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♯4 院内の看護研究体制に対する提言

どうも、N-SaiComです。3回に分けて、かねてより抱いていたCQの紹介とそれに関する論文を紹介してきました。今後も、臨床現場で活用できる論文を紹介する傍ら、僕のMissionである臨床の看護師が研究を実践する文化を創るを実現するために日頃考えていることや実践して得た知見を発信していこうと思っています。


論文紹介

今回は、その基盤となる院内の看護研究に対する全国調査の論文を紹介します。今回の論文はこちら。

中・大規模病院における看護研究に関する全国調査

 坂下, 北島ら 中・大規模病院における看護研究に関する全国調査. 日本看護科学会誌
J. Jpn. Acad. Nurs. Sci., Vol. 33, No. 1, pp. 91–97, 2013

目的

  • 100床以上の病院を対象に、看護研究の現状と課題を明らかにすること


方法

  • 全国の100床以上の病床をもつ5471病院より無作為に抽出した3000病院に実施

  • 質問紙調査の回答者は、看護研究の推進に携わる者または看護部長


結果

  • 回答は1130病院(回収率 37.7%)から得られた

  • 看護研究に取り組んでいる病院は88.4%

  • 研究実施者の内、研究に興味のある人が21.0%

  • 研究期間は1年間が最も多い

  • 看護研究に取り組む目的の優先順位はスタッフ教育、患者サービスの向上、業務改善の順に高い

  • 最も実施されている研究方法は、実態調査・横断的調査

  • 最も実施されているデータ収集方法は、アンケート

  • 研究支援は、研修会を開くが68.5%、看護師長・主任・先輩看護師が指導しているが66.2%、委員会を設け運営しているが59.5%

  • 研究支援上の課題としては、データの分析に関する知識・技術72.5%、院内で研究を指導する人71.4%、研究方法に関する専門知識67.0%


総評

11年前に発表された研究ですが、現在も同様の状況が続いていると考えられます。僕自身、大学院に進学すると決意してから院内で2つの研究に取り組みましたが、院内に研究に精通した人材がいないため、かなり苦労した記憶があります。院内の看護研究体制が今のままではいけないと強く思います。なのでこの研究結果と実体験をもとに、次からは院内の看護研究体制に対する提言を行っていきます。

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