何を建てるか
前々回の記事、前回の記事で理想の住宅とは何か、について自分なりに考えてきたことをまとめてみた。本稿では実際に建てる建物について現段階での検討事項をまとめてみたい。
土地の契約から遡り2年と少し前、家を建てると決めてから、土地探しと並行して建物の検討も重ねてきた。大手メーカーでは住友林業、ヘーベルハウス、タマホーム、積水ハウス、セキスイハイム、パナソニック、三井ホーム、一条工務店、無印良品、ローカルなメーカー・工務店では紀の国住宅、丸良木材、浅井良、和秋建設、、などなど。建築家とも5〜6名と相談させて頂いた。
※以下、特に意味のない限り、メーカー・工務店・建築家は工務店という表記で統一する。
振り返り–家を新築しようと思った理由
最初の記事にも一部書いたが、家を建てようと思った理由は以下の要素を兼ね備えた建物が欲しかったからだ。
・職住兼用の建物
・夏冬快適な家
当初のテーマは性能と耐久性
工務店選びで一番重要なのが夏冬快適な家を実現する快適性とそれを維持する耐久性だった。快適性と耐久性については、前々回の記事、前回の記事で述べた通りなので、ここでは割愛する。
理想は伝統構法・石場建て
多々の工務店へ見学していく中で、高断熱・高気密の空間よりも木と土壁の空間の方が心地よさを感じた。耐久性の面では伝統構法・石場建てが圧倒的に優位であると思う。耐震性についても伝統構法・石場建ては負けていないと感じた。結局、理想的な住宅の要素を上げると以下の通りとなる。
・構造
―金物を使わない木組みの構造
―構造材は上質な無垢材を使用
―石場建ての採用
・断熱・調湿・気密化
―土壁の全面的な採用
―内側は真壁とし、外側には断熱材を入れる
(透湿防水シートが必須と言われれば、諦めて使用する)
―土壁は調湿性が高いため、防湿シートは使用しない
―高気密は目指さないため、気密シート類も使用しない
―屋根や床には断熱材を使用する
・設備
―外部扉・窓は高性能な木製・樹脂サッシを使用し、断熱性を補う
上記をすべて実現していくと、恐らく予算オーバーとなってしまうため、削るところは削った上で、果たして満足のいく家造りが可能かどうか。
検討軸は2軸。時間はたっぷりとかける
現実的な検討の方向性としては、在来工法と伝統構法それぞれ検討を進めていきたい。一生住む家であるので、数ヶ月といった短い期間で結論を出すつもりはない。じっくりしっかり検討し、納得のいく設計で進めていきたいと思う。