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~動かねば未来は変わらない~未来につながる動き方を3つのステップでお伝えします!

投稿者 食の高付加価値化研究所所長 椎葉彰典(新潟県地域プランナー)

新潟に来て、早10年間。仕事柄新潟県以外の他県での仕事も多く、現地のモノを食すれば、改めて新潟県産品の素材力の高さは驚くばかりです。素材力が高ければさほど加工しなくても美味しくいただけますし、むしろ加工度を上げずに素材に近いほうが美味しいものだといえます。
しかしながら、県下人口減や経営環境の劇的変化などに加えてコロナ禍、天災、異常気象と次々と襲い掛かるピンチ連続。そうなのです。じっとしていると売上はどんどん下がる一方なのです。じっとしていてもゆでガエルになるだけです。

動かなければ未来が変わりません。

では、どう動けばよいのか? 何からはじめればよいのか?
そう、動きかたがあるのです。

ここでは、売れない時代に何をやってもうまくいかない人や何からはじめればよいのかわからない人のために3つのステップを独楽(こま)廻しになぞらえてお伝えします。

しいばのこまうりくん 椎葉之独楽売訓
とうざいとうざーい!せいしゅくに!こまのおしえのはじまりはじまり。
おさだめのおきては3かじょう、みみをさらって これを聞き、はらにおさめてわすれるべからず。

おさだめ
一、 まずは、じくをもつ
一、 まわすばしょをみる
一、 しっかりまわす

だい一
まずは、軸を確認し、持ちましょう。(新潟の方々の県民性なのか)謙遜することはありません。人知れず努力や工夫をして育んだ作物たちは、ほっとけば勝手に実がなる南方の諸国よりも圧倒的に素材力があっておいしい。南方からやってきた私が実感しているところです。
軸とはなにか。それは、あなたのこだわりや工夫や努力や智慧なのです。もしかしたら、あなたがあたりまえにやっていることかもしれません。

だい二
独楽(こま)は駒。持ち駒すなわち自家栽培している作物やそれらの加工品を指します。
独楽を廻し続けるには、できるだけ障害物のない場所で平らな場所を選びましょう。わざわざ廻しにくい場所で独楽廻しすることはないのです。そしてその場所には観客(顧客)はいますか?魅力的な独楽や珍しい独楽はその価値次第では高値で購入されることとなります。でも、良い場所は既に多くのほかの独楽があるかもしれません。そんなときちょっとした工夫で独楽廻しのフィールドをかえて見せてあげると良いかも知れません。

だい三
競合もあまりいない場所を見つけたらお気に入りの独楽を力一杯廻していきましょう。廻り続けているうちに観客のなかには、思わず知人にも伝えたくなる方もいるかもしれません。

もう少し、イメージを持っていただく為にここでは、私が関わった新潟県の農業者の事例で、動き方を学び、未来を変えた” 椎葉之独楽売訓”を見ていきましょう。

WINE FARM TOCHIO(とちお農園)さまの場合
とちお農園は、新潟県長岡市栃尾地域でワイン用葡萄を栽培するワイン農家です。2001年から耕作放棄地の再生から手探りの中、試行錯誤を繰り返し、ようやく、栽培―醸造―販売まで一気通貫で行うワイナリー運営にたどり着きました。ワイナリー名をWINE FARM TOCHIOとして長岡市初のワイナリーです。

WINE FARM TOCHIO(とちお農園)さまの場合の「椎葉之独楽売訓」では、次のように整理されております。
一、 まずは、じくをもつ
自社の軸としては、まずは「想い」の書き出し(アウトプット)を社員全員で行い整理しました。最終的には幾つかの文章(センテンス)まで煮詰めていきそれらを束ねて自社の軸としました。
・生まれ育ってきたこの地域を次の世代につなぎたい。
・耕作放棄地の再生と新たな地域産業の創出を目指す
一、 まわすばしょをみる
独楽廻しの場所としては、とちおの農家であることに誇りを持ち、地域―土着―風土―Food(食)のつながりを感じていただき、愉しんで頂きたいと思い、農園や葡萄の木そのものを主人公に見立てさまざまなイベントを企画し、多くの方に参加いただき関係性を作り上げたいと考えています。
一、 しっかりまわす
伝えたい内容を言語化し伝えていきます。
兎角消費者を巻き込んだイベントは一方通行で終わりがちではありますが、できるだけイベント参加者の意見や感想など積極的に聞き、それらを生かし次につなげるよう努力し続けております。


このような取組みの中WINE FARM TOCHIO(とちお農園)は、
【日々、葡萄をみつめ  日々、自然をみつめ  日々、葡萄へ還す】
私たちにできるのは、葡萄に忠実であること。そして葡萄を愉しむこと。
これまでもこれからも、丁寧に誠実にまっすぐ葡萄と向き合い続けることで、
風土と言われる、私たちだけの栃尾らしさが育まれると信じています。
日ごと年ごとに変化する葡萄のおもしろさをこの土地の魅力とともにワインに込め、みんなで愉しめるカタチをお届けし、ワインでこの地域をつなげていくことを目指していっております。

WINE FARM TOCHIO(とちお農園)さまの取組みは、いかがだったでしょうか。なお、現在も進行形の事業で、どんどん進化している最中なので皆様におかれましてもどうか温かいまなざしで見守って頂く或いは積極的に関わっていただければ幸いです。

このように食の高付加価値化研究所では、上述の「椎葉之独楽売訓」等の独自メソッドやオリジナルの「しつもんシート」などを使い、生産者さまとの対話(ダイアログ)を通じ、考え方の整理や自社の軸や企業哲学の抽出などを行い自社のブランディングや売れる・売れ続ける地域産品の商品開発のお手伝いをいたしますのでお気軽にご相談ください。


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