないデータ」として扱われ、表計算からすると邪魔ものになります。
このようにテーブルでデータの管理し、コンピューター向けのルールで保管する場所、またはデータの集合を「データベース」といいます。
データベースというと難しそうですが、Excel・スプレッドシートでいえば、テーブル形式でデータを置いておくだけという認識でだいたいOKです。
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