アサヒビールの社長は転職4回だそうだ
アサヒビール社長、松山一雄さん64歳だが、転職4回だそうだ。
転職崩れをした私とは違う。
転職をしてきた本物の経営者だ。
このような方から仕事人生を学ぶとよいだろう。
しなやかで懐が深いように思える。
私は、P&G社員から少しだけ学ばせてもらったが、そのP&Gでも仕事をされている。
私が生意気いうのも変だが、アサヒの経営陣は、なかなか見どころがある。
日本も遅ればせながら、このような時代がきた。
何事も挑戦だろう、と思っていたが、挑戦しない企業が多かった。
アサヒビールとは縁がある。
ビールではない。
スパードライもよく飲んだが、もっとも大切な樋口廣太郎氏との出会いだ。
もちろん、本人にあったわけではない。
樋口さんが書いた本だ。
今も大切にしている。
「知にして愚」という本だ。
樋口さんの人生の大半は、住友銀行だった。
60歳でアサヒへ移っている。
人生の晩年だ。
だが、アサヒビールはここから蘇った。
夕日ビールから、まさに朝日ビールになった。
住友銀行時代は、天皇と呼ばれ、その後失脚した磯田頭取のもとで仕事をされていた。
樋口さんのアサヒビールへの異動は、どういう理由かなど私ごときは知らないが、アサヒビールを見事に復活させた。
住友銀行において頭取に手が届くところだったのではないだろうか。
いろいろなことが去来するのが人間だ。
だが、この人、踏ん切りがよい。
それが、自らを救った。
磯田頭取が問題を起こし、失脚した。
住友銀行にいれば、どうなったわからない。
人生とはわからないものだ。
企業社会のよいところは、辞令一つで異動することだ。
これがよい。
良くも悪くも運命を決めてくれる。
私は、異動のおかげで退職できた。
幸運だった。
もちろん、不運もあった。
人生最大の運をもらった社長とのわかれだ。
4年ほどで定年退職された。
不運があるのも人生だ。
企業社会の流れの中で自分がなにをやるかだ。
辞令一つの異動でも、異動することもできるし、やめることもできる。
自分次第だ。
樋口さんの本は、今の時代でもいささかも古さなどない。
人生を貫く真理が詰まっている。
樋口さんに学んだ多くの人たちが、まだいるのだろう。
挑戦を尊ぶ。
粋なことをやる企業だ。
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