見出し画像

♯1 人工呼吸関連肺炎(VAP) CQ


疑問

人工呼吸器を装着している患者の体位交換時に、こんな疑問を抱いたことはありませんか?

人工呼吸器装着中の患者に対する側臥位の体位交換は
人工呼吸関連肺炎(VAP)の予防に有効なのか?

筆者がかねてより抱いていた疑問


私自身、救命救急センターで勤務していた期間中、多くの人工呼吸器装着中の患者の体位交換を行ってきました。レントゲンやCT画像、血液ガスデータを見ながら通常の側臥位よりも角度(45~60度)をつけた側臥位や完全側臥位腹臥位なども行ってきました。実際に通常の側臥位よりも角度をつけた方が、吸引時により多くの喀痰を回収できた感覚はありました。

しかし、これらの手法が本当に有効なのか、確証はありませんでした。先輩看護師や認定看護師、専門看護師などに聞いてもその有効性については経験則に基づく曖昧なものでした。気になり調べた結果、VAPバンドルに辿り着きましたが、側臥位の有効性を記した記述はありませんでした。


CQとは

これらの臨床(Clinical)で抱いた疑問(Question)をCQ(Clinical Question)といいます。すべての研究はここから始まります。
世界のどこかには、同じようなCQを抱いている看護師がきっといるはず。
さぁ、このCQを探求するための旅に出かけましょう。


次回予告

次回は、「♯2 人工呼吸関連肺炎(VAP) 疫学」を予定しています。


いいなと思ったら応援しよう!