依存のアノマリー。依存という生の一つの状態、もしくは一つの存在形態は、他者からの「自立」が尊ばれる現代社会では、それ自体を好ましからぬ畸形と見るむきもある。だがここで私が〈依存のアノマリー〉と呼ぶことで切り取りたいのは、空想の世界でのみ成り立つそのような政治フィクションの断面ではない。私たちは、他者に依存することなしに一日たりとも生きることはできないし、そもそもこの世界に生を授かるためには他者の力が絶対的に必要であった。このことは疑いようがない。ネオリベ的な倍音が伴うチープ
弁当を作る機会が増えた。健康のため、と優等生回答をしたいところだが、春先に清水の舞台から飛び降りたため(1)、節約生活まっしぐらなのである。決まって入れるおかずは、「薄め短冊切りの人参とこんにゃくの煮物」。週末に1週間分まとめて作る。短冊切りは微妙に手間がかかるが(2)、煮込む時間はショートカットできる。弁当に入れるなら葉物など水気の多いものは厳しいが、人参とこんにゃくなら安心だ。醤油、酒、みりんだけのお手軽味付けも、調理のハードルを下げる。特段の好物というわけではない。ま