井上ジョーについて帰国子女が思うこと

　

　皆さんは井上ジョーという人物をご存じだろうか。タイトルにデカデカと書いてあるので、この記事に興味を持つ人の大半は知っているかもしれないが、一応彼のことを簡単に紹介したいと思う。

　井上ジョーとはミュージシャンとして活動している日系アメリカ人のYouTuberだ。音楽活動が主業だと思うのでYouTuberと紹介するのは本人にとって不本意かもしれないが、私のとってはYouTuberなのでそういうことにしておく。ミュージシャンとしては、NARUTOのアニメにOP曲として使われたCLOSERで一番知られているかもしれない。ちなみにnoteも本人名義でやっている。意外とポエミーなことを書いてらっしゃいます。

　彼のYouTuberとしての動画は、日本人に向けてリアルなアメリカを紹介していくものが多い。長年アメリカに住んでいた者から見ても、納得のいく解説がなされている。これからアメリカに移住、留学する予定のある人には是非とも見てもらいたい。
　また彼はアメリカ人として、そして日本人として両者の視点からアメリカを批判的に観る動画をたくさん投稿しているので、アメリカに一種の幻想を抱いている人は少しショックを受けるかもしれない。
　でも彼の言っていることは、帰国子女の立場から見ても概ね事実なので受けとめてください。ついでに私のnoteも読んでください。

　井上ジョーのアメリカ観は主観的であり、客観的でもある素晴らしいものだと思う。アメリカについては、の話だ。
　彼は日本にも住んでいたことがあるようで、彼の視点から観た日本とアメリカを比べた日米比較文化論の動画を投稿することもある。これはこれで面白いし、「アメリカ人としては」かなり日本について正確かつ精密な評論がなされている。
　ただしそれでも、日本人の視点から観た日本とは違っているのだ。
　彼の意見が正しいか、間違っているか。そういった話ではない。
　あくまでも私は帰国子女として、井上ジョーよりも「少し日本人に近い」存在として、彼の日本及び日本人評に対して違和感があるのだ。

　ジョーさん、日本にもね、日本人にもね、クソみたいなところはあるよ。

　何も私は日本特有の社会問題のことを言っているのではない。日本にも無礼で何も考えていないバカはたくさんいるという話だ。アメリカに限ったことではない。日本にも人をひき殺すギリギリまで二人乗りの原付を飛ばしてくる珍走団はいるし、コーヒーショップにて殴り合いの喧嘩をおっぱじめる暴走老人が存在する（経験談）。今の時期に電車内でマスクもせずに大声で咳やらくしゃみやらをする輩はいるし、各国で非常事態宣言がなされるなか海外旅行に出かけて、ウイルスに感染して帰ってくる奴らもいる。
　先日も不本意ながら役所に出かけたら、自分の不手際を棚に上げて職員に怒鳴りちらすスーツの男性、順番を待たずに歩いている職員を捕まえて自分の用事だけ済まそうとする中年女性など、ルールを遵守しない市民をたくさん見かけた。職員も職員で、自分たちの凡ミスで私に二度手間をかけさせたくせに言い訳ばかりで碌に謝りもしなかった。

　途中から愚痴ばかりになってしまったが、要するに日本はジョーさんが思っているほど善良な国ではないよってことだ。「アメリカ的なバカ」、ロサンゼルスのビーチ開放を主張していた連中や反ワクチン主義者など、は少ないかもしれないが、日本には「日本的なバカ」が存在するのだ。
　彼の日本評には確証バイアスがかかっているように思えてならない。

　最もそんなことは本人も重々承知で、単に日本人視聴者の気分を悪くさせないために気をつかっているのかもしれない。

https://www.youtube.com/channel/UCSHzI-t58X8STwqjfSzp47w
井上ジョーJAPANのYouTubeチャンネルです
ステマではないよ