なりすまし広告を防ぐべくメタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化へ
大きな問題となっている「なりすまし広告」。ようやく政府が動き出しました。
堀江貴文さん、前澤友作さんなど著名人をかたる「なりすまし広告」の問題に対処するため、政府はネット広告掲載の事前審査に関する基準を公表するよう大手SNS事業者などに義務づける検討に入りました。
なりすまし広告で儲け話に誘い、クリックするとLINEのグループチャットなどに誘導されます。そこで、ウソの投資話などを持ちかけられ、多額の送金をしてしまうと、直後から連絡が穫れなくなる…このような「SNS型投資詐欺」の被害が拡大しているのです。
警察庁の集計では、2023年1年間の被害総額は、なんと約278億円。1件あたりの被害額は平均約1000万円。
最初の接点の上位はこちら。
Instagram
LINE
Facebook
マッチングアプリ
メタが運営するInstagramとFacebookを合わせると42%です。また、最終的に送金を誘導するのは9割近くがLINEでした。
さらに、詐欺にあった人が、再度詐欺に遭ってしまう二次被害がGoogle検索連動型広告経由で起きるという事例もあります。
「なりすまし広告」「投資詐欺」で検索する検索上位に、偽の弁護士法人を名乗る広告が表示され、それが詐欺二次被害の入口になっているケースがあるそう。
EUやイギリスでは昨年から大手プラットフォーム事業者に偽情報などの有害コンテンツの削除を義務付けていますが、日本では対応が遅れていました。
前澤さん、堀江さんなど著名人のSNSなどでの訴えにより、話題が広がり、ようやく今回一歩を踏み出した形です。
総務省の有識者会議で以下を盛り込み法整備のありかたを議論します。
・広告掲載に関する事前審査基準の策定・公表
・日本語や日本の社会・文化・法令を理解する者が十分配置されていること
・AIによる自動審査の実効性に関する説明
・掲載停止基準の策定・公表や運用状況の公開
それをもって6月の骨太の方針への反映、夏までの取りまとめを目指すとのことです。
大手プラットフォーム事業者としては、広告掲載基準を厳格化すればするほど、ビジネスに悪影響となるので、責任逃れをしてやり過ごしたいというのが本音だったと思われます。
このような公益性とビジネスが相反しているケースでは、政府が厳しく楔を打つしかないですし、じゃんじゃんやってほしいところです。
利用者としては、このような被害に合わないようにリテラシーを高め、危険な行動はしないようにしたいものです。「ネット広告は踏まない」「広告経由でLINEに入らない」など自らルール化してもよいと思います。
家族や友人とこういう話題で話す機会を持つのもいいですね。
耳から聴きたい方はこちら!
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