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あなたはどっち派?

皆さんはお家を建てたいと思った時、まずどこに依頼しようと思いますか?
お住いの地域によっても異なってくるかと思いますが、大概は初めにハウスメーカーを思い浮かべるのではないでしょうか?

僕の住む沖縄県はちょっと特殊で、初めから設計事務所に相談する方が多くいらっしゃいます。

また、他にも工務店に依頼するなど、お家の建て方には色々と選択肢があります。

今回はハウスメーカーと設計事務所を経験している僕が、複数ある選択肢の特徴を説明できればと思っています。(※建売物件や中古物件などのリフォームの話はここでは省きます。あくまで新築に限った話となります。)

お家を建てる時の選択肢は主に以下の3つ

1.ハウスメーカーや工務店にお願いする

メリット
・建てる前から完成をイメージしやすい。

 :モデルルームを見学出来る事が多いので、完成品に安心感を持って設計を始められる。

・建つまでのスピードが早い。
 :構造や仕上げ、間取りの仕様が決まっているので、下請け業者さんは同じ仕事を繰り返す事でスピードが早くなります。

・品質が安定しやすい。
 :仕上げやディテールのパターンが決まっているため、自ずと仕上がりの品質が安定していきやすい。

・費用が分かり易い。
 :建物の標準仕様やオプション等で価格帯が決められている事が多いの で、掛かる費用が始めから想定しやすい。
デメリット
設計の自由度が低い。
 :仕様が決まっている為、少しでもそれからズレると割高になる事がある。例えば"構造が決まっている、間取りに型がある、仕上げや設備機器が決まっている"など。

・設計打合せを建築士でなく営業マンと行う。
: 建築士とお施主さんの間に営業の方が入るので決め細かな情報のやり取りが難しい。伝言ゲームの様になりお施主さんの意図が伝わりにくい。※ (工務店はお抱えの設計士が対応すると聞いた事があります。)

・金額が適正価格なのか分かりにくい。
 
:一社からの見積書になるので見積の妥当性が判断しにくい。

2.設計事務所にお願いする

メリット
自由な設計が可能。
:基本的には平面計画や、構造、仕上げ材、設備機器等に仕様が無いので、お施主さんそれぞれに合うオンリーワンな提案を建築士が行う。また、建築士が直接お施主さんと会話をするので、お施主さんが言葉だけでは表現出来てない隠れた要望(お施主さんも気付けてない要望)を汲み取り提案する事が多い。

予算調整を行いやすい。
:決まった仕様がない為、お施主さんと共に要望の優先順位を整理する事で、柔軟に予算調整を行える。

・建物の適正価格が分かる。
:
見積依頼を複数の施工会社(元請会社)にお願いする為、価格比較が出来る。なおかつ建築士が各工種の単価や材料数量などをチェックし修正を行う。
デメリット
・設計期間が長い。
:敷地やお施主に合わせて毎回オリジナルな計画を行うので設計業務に時間がかかりがち。

・予算調整に時間がかかる場合がある。
:お施主さんの要望は極力叶えてあげたいので、大体の内容は計画に盛込む。その為、どんな金持ちでも予算オーバーになりがち。見積が出てきた段階で減額方法の打合せをする必要がある。(もちろん無い時もあります。)

3.その他(分離発注)

メリット
・工事費が最安になる可能性がある。
:各工種の見積依頼を自分で行い、予算組みをするので、元請会社の管理費や各工種の見積に含まれる元請会社への利益金額が削減される。
デメリット
・相当な労力と時間がかかる。また専門知識が必要。
:工種の理解と見積依頼をする業者さんを探す必要がある為、かなり手間がかかる。また工事管理を自身で行うなど、専門性が必要とされるので素人はほぼ無理。また工事金額が一式だと1,500万以上、一工事だと500万以上となる場合は建築業許可を取得する必要である為、新築住宅だと大抵難しい。

・メンテナンスにも知識が必要。
:建物完成後に不具合が出た場合のメンテナンス方法や保証期間を、依頼する業者さんに事前に確認しておく必要がある。

僕が思うに、スピード重視で楽して住宅が欲しい方はハウスメーカーや工務店、時間は掛かるけどじっくりと住宅創りをしたい人は設計事務所、相当の専門知識と時間がある人は分離発注という感じです。

ちなみに設計事務所は一部の工種を分離発注可能としているところも多いと思います。例えば、お施主さんの知り合いの電気設備工事屋さんや、水道工事屋さんが安く工事してくれるから、元請業者さんが連れてきた業者さんではなく、知り合いの方に工事に入ってもらうなどです。(完成後の保証の話もあるので元請業者さんから許可を貰えればではありますが。)全部を分離発注にするのは現実的ではありませんが、高い金額の工種を分離発注にする相談をしてみては如何でしょうか?それだけでも大分金額が下がる可能性はありますよ。

弊社S_Lab(エスラボ)の場合は、見積を複数社に依頼→各社見積の内訳をお施主さんに開示→一番安かった見積内容からさらに減額案を提案(部分的な分離発注も含む)。 という手順を取っています。

金額が下がる可能性がある事は全てやっていくスタイルです。

もちろん、安かろう悪かろうになってはいけないので、信頼出来る元請業者さんに依頼しつつ、金額の正当性も確認しています。

お家を建てる場合は、とっても大きな買い物となるので、慎重に、そして後悔のない様にして欲しいと思っています。この記事が少しでも誰かの役にたてば幸いです^ ^

今回は新築に関しての内容でしたが、中古物件を購入してリノベーションを行う事も賢い選択だと僕は思っています。それに関してはまた別で書かせて頂きます。

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