【R言語とPythonの違い/BIツールについて】#27

前回は、データエンジニア/データアナリスト/データサイエンティストの違いについて投稿をしました。
今回は、実際に使用する言語やツールの特徴についてまとました。


R言語(R)とは

R言語は、統計分析に特化したプログラミング言語です。
ニュージーランドのオークランド大学で1991年に開発されたR言語は、オープンソースであるため、誰でも無償で使用できることから、現在では統計領域に特化した言語の代表格と位置づけられています。

研究機関、大学、企業、統計の専門家の間でも実務的に利用されている点が特徴です。また、Rはデータの可視化にも強く、グラフなどの生成も得意としています。

<R言語の特徴>
1.豊富な統計関数やデータ可視化ツールが用意されている。
2.コミュニティが活発で、新しい手法や技術がすぐに取り入れられる。
3.データの前処理やクリーニングにも使える。

Pythonとは

Pythonは、ソフトウェア開発からデータ分析、ウェブ開発、自動化まで、幅広い用途で使用される汎用的なプログラミング言語です。他の言語に比べて構文の記述がシンプルであるため、プログラミング初心者にも学びやすい言語の一つとして注目を集めています。

とりわけ近年では、データサイエンスや機械学習の分野においてPythonの人気が急上昇しており、多くのライブラリやフレームワークが提供されています。

<Pythonの特徴>
1.文法がシンプルで初心者にも学びやすい。
2.ライブラリやフレームワークが豊富で、様々なタスクに対応可能。
3.大規模なデータ処理や機械学習のライブラリが充実している。

R言語とPythonの比較

データ可視化
R言語は、ggplot2のようなパッケージを使用することで、データ可視化において非常に優れています。一方、PythonもMatplotlibやseabornを使用して適切な可視化を提供しますが、同様の結果を得るためには追加の調整が必要な場合があります。

統計分析

統計分析の分野では、R言語が非常に優れています。dplyrやtidyrのようなパッケージを使用することで、データの操作や変換が容易になります。一方、PythonもRほど特化されていませんが、statsmodelsやpandasのようなライブラリを使用して、統計分野で追いついてきています。

汎用性とデータ分析

Pythonはデータ分析だけでなく、サーバーサイド言語としての利用やWebアプリケーションの開発など、幅広い用途で利用されています。そのため、汎用性を求める場合はPythonがおすすめです。
一方、Rはデータ分析が主な用途で、特に統計解析やデータのビジュアル化に強みを持っています。より高度なデータ分析をしたい場合は、R言語を利用しましょう。

大規模データの取り扱い
大規模なデータを扱う場合は、Pythonがおすすめです。Rはメモリを多く消費する傾向があり、大量のデータを処理する際にはPythonの方が適しています。

ディープラーニングの実装
ディープラーニングの実装に関しては、Pythonが圧倒的に優れています。理由としては、Pythonにはディープラーニングのためのライブラリが豊富に存在するため、この分野での作業にはPythonが最適です。

BIツールとは

BIツールとは、企業が保有する膨大なデータを集約し、分析して経営判断に活用するためのツールのことです。BIとは、Business Intelligenceの略称で、データに基づいて経営判断を行うプロセスや手法を指します。

BIツールを導入することで、企業はデータを抽出・加工し、わかりやすい形に変換して、グラフやレポートとしてまとめることが可能になります。

BIツールの機能と仕組み

1.データを収集・蓄積・統合する
BIツールができることの1つ目は、企業が持つデータを収集・蓄積・統合することです。
企業の持つ情報は、顧客情報、インターネットで収集した情報、店舗ごとのデータなど膨大です。特に企業規模が大きければ大きいほど、部署ごとに違うシステムで保存されているケースも珍しくありません。
BIツールでは、部署ごと、店舗ごとなどこれまでバラバラに保存されていたデータをひとつのシステムにまとめて収集します。
バラバラだったデータを収集・統合し、データを蓄積していくことで、次に行う分析をより正確に、よりスムーズに行うことができるようになるのです。

2.データを集計・分析する
BIツールができることの2つ目は、集めたデータを集計・分析することです。
データを集めただけでは経営に役立てることはできません。集めたデータを集計し、分析することで、現在自社が持つ強みや、新しいビジネスの芽を見出すことができるのです。
BIツールでは、顧客別、地域別、商品別の売上データを比較したり、前年比や利益率を集計し、分析したりすることが可能です。
BIツールの一部には、OLAP分析(多次元分析)やデータマイニングが可能なものもあります。
データマイニングとは、相関分析や回帰分析といった複雑な統計分析手法を用いてデータを分析する機能です。相関関係のない膨大なデータを統計的に分析することで、未知の法則や関連性を見つけ出すことができます。データマイニングから導き出された法則は、将来を予測するのに役立ちます。

3.データを可視化する
BIツールができることの3つ目は、データを可視化することです。
集めたデータから分析した結果は、ただ文字で羅列されても理解するのが難しくなってしまいます。
ダッシュボード機能やレポーティング機能のあるBIツールを使用すれば、分析結果をグラフやインフォグラフィックなど、誰が見ても読み取りやすくわかりやすい形に可視化することが可能になります。
ダッシュボード機能とは、企業内のさまざまなデータをまとめ、グラフやチャートなどで可視化し、閲覧や共有ができる機能のことです。

代表的なBIツール一覧

Amazon QuickSight
Amazon QuickSight(アマゾンクイックサイト)とは、AWSで使える高速クラウドBIサービスツールです。
Amazon QuickSightの特徴は以下の通りです。
・初期設定が必要なく、サインインさえすればすぐに利用が可能
・メンテナンスやアップデートの手間がない
・豊富なデータ連携
・リーズナブルな費用

Zoho Analytics
Zoho Analyticsは500,000社以上の導入実績を持つシェアの高さが特徴のBIツールです。
Zoho Analyticsの特徴は以下の通りです。
・操作が簡単
・リーズナブルな費用
・データの可視化に長けている

Tableau
Tableauは高度な分析機能を持つBIツールです。
操作もしやすく、ダッシュボードやレポートの見やすさに定評があります。テンプレートが多彩に用意されているため、グラフなどデータの可視化がしやすく、使い勝手の良いBIツールです。
またスマートフォン向けアプリもあり、外出先など場所を問わずデータが確認できるというのもメリットです。

Microsoft Power BI
Microsoft Power BIとは、Microsoftが提供しているBIツールです。
Power BIには、企業や組織内の膨大なデータから必要な情報を抽出・分析し、グラフなどの見やすい形に変換した上で、ダッシュボード上に表示する機能があります。

Looker Studio
Looker Studioとは、Googleが提供する、無料のBIツールです。さまざまなデータをリアルタイムに反映させたレポートが作成できます。
Googleのサービスを中心に多様なデータソースと容易に接続できます。また、そのデータをさまざまな形で可視化することが可能です。URLで権限付与されたメンバー間で共同編集することもできるので、テレワークなどにもおすすめでしょう。

今後も言語の理解やツールの理解を深めていきたいと思います。

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