無事、自己紹介を終えたので改めて記事を書いていきます。
前回は、人工呼吸器装着下の患者を受け持ったことがある多くの看護師が抱くであろう臨床疑問(CQ)を紹介しました。
次のステップとしては、CQにケリをつけるべく論文を探すのですが、まずは人工呼吸関連肺炎のことを知るべく、ざっくりと情報収集をします。
定義
発症率
死亡率
リスク因子
VAPバンドル
ここまで概観して
VAPは、発症すると治療に難渋し、死亡率も高い。また、VAPの定義が曖昧なため、誤嚥性肺炎などとの鑑別が困難という特徴があります。さらに、既存のスクリーニングでは主観的な要素も含んでおり、診断が困難ということが分かりました。今の予防策としては、VAPバンドルが主流のようですね。
VAPからVAEへ
先日、同じ研究室でNPコースに所属している友人にこの件を伝えると、「今はVAPではなくVAE(ventilator-associated events :人工呼吸器関連イベント)を使用しているよ」とアドバイスをもらいました。
恥ずかしながら知りませんでした。。。餅は餅屋ってことですね。今回は、CQの解決に繋がる論文を探したいため、VAEに関して詳しく言及はしませんが、VAEはVAPの前段階として位置づけられており、VAPと比べると診断指標が客観的であるという特徴を有しているようです。そのため、VAEを早期に鑑別することでVAPの予防が期待できるようです。
CQの改良
先ほども述べましたが、VAPは診断が困難という特徴を有しているため、元々のCQでは、該当する論文が少ないのではないかという疑問を抱きました。そのため、CQを改良します。
こうすることで、人工呼吸器装着下の患者に対する側臥位や完全側臥位、腹臥位による効果を幅広い視点で知ることができます。
このようなCQの改良は、研究に取り組むときにもよく行われます。洗練されたCQは、良い研究を生み出します。
次回予告
次回は、いよいよCQの解決に繋がる論文を紹介しようと思っています。こうご期待!