世界経営者会議

10/28開催「世界経営者会議(日経フォーラム) 」の見どころをNサロンメンバーで取材してきました。

10月28日、29日の両日、帝国ホテルで開催される第21回日経フォーラム 世界経営者会議

noteやTwitterでの発信を磨いているNサロンメンバーは特別枠として10人まで、日経主催の年1回開催のビッグイベント、「世界経営者会議」への参加が可能になりました。

ただ、予備知識無しに参加しても発信するポイントが定まりにくいため、今回は日本経済新聞社の世界経営者会議の担当者にNサロンメンバー限りで取材をお願いしました。見どころなど聞いてきましたので、noteに綴っていきます。

当日は400人以上の方が参加されるそうです。今回参加される方をはじめ、参加できないけど、どんな人が登壇して何を話すのかご興味がある方はぜひ読んでいただけたらと思います。(本記事の内容は取材をした10月21日時点のものです)

毎回進化している世界経営者会議

世界経営者会議と聞いて「世界のトップ経営者が集まって基調講演のようなことをしているのだろう」そう思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今年で21回目を迎える「日経フォーラム 世界経営者会議」はそんな普通の経営社会議とはひと味違うようです。

日本経済新聞社グローバル事業局 国際室次長の小山 隆史さんによると「これまでは経営者のかたお一人でスピーチをする方が多かったが、企業の広報が用意した文章を読んだり、表向きの顔を崩さないところもあります。そこでQ&Aを足したり、パネルを多く入れることでその場にいかなければ引き出せないような話を聞いてもらえるように苦心してプログラムを組んだ」のだそうです。回を重ねるごとに毎回どのように聴衆者に届けていくかという努力を続け、世界経営者会議は常に進化しているとのこと。

講師の数は史上最多の28人

今回登壇予定の講師の数は史上最多の28人。二日間に渡る会議という形式は前回と変わりはないが前回の講師の人数が18人、今回は5割以上増しなのだそうです。

その分講師お一人の持ち時間は30分、2人以上でも1時間程度とコンパクトでスピーディーに進行する予定だそうです。これは海外のカンファレンスを参考にし、オーディエンスを飽きさせることなく進行するという意図なのだそうです。

世界的に有名な経営者の方は既に自社のチャネルやYouTubeなどでご自身の経営理念などを語られているようなことが多いのだそう。確かに私たちは日常的にメディアで経営者の理念などを目にする、耳にする機会が増えています。
この世界経営者会議はそれ(YouTube)を再生するようなイベントにはしない」コンサルタントや広報がしっかりしていたり、経営企画室が用意した文言を失敗なく繰り返すような、「いわゆる予定調和を廃したい」という企画側の熱い想いが詰まっているのだそうで、とにかく企画にこだわりがあることがわかりますます期待が高まります。

「名だたる世界の経営者の方々が同じ場所に同じ時間帯に集まるのでこの場を活用してパネルで話して欲しいと持ちかけたが、実際断られることもあったりするんです。がんばってここまで(企画を)持ってきました」とお話される国際室長の窪田淳さん。企画の裏話もちらほらとうかがえ、親近感も沸いてきます。

ジャレド・ダイアモンド氏来日

今回の世界経営者会議の特徴として、ジャレド・ダイアモンド氏の来日があげられます。

スクリーンショット 2019-10-22 8.56.33

進化生物学者であり「銃・病原菌・鉄」の著者でもあるジャレド氏。10月末には「危機と人類」を出版する彼は新著の中で7つの国をテーマにしていて、その中に日本の明治維新を取り上げているのだそうです。

そんなジャレド氏は世界経営者会議2日目に「危機を突破する国家経営〜明治維新から学ぶ日本の針路」というテーマで登壇されます。

10月28日(月)の登壇者紹介

ここからは日程別に登壇者お一人お一人について企画裏話的なお話を含めて紹介をしていきます。まずは1日目、10月28日の登壇者とテーマ、そして登壇される時間です。

(登壇時間等は予定です。当日変更になる場合があります)

9:35-10:05 健康で幸せな生活のための食

ネスレ名誉会長 ピーター・ブラベックーレッツマット氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.33.35

なんと前回登壇予定でしたが、やむなく欠席されたというレッツマット氏。今回はまさにリベンジとも言える来日になりそうです。それだけに意気込みも十分だそうです。

著書「nutrition for better life」に関連して食をテーマにお話される予定だそうで、食に関する知識の量が先進国で寿命やQOLを左右する、賢く食べて健康になるといったお話になるそうです。

10:05ー11:15 グローバルな経営環境に起きる大変革

ブランズウィック・グループ 会長 兼 創設者 アラン・パーカー氏
住友商事 会長 中村 邦晴氏
三菱総合研究所 理事長 小宮山 宏氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.54.11

こちらのセッションはこの会議のプレナリーセッション的な役割を果たすといいます。2日間のセッションの土台となるようなあらゆる経営者に関係してくるような経営環境が、今後どうなっていくのかという大風呂敷を広げるような議論を展開していくことになるそうです。

これまでの世界経営者会議と違うところは、それぞれの経営者が自社の話や目先の業績の話だけではなく、世の中や日本がどういう方向に進みそうなのか、それによって我々が何に注意して今後生きていけばよいのかということがかたられるような会議にすべく企画、打合せが行われたところだそう。そのために担当者が何度も登壇者の元へ足を運び、企画を提案し交渉を続けてできあがった会議なのだそうです。

経営者がご自身の経営者としての哲学だったり、10年後、20年後の会社の未来についてロマンを語られる貴重な場になること間違いないですね。

ここで事前に各人がどのようなストーリーを展開されるのか少しだけ伺いました。

アランパーカー氏:これまでは消費者だけ、株主だけみていればよかった企業のステークホルダーが変わってくると予想。念頭に置かなければならない人々、クラス、社会の層が増えているというお話からスタートしそうだとのこと。
中村 邦晴氏:世の中がどんどん変化していく中で産業のボーダーが変わってきている。それをうまくクロスさせられることが商社の強みであるという中村氏。クロスボーダーにするには内側の人になっていないといけない、そこをいかにうまく組み合わせられるのか、また、そのために大事なのは人だということに言及されるそうです。まさに今の日本企業に必要なお話です。
小宮山 宏氏:環境、循環型社会について詳しい小宮山氏。レアメタルの循環についてや、来年日本で開催されるオリンピックについても話をされるそうです。また、ビッグデータについても日本の先進的な試みが紹介される予定だそうです。

【社会と市場の要請に応え続ける経営】

11:25-11:55 新たな局面を迎えたインド太平洋のパラダイム

KPMGインド 会長 兼 CEO アルン・クマール氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.40.23

お一人で登壇されるクマール氏。事業の経験の中で学び取った事業のセオリーをお話される予定。ご自身の経験を経てうまくつかみ取った一つの論がうかがえる予定です。

13:00-13:30 個人の時代・企業の時代

ファーストリテイリング 会長 兼 社長 柳井 正氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.40.54

「まだ謎に包まれた部分がおおい」という柳井氏のテーマ。「個人の時代・企業の時代」についてお話をされるそうで、「自国主義を振りかざした世界経済が分断など世界的な課題にも言及をされるそうです。勢いが感じられます。

13:40-14:10 ラグジュアリー市場で切り拓く新領域

モンブランインターナショナル CEO ニコラ・バレツキー氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.41.22

万年筆で有名なモンブラン。親会社であるスイスのラグジュアリーコングロマリット(複業企業)リシュモンの一部門である。万年筆から鞄など水平展開して成功している企業のお話です。

【人生100年時代をとらえる健康と食のビジネス】

今回の世界経営者会議は来年、2020年の東京オリンピックを控え、企画の早い段階から「健康」や「食」に関するテーマを取り入れようと考えていたといいます。今回の目玉とも言えるテーマです。

14:10-14:40 前例なき変革への決断

キリンホールディングス 社長 磯崎 功典氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.41.57

2009年の会社が逆境にあるときに社長に就任された磯崎氏。ビールで有名なキリンにいながらビール事業についていないという異色の経歴の持ち主でもある磯崎氏は「(キリンビールがずっとビール事業で1位をとるような)会社が順調であったならば自分は社長にはなっていなかった」といい、本当に困難な時代を独自の手腕、決断で切り抜けられた。今回は「その決断の先」についてお話をされる予定で医療、発酵、健康などについて進んでいるキリンの「ポートフォリオを変えていく」お話が伺えるそうです。

15:00-16:00 豊かな社会を支える食事・運動・ヘルスケアデバイス

日本マクドナルドホールディングス 社長 兼 CEO サラ・エル・カサノバ氏
エニタイムフィットネス 社長 兼 共同創業者 デーブ・モーテンセン氏
タニタ 社長 谷田 千里氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.48.00

異業種のトップが食や健康について語り合うセッション。
食事で人々の幸せを支えていくという視点からお話されるマクドナルド。先行投資型、大規模が当たり前だったフィットネス業界に「狭い場所」で「少額投資」で店舗をオンラインで管理するなど現代の技術を用いてフランチャイズ展開することで革新を起こしたエニタイムフィットネス。計測器で有名なタニタは社員を個人事業主にして会社と契約するという新しい雇用形態を取り入れたことについても言及される予定だそう。

また、有料聴講者への事前アンケートで質問を募ったところ「マクドナルドのV字回復についても話して欲しい」というカサノバ氏へのリクエストが多かったという。

16:10-16:40 情熱を解放する経営

ディー・エヌ・エー 会長 南場 智子氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.48.31

こちらは行ってみてのお楽しみ。「従業員を大切にする」など経営哲学について語られる予定で、当日は日経の上級論説委員の大林 尚氏がモデレーターを務めます。

16:40-17:10 サステナビリティー時代のカップヌードル進化論

日清食品ホールディングス 社長・CEO 安藤 宏基氏

スクリーンショット 2019-10-22 8.48.58

NHKの朝の連続テレビ小説でも取り上げられた日清食品創始家出身の経営者である安藤氏の登壇。様々な商品を開発しながらもカップヌードルという変わらないブランドを守り続けてきたお話は必聴です。カップヌードルの進化や環境対策についてもお話が伺えるそうです。

17:10-17:40 We're all the same

エニタイムフィットネス 社長 兼 共同創業者 デーブ・モーテンセン

スクリーンショット 2019-10-22 8.46.15

どうしても英語のタイトルにこだわったというモーテンセン氏。運動で健康を維持することは世界の誰にとっても必要である、また世界の誰もがエニタイムフィットネスのサービスにアプローチできる環境を目指すという視点で登壇される予定だそう。

・・・裏話・・・

これまで何度も世界経営者会議の企画運営に携わった日経のお二人、「以前は登壇者を決めたら、講演内容はおまかせだったが、今回は登壇者のもとに登壇決定後何度も足を運び、内容にまでコミットしています。」という。だからこそ今回のような事前ミーティングが開催できたと言います。これはいち聴講者としてもとても期待が高まる裏話です。

世界経営者会議1日目は以上の豪華登壇者によるセッションが予定されています。引き続き2日目の予定をどうぞ。