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イギリス労働党キア・スターマー政権の支持率低下の原因

こんにちは、ムラです。本日はイギリス労働党のキア・スターマー政権について取り上げます。

 キア・スターマー政権は去年7月の選挙で大勝し、誕生しました。獲得議席は411で保守党の121議席と比べると、その大勝ぶりが明らかかと思います。

 しかし、現在スターマー政権は支持率が急降下しています。現在の支持率は20%に対し、不支持率は58%です。

 なぜここまで支持率が低下したのか。3つの理由を解説します。

①治安問題
 一つ目は治安問題です。イギリスでは、刑務所の収容人数が圧迫していることが課題でした。

 スターマー政権はそこで、囚人たちの早期釈放という政策を実施しました。

 その同時期に極右団体の暴動が発生し、政権は治安維持のため、特別法廷を開き、暴徒に実刑判決を下しました。囚人を早期に釈放しておいて、極右の暴徒には特別法廷を開いて実刑を下すという対照的な行動に批判が浴びせられたのです。

 それに輪をかけて、釈放した囚人が翌日に犯罪を犯したという報道がなされ、政権の支持率が低下いきました。

②高齢者向け手当の削減
 二つ目は、高齢者向けの手当の削減です。

 イギリスでは、全ての高齢者に冬季燃料手当というものが支給されていました。

 スターマー政権は歳出削減の一環で、低所得者を除き、この手当を削減する政策を実施しました。

 これが高齢者の批判を呼び、支持率が低下することになりました。

③贈り物問題
 三つ目は贈り物問題です。

 スターマー首相はサッカー好きで知られ、アーセナルの試合のチケット(最も高級な席)を複数回タダでもらっていたことが発覚しました。

 また、首相夫人が支持者から高級な衣服をプレゼントされていたことも報道されました。

 そして、選挙期間中、子供の試験勉強のためにアパートをタダで借りていたことも発覚しました。

 スターマー首相はこれを全て合法だと主張していますが、②の手当削減と相まって批判は集中し、支持率が低下しました。

 以上三点がスターマー政権の支持率が低下した要因です。

 政権獲得、しかも大勝からわずかな期間での支持率低下は日本の民主党政権を彷彿とさせます。

 幸いにして、イギリスでは庶民院(日本でいう衆議院)しか選挙がないため、当分の間、大型選挙はありません。

 去年は選挙イヤーの年で、多くの国で選挙が行われました。世界を見渡すと、日本、フランス、ドイツ、カナダと、政権与党の基盤が揺らいでいる国が多いです。

 そんな中、比較的安定した基盤を持っているとされたイギリスでも上記の混迷ぶりとなっています。

 アメリカではもうすぐトランプ政権が発足します。イギリス含め、今後の国際情勢は混迷の年となりそうです。

参考サイト
https://news.yahoo.co.jp/articles/c20ad3f249db89e14f7b924d655e10911a6bf937

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