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ゴールデンカムイ現地学習〈函館・3〉

前回まで↓

北方民族資料館

アイヌ民族をはじめとして、ウィルタ民族やアリュート民族など北方の民族の民具や服などを収蔵してる資料館。
博物館というよりは本当に資料館という感じで、博物館に必ずあるような歴史年表は無くて、文化的な資料を丁寧に展示している感じ。
すごく見応えあった。解説全部読んで映像資料も全プログラム見て3時間弱ぐらいだった。

尾形が熱出たときに被ってた
エノノカちゃんの帽子
色裂置文衣 ルウンペ
白布切抜文衣 カパㇻミㇷ゚
アリュート民族の工芸
セイウチの牙に描かれてる
裏面も精密画がびっしり

今回初めて知ったこと。

1.
荷物をタㇻ(背負い縄)でおでこに引っ掛けるあのスタイルは熊に遭遇した時に頭を後ろに傾けるだけですぐに荷物を下ろせるからと書いてあって、そうなのか!!と思った。
てっきり両手が空くのと肩が凝らないようになのかと思ってた。昔の熊遭遇率はものすごく高かったということなのか。

2.
ストウの正しい使い方を初めて知った。
3回も叩かれるのか…昔の人強い…

制裁棒 ストウ
殴打し合って一件落着

これまでいろんな博物館を見てきて思うのが、それぞれの博物館で収蔵されてる資料の経緯はいろいろだということ。
ウポポイの博物館は、アイヌ民族によるアイヌ民族のためでもある資料庫みたいな感じで、自ら制作したりご親族から譲り受けたりしたものが多い印象。
北大の北方民族資料室は、入口に反省を込めた掲示があったように、アイヌ民族を滅びゆくものだと断定して資料としての保全を目的に集めたものが多いとの事。

函館の北方民族資料館は、開拓使によって集められたものと研究者によって集められたものがあるそうだ。そして研究者のスタンスはあくまでも北大と同じのよう。
ただ、いろんな状況が交錯して収集に至ったようで、その解説を読むと心が苦しくなる。

収集の経緯・前半
収集の経緯・後半

言葉遣いが今では絶対にありえないものだけど、それが当時の時代背景ということか。

要約すると、海外にどんどん流出してしまうアイヌ民族の民具や服を国内にとどめるために収集がされはじめたようで(事実そのおかげで今こうやって収蔵品を見て学べるありがたさがあるのだけど)、収蔵品はどれも元々の持ち主である彼ら民族にとってとても大切なもので、家族のために作ったものだったり、祭事で使うものだったり、彼らはなぜそんなに大切なものを手放したのかというと、ひとえに金銭的に困っていたからであると(もちろん例外もあると思うけれど)。
当時の彼らがどういう暮らしに追い込まれていたのか、どんな思いで展示されている民具や服を手放したのか、理解したうえで見るとすごく複雑な気持ちになる。けどそれはちゃんと向き合わなきゃいけない歴史だとも思った。

ウパㇱチㇼの杉元と鯉登少尉がいた。
手作り感がかわいい。

かわいい
この他にもたくさん関連図書があった


解説パネルの館長さんのコメントも人情味が強くて面白かった。
とても丁寧であたたかみのある資料館だった。

函館聖地巡礼おわり。

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