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仕事の基本を教えてもらった二人の先輩(ソニー子会社時代編)

仕事の基本を教えてもらった二人の先輩のうち、もう一人はソニー子会社時代に出会った先輩でした。
技術職の方でしたが、会計の知識、あるいは人事的な素養をもっている方で、とにかくあらゆることによく気がつく人でした。
私は転職してソニー子会社へ入社しましたから、現場の仕事に関することがなにも理解できていませんでした。

とくに入社後、採用担当から仕事をはじめたことで、この企業がどのような業務をおこなっているのかを理解しなければなりません。
採用試験時、応募者の前で会社の説明をするのに、なにもわかっていない私が話をするわけにいかないからです。
この方は、私の上司と仲が良いことから、いろいろな相談をすることになりました。当初、この先輩は相当忙しく仕事をしていましたが、私はそんなことも知らず、のんきにこの会社の業務に関して質問しにいっていたものです。あとで聞くと、かなり嫌がられていたようです。
私は必至でした。。。
私には、この人しかいない。
転職がうまくいくかどうかは、先ず私自身がこの会社のことを、どれだけ理解できるかどうかにかかっていました。
管理部門への転職のむずかしさでしょうか。
企業全体を総合的に把握することが求められるからです。

私はあきらめることなく、しつこく質問攻めにしたからでしょうか、だんだんとうまくコミュニケーションができるようになってきました。
もちろん面と向かって、お前はしつこい、とさんざん言われました。
同時に、この先輩からも業務に関する要望がでてくるようになりました。私はもともと業務を改善するために入社したような人間ですから、やりたようにどんどん改善を試みました。
そんな関係で日常業務が改善していくことを知り、また、この先輩も私の実行力や突破力を認めてくれるようになりました。
お言葉まで頂戴しました。
お前は「頭は悪いけど、頭が柔らかい」と。。。

いつしか、単身赴任されていたアパートは、私が帰宅する家となり、二人でこの会社の将来について夜通し語りあいました。
こうすることで、さらに仕事に関して深く広く知ることができるようになっていきます。
この先輩は、技術的な専門能力が高いようで、ソニーの事業部メンバーから、しばしば相談されている姿を目にしていました。
子会社ですから、子会社の存在理由があります。
その中でソニーの関係者と打ち合わせをおこなっていたようです。
人望が厚く、両社の間を取り持つための仕事を積極的におこなっていました。

さらに、この子会社の新たな事業や業務を確立するために、いろいろな施策を企画立案し、実行し、会社の骨格を築く仕事に邁進していました。
とにかく、この先輩と、これまでの人生にないほど多くの話をしました。
自分たちの夢のために、企業が目指す方向へ企画立案と実行の繰り返しでした。失敗したら、また、考えて実行、その繰り返しでしょうか。
私も同様に、企業が目指す目的のために管理部門の業務を徹底的に改善していくことを目指し、企画提案と実行を繰り返します。
どんなに自分で考えた企画案でも現場の視点でみてもらうと、まだまだ問題が山積していることは多いものです。
そんなとき、この先輩のように現場目線から、さらなる改善という踏み込んだ視点で企画内容を鍛えてもらうことは、管理部門の人間にとって重要なことです。
こうすることで施策は、現場段階でスムーズに導入でき、うまく機能することにつながります。もちろん、その後も現場サイドからの意見を取り入れて修正を繰り返すことは多々ありますが、どれも現場を活かすための作業になっていきます。

管理部門の仕事は、現場あって成り立っているものです。机の上だけで考えているだけでは物事は進みません。
転職でこの企業の現場を知らない私には、この先輩を通して現場を知り、また、現場の責任者を紹介してもらうことで、どれほど助けてもらったことでしょう。
この思い出を本にして出版しました。
また、本にせずにはおれませんでした。
ソニー子会社における管理部門の立ち上げ仕事は、私の人生における強烈な仕事史でしょうか。

このような先輩とめぐり会えたから、よき人生を歩くことができています。
この方も高卒でしたが、ソニーでは学歴は関係ありませんから、私が退職してからも順調に昇進され、私たちが語りつくした夢が溢れる企業にしてくれたようです。現在でも、当然、お付き合いは続きます。
このような人は、長くソニーのなかで仕事をされるべきであり、その力によって企業は見事に変わっていきました。

私は、会社の基礎を作れば、そんな夢のある企業になっていく姿を遠くから見るのが好きなのです。
基礎作りをする人に光が当たることはありません。。。

もっとも、企業における基礎作りの基本をソニーという企業から教えてもらい、学んだ、私の仕事人生のなかで大切な大切な時代です。

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