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【解説】仮名加工情報ってなんだろう?


この記事は以下の方に特におすすめです!

・官公庁や自治体の職員の方々
・パーソナルデータ利活用を推進されている方々

匿名加工情報と似て非なるものとして仮名加工情報があります。今回は、匿名加工情報との違いも踏まえて、仮名加工情報にはどんな利用シーンがあるか考えてみました。

仮名加工情報とは

データ利活用が進む中、個人情報を適切に保護しつつデータを活用するための手段として、「仮名加工情報」が注目されています。仮名加工情報は、特定の個人が識別されにくいように加工された情報で、2020年の個人情報保護法の改正により導入されました。

仮名加工情報ができた目的としては、匿名加工情報ほど厳しくない基準でデータを加工しつつ、個人情報の利活用を可能にすることとなっており、これにより企業や自治体などがデータをより柔軟に活用して、業務の効率化や新たな価値の創出を図ることができます。

匿名加工情報との違い

仮名加工情報と匿名加工情報は共に個人情報を保護しつつデータを活用する手法ですが、いくつか違いがあります。

①加工の厳しさ

匿名加工情報は、特定の個人を識別できないように徹底した加工が施されており、個人情報に戻すことはできません。これは個人情報保護委員会の基準に基づき、他のデータと照合しても個人を特定することができず、また、照合すること自体も違法となります。

一方、仮名加工情報は、特定の個人が識別されにくいように加工されていますが、特定の条件下では元の個人情報に戻すことが可能です。これは、仮名加工情報が元のデータを復元するための情報を保持しているためです。

②利用の目的と範囲

匿名加工情報は、データの利活用を最大化するために広範に利用されることを想定しており、第三者への提供も可能です。一方で、仮名加工情報は、主に社内利用や限定された範囲での活用を目的とし、第三者への提供はできません。

③データの精度と有用性

匿名加工情報は、個人を特定できないように加工されるため、データの詳細度が失われることがあります。そのため、データ分析の精度に影響を与えることがあります。一方、仮名加工情報は、データの有用性を保ちながら、個人の特定を防ぐため、匿名加工情報よりも詳細なデータ分析が可能です。

④法的要件と技術的要件

匿名加工情報は、法律に基づく厳格な基準と技術的な要件を満たす必要があります。仮名加工情報は、これに比べて加工基準が緩和されており、技術的なハードルが低く、多くの企業等の団体において加工が可能なケースがあります。

こういった匿名加工と仮名加工の違いを理解し、データの利用目的や環境に応じて、匿名加工情報と仮名加工情報を使い分けることが重要になってきます。

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