「白石展子の売りにつながるマーケット講座!」(第3回/最終回)
Hola! プランナーの白石展子です。💃
現在、商品開発や販路支援、ブランディングの専門家として全国を飛び回っておりますが、この度は6次産業化を目指す皆様に他県ではどのような商品が「売り」につながったのか3つの需要をテーマに事例をご紹介していきたいと存じます。
前回のインバウンド需要についてはいかがでしたか? 参考になりましたでしょうか。さて最終回はサステナブル需要についてお話したいと存じます。
トップの画像は全国アカモクサミット参加者の皆様の写真です。
兼務の仕事として日本海藻協会の理事として日本の海藻を普及し新たな海藻の魅力を伝える活動を行っておりますが、その中で海藻アカモク(新潟ではナガモと呼ばれております)に特化し全国で初めてアカモクのサミットを開催致しました。
海藻の中でもアカモクは藻場の育成など海の環境を守る役割と共に人間の健康に役立つ栄養素も豊富で、注目されている海藻です。
今、世界の海は異常気象など環境変化に伴い、これまで当たり前のように獲れていた海藻類や魚介類が獲れなくなってきており、プラスチックなどのゴミ問題も深刻になっている中、海の環境を守り、世界に誇れる海藻食文化を次世代につなげるためのサステナブル商品の開発や活動を進めております。
今回ご紹介の企業は海藻ではありませんが、サステナブルな活動をしている山形県の企業の支援事例をご紹介致します。
第3回目 ~山形編~
新潟県と並び山形県は海や山の幸の食材の宝庫でありますが、山形県は早くから加工食品の開発にも力を入れている県です。
2020年のコロナ発生から飲食店は大きなダメージを受け、飲食だけでは売上を上げることが困難になったことで、テイクアウトも含め総菜や加工食品の開発に取り組む企業が増えてまいりました。
こちらの企業は飲食店を営んでおりましたが、コロナの影響で売り上げは激減し新たに加工食品の開発に取り組みました。
コロナ禍で健康に関心の高い消費者が増えたこともあり、「タンパク質」の栄養素を重視した地元の卵と県内の旬の食材を活用した新感覚の卵豆腐の開発を進めました。
【コロナ前以上の売上と利益を上げ、飲食業務に頼らず加工食品や総菜の
売上を伸ばし、新たな客層を取り込み持続可能な事業形態にしていきたい】
↓
飲食の強みである調理技術を生かし、完成度の高い加工食品や総菜を開発し、その時々の消費者ニーズに合わせた商品提案と事業を進め、ブランドコンセプトを明確にし企業イメージをあげ売上増につなげる
●ポイント1
注目の栄養素である「タンパク質」を取り上げ、卵と豆乳をベースにした卵豆腐に、県内の旬の素材をトッピングし朝活のルーティーンの一つとして朝食に卵豆腐を食べる食シーンを設定。
簡単で手軽にタンパク質を取り入れることができ、旬のトッピングにより飽きがこないファンに支持される商品として開発
●ポイント2
加工食品のほか、健康志向のお弁当や総菜にも力をいれ、今の世帯数の変化に合わせ一人から二人世帯向けの少量食べきりのテイクアウト商品を開発。
また増加しているヴィーガン向けに、地元野菜をメインにした加工商品や総菜に加え、トレンドであるヘルシーなオニギリも提供している。
その他、従来のおせちは2~3人前以上がメインになっていたが、ここ数年でお一人様市場が増加したことで「一人用おせち」を開発するなど市場や消費者ニーズに合わせた商品開発と提案を進めている。
●販売チャネル
2021年~支援に入ったところ、2023年の売上はコロナ前の3倍以上の売上となり、「食は未来の健康な体をつくる」という企業のブランドコンセプトを明確にしたことで、当初の目標である持続的な事業を確立。
また子供食堂(未来食堂)をスタートさせ、規格外ではあるが新鮮な食材をうまく活用しサステナブルな商品を提供するなど社会貢献も積極的に行っている
販売先は自社飲食店以外に、駅ナカや駅ナカ周辺の企業と一緒にコラボし双方の商品を取り扱うなど相乗効果のある販売やPRを進めております。
さて、これまで「売るチカラ」を鍛えるマーケットセミナーを続けて参りましたが、参加頂いた皆様もチカラが身につき出口へつながり実績が出ております。 そのマーケットセミナーより「消費者ニーズの変化」について3回シリーズでポイントをお伝えしております。
マーケット ワンポイント!!3回目 「愛され商品=サステナブル経営」
アップサイクル商品も増え、世界的に持続可能な社会を目指し様々な取り組みが行われております。
お客様に愛される商品は、結果としてファンやリピーター、ロイヤルカスタマーなどの重要な顧客も得て、持続可能な経営につながっていきます。
その要素として3点あげておりますが、自分たちの「らしさ」を大切に、ファンを裏切らない、しっかりとしたブランドコンセプトや企業理念などお客様に伝わるストーリーを確立していくことが大切です。
また、これからの未来を担う子供たちのために、子供食堂を通し食育を行い持続可能な教育も進めていくことも重要なポイントではないでしょうか。
これまで3回、取り上げて頂きましたが、私自身も原稿を作成する中で振り返りができ、とても良い機会となりました。
また機会があれば、
新潟の事業者の皆様のお役立ちができると嬉しく存じます。
Adios!!