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父74歳と娘45歳 韓国旅④

3日目

昨日HPがみるみる減っていった父、朝は元気。
宿屋で全回復したようだ。
ただ、昨日のペースで歩き回るのはいけないと反省して、この日はツアーバスを使う事にした。

【計画】※すべて電車利用で
ソウルタワー→南大門市場→北村韓屋村→どこかで夕食
【実際】※ツアーバスで
ソウルタワー→北村韓屋村→図書スペース→ホテル近くで夕食

ツアーバスとは言っても団体ツアーではなく、観光名所を巡る乗り降り自由のバスに乗って、好きに観光できるというもの。
バスのタイミングによっては、オープン屋根の二階建てバスに乗れる。
これなら歩く量をセーブして体力を温存しながら夜まで過ごせるのではないか、と思ったのだけど。
まあそんなに上手くはいかない。

バス乗り場

ツアーバスの発着地点は光化門のそばにあるので、ホテルから光化門までは電車でいく。

チケット売り場
バス乗り場

車内ではイヤホンで日本語の音声ガイドも聴く事ができる。
ちょうどオープン屋根の二階建てバスに乗れたので、二階席に座った。
歩かずにソウルの街並みを見られて最高!と思って隣を見ると、蓄積疲労のためか父はすでに爆睡していた(景色…)。

開放的な車内

30分くらいでソウルタワーに到着した。

ソウルタワー

到着

観光といえばタワー、という事で、この旅ではソウルタワーに上ろうと思っていた。
「街を見たい」という希望にもかなう。
ただ、バス停からタワーまでの道が2通りあって、選んだ方が登山かと思うほどの急坂だった。

角度がすごい

思わぬところで父のHPが削られてしまう…ごめん…と思いつつもタワーに到着。
エレベーターで展望室まで上る。

エレベーター乗り口
プロジェクションマッピングで
タワーの四季が映し出される
展望室に到着

タワーからの景色は、父の琴線に触れたようだった。
どこを見回しても高層ビルが広がる景色。
東京タワーもそういう景色だけど、父が東京タワーに行ったのは30年以上前の話なので、ただただ目の前の都会の景色に目を奪われていた。
あと父の世代は吉幾三の歌で漢江(ハンガン)に馴染みがあるそうで、漢江を見て感動して漢江を歌っていた。

漢江

途中、インドからの旅行者に写真撮影を頼まれ、交代で私たちの写真も撮っていただいた。小さな国際交流。
父と一緒に写真に収まるなんて十数年ぶりかもしれない、とふと思う。私は普段は自分の写真を撮られるのが苦手でカメラを避ける傾向にあるけど、たまにはこういうのも良いなと思った。

タワーを降りると、東京タワーで言うフットタウン的なゾーンになっていて賑わっていた(ソラマチというよりはフットタウン)。

巨大なくま

このときで11時くらい。
ここで昼ごはんにしようという事になるも、やはり韓国料理に食指が動かない父の希望はスタバ(父はスタバが好き)。
コーヒーとサンドイッチを食べた。

父コーヒー、私ラテ
サンドイッチは半分こ

ポテトのサンドイッチと書いてあったのでポテサラと思い込んだら、ヤンニョムチキンみたいな味のフライドポテトが挟まっていた。
想像と味のギャップに味覚が混乱したけど美味しかった。

北村韓屋村

電車でソウルタワーへ行くなら南大門市場が通り道だから市場観光をしようと思っていたけど、バスは市場を通らないのでタワー後はすぐ韓屋村に行く事にした。
昔の役人街の風情をそのまま残すエリア。日本で例えるなら倉敷みたいに、昔の建物を見られる観光地でありながら、そこで代々生活している人もふつうにいる住宅地。
古い街並みが父の心にフィットするかはわからなかったけど、私が大好きなエリアなので案内したかったのだ。
しかし、バス停からメインエリアまでは遠いうえに激坂。
歩きながら、そういえばこの辺は坂だらけなんだった…と少しずつ思い出してくる私。

急坂だらけ

結果、私の見積もりの甘さから、蓄積疲労が限界に近づく父をさらに疲労させる申し訳ないメニューとなってしまった。
メインエリアに到着するも、父のHPはもはや1/5ぐらい。気温も35度くらいあったと思う。サラッと見学してすぐバス停に戻った。

来たバスはまたオープン屋根の2階立てバスだったので、2階席で景色を見ながら終着地点の光化門へ向かった。
途中、東大門やデザインプラザも通ったのだけど、やはり父は疲労で爆睡だった。

光化門に戻ってきた時点で午後2時くらい。
まだまだ昼だ。
しかし父はもう歩くのはこりごりな様子。
夜ごはんの時間までどうする?どこか観光する?それともカフェとかでゆっくりする?それとも早いけどホテル戻る?と聞いてみると、この旅最大の難問を提示された。
「もう観光地には行かなくていいけど、ホテルに戻っても仕方ないので、この近くで、エアコンの効いた涼しい場所で、ゆっくり座って休憩したい。でもお腹いっぱいだから飲み物は飲まない」
どこだそれは。
飲み物いらないならカフェに入るのも微妙だし、光化門付近の広場にはベンチやテーブルがあったけど屋外だから暑いし、駅のベンチはゆっくり座る雰囲気じゃないし…
と考えて思い出した。
朝、光化門駅でトイレに行った時、その近くに何か素敵そうな空間があった事を。
試しに行ってみたら、そこは「光化門本庭」という、図書館のサテライトみたいな場所だった。

光化門本庭

おしゃれなネオン
右の空間が光化門本庭
外に見えるのは北岳山
カゴの中にいろんなジャンルの本が入っている

座って自由に本を読めるスペース。しかも空いてる。
ここなら飲み物をオーダーせずとも堂々とゆっくり座って休憩できる…!ここが正解…!!
と思って休むも束の間、外と繋がる駅通路の一部なのでエアコンがついてない。直射日光こそ当たらないものの、ふつうに酷暑。
あたりを見回すと、ガラス扉で区切られて部屋になっている部分もあった。
中を見てみると、12畳ぐらいのスペースに大きな本棚や机がある。
入ってみると、エアコンが効いていてとても涼しかった。
しかも1席空いている。
…ここだ…!真の正解は…!!

中に入ると、父は棚から何冊か興味の湧いた本を取って席に座った。
この旅で役に立つアイテムとして、父のスマホにGoogle翻訳アプリを入れてあったので、父はアプリで翻訳しながら読書を始めた。
父にとっては、外国で知らない言葉の本を読む、という体験がだいぶ新鮮だったようで、夢中で読んでいた。
そうしているうちに、父のHPが着々と回復しているのが見てとれた。よかった…
私は私で色んな本を立ち読みしながら、結局ここで1時間近く過ごした。
本庭はすごく居心地がいい空間で、こういうスペースで気軽に本に触れられるのはすごくいいなと思った。
電子化の時代だけど、教保文庫も素敵だったし、韓国は紙の本も大切にしてるのかなと思った。

3時半頃に光化門駅を出てホテルへ向かう。
今日はもう疲れたから、4時台に早めの夜ごはんにしよう、という事になったのだ。
ホテルに荷物を置いて、ホテルの近くで私が気になっていた店に向かった。

八角堂

毎日、店の前を通るたびに気になっていたタッカルビのお店。
私が夜の散歩を終えてホテルに帰る頃の時間帯は、いつもたくさんのお客さんが入って賑わっている。
知らない韓国料理には手が進まない父だけど、鶏の焼肉であれば全然いけるはず。
という事で、ビールとタッカルビをいただいた。

鶏モモを焼いて、周りにある色んな薬味で頂く
ビールによく合う

めちゃくちゃ美味しい。
韓国来てから私はずっと美味しいものしか食べてない。
父も美味しかったそうでビールが進んでいた。
この旅最後の夕食が当たりで良かった。
食べ終わって店を出て6時。
ゆっくり歩いてホテルに戻って、父の3日目は終了した。

そしてその後、私はホテルを出てまた探索へ。
前日ロッテデパートの地下フードコートに行く際にちらっと見えた、駅前の地下名店街のような空間が気になって仕方なかったのだ。
ホテルから永登浦駅駅方面へ向かい、駅の手前で地下に降りられる入り口があったのでそこから名店街へ降りた。
思っていた以上に永登浦の地下空間は広大だった(写真は無い)。
とりあえず、ロッテデパートの地下食品売り場を探索してみる。
全部美味しそう。
ご飯系もおかず系もスイーツも、美味しそうなものしかない。キンパとかヤンニョムチキンとかキムチの量り売りとか、今お腹いっぱいなのが残念になるぐらい魅力的だった(写真はない)。
名店街の方に戻って道なりに探索を続けていると、新世界デパートの地下食品売り場に繋がった。
新世界デパートも地下は美味しそうなものだらけで、特にスイーツの種類がたくさんあって、帰ってから食べる自分用お菓子を買った。クロワッサンとクッキーのいいとこ取りをしたクロッキーというのが流行っているようだったので買ってみた(写真はない)。
あと、父はこの旅で自分のためのお土産を全く買っていないので(あまりピンとくるものが無かった様子)、父が帰ってから食べる用に、父の好物であるナッツがぎっしり乗ってるクッキーがあったので買った。
新世界デパートの地下はタイムズスクエアの地下とも繋がっていた。
タイムズスクエアに入って、日課の本屋さんへ向かう。
今日の父を見ていて、父用のお土産に、本もいいかもなと思ったのだ。
父はゴルフ好きなので、韓国のゴルフ雑誌を買ってみた。家でゆっくり翻訳しながら読むのも楽しいかなと思って。
そのあとは名店街へ戻って探索の続き。
名店街は昔ながらの古き良き佇まいだった。ずっと昔からここでやってるんだろうな、という感じの洋品店やおもちゃ屋さんや帽子屋さん。
もっと進むと別の駅に繋がるようで、人通りがすごく多かった。
名店街と3つのデパートが繋がる巨大地下空間を満喫し終わるともう9時だった。
夜の散歩、もっと写真いっぱい撮っておけばよかった。

4日目へ続く


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