今さら聞いてもいいIT用語 #23: 「VPN」
Webサイトを見る、スマホアプリを使う、メールをする…インターネットは何をするにも必要となり、なくてはならない存在となりました。
そんな、インターネットを安全に利用するための技術が「VPN」です。
そもそもインターネットは公衆網であるため、誰もがインターネットで行き来しているデータを見ることができます。しかし、それは悪意のある攻撃者であっても同様という点に注意が必要です。
例えば、カフェなどのフリーWi-Fiを利用すると、その通信を盗み見されたりデータを改ざんされたりする危険性があります。
そこでVPNの登場です。
VPNとは「Virtual Private Network」の略で日本語に訳すと「仮想的なプライベートネットワーク」となります。
具体的には、公衆回線上の送信者と受信者の間に、他社が覗き見ることができない仮想的なトンネルをつくり、そのトンネルを通して安全に通信を行うことができるようにする技術です。
VPNを使うことにより閲覧履歴、IPアドレスや位置情報、通信内容などを隠してやり取りすることができるようになります。
VPNの使用用途を2つ紹介します。
①外出先の無料wi-fiを安全に使いたいとき
たとえば、テレワークをしている従業員が公衆Wi-Fiを利用している場合、通信が他のユーザーに覗き見されてしまうリスクがあります。
そのような状況で顧客情報や業務上のやり取りを行うことは情報漏えいにつながる危険性があり、VPNを経由した通信が推奨されます。
②地域情報を隠してアクセスしたいとき
Netflixなどの動画配信サービスで特定の国限定のコンテンツを別の国にいながら閲覧したいときがあります。
具体的にはジブリ作品は、日本では権利の関係上閲覧できませんが、フランスやドイツなどでは閲覧することができます。
そこでVPNを使うと、地域情報が隠され、接続先VPNサーバーの地域から接続したことになるのです。
VPNを利用する場合、無料のVPNサービスもあるのですが、正直セキュリティ面でおすすめできません。
VPNサービスを提供するにはサーバーが必要であり、その管理や維持にはお金がかかります。無料サービスはどこでお金を捻出するのでしょうか…。
かつ、VPNサービスの管理者は通信を監視することができることを考えると、ふつうに心配になりますよね。
有料のVPNサービスは、個人向けであれば月々数百円から千円程度で選ぶことができます。
テレワーク普及によってVPNサービス利用者が増えており、通信遅延(いわゆるVPN渋滞)が起きやすいサービスもあるようです。
安いに越したことはありませんが、セキュリティはもちろん、通信速度や品質がよくないと利用に耐えないこともありますので、そういったことも踏まえて選ぶ必要があります。
これに関連して、「YouTubeプレミアムの強制解約」というニュースがありました。
YouTubeの有料サービスYouTubeプレミアムの登録において、居住国を偽っているユーザーがおり、その登録を解除しているという報道です。
というのも、国によってYouTubeプレミアムの利用料が異なるからです。日本の場合、個人の月額料金は1,280円ですが、インドでは約246円、トルコでは約280円など、国によってけっこうな差があります。
VPNを使うと地域を特定することはできないわけですが、YouTubeの広報担当は「最も正確なプランとオファーを提供するために、ユーザーの国を判別するシステムを導入しています」と回答したそうです。
さすが、Googleさんですね…
ということで、通信を安全に行うための技術VPNを紹介しました。不特定多数が使うであろう、フリーWi-Fi使用時などご注意くださいね。
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