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たかが摘便、されど摘便 前編

訪問看護で最初につまづいたこと

病院で管理職をしていても急変対応や点滴、採血なんかは体が覚えているのでいつでもできます。普通にオムツ交換だってできちゃいます。コミュニケーションもそこそこできます。
一応、看護師なので(笑)
ですが思った以上に、苦戦して手技が下手だと考えさせられたのが
「摘便」でした。

摘便とは

字のごとく、「便をつまむ」(いや実際には摘むというより掻き出すという方が断然正しいと思う)行為です。医療行為であり新人看護師でもできます。一見簡単ですぐにできる処置です。そのため私も若い頃から便がでない患者さんに普通にやってきました。

大体イメージがつくと思いますが指を突っ込むわけですけども、いきなり便が出ないからと言ってやる処置ではないです。倫理的にもですし、イタイですし、出血なんかもあり得る危険な処置だからです。そのため最初は、下剤やマッサージでの自然排便や浣腸をトライします。それでも食べた量分出てこなかったり、お腹に力が入らない患者さんは奥の方で固まっていたりすると摘便が必要になります。

病院と訪問の違い

病院は、24時間誰かしら看護師が必ずいるので、いつでも便が出そうになったりすれば対応できます。でも訪問看護はその時に便が出ないと、看護師が不在の間は家族が対応しなければなりません。同居の家族らがいない独居の方は、誰かが数時間後介護(ヘルパーさんなど)に来てくれるまでそのまま便失禁した状態のままです。この状態だと、便まみれという人の尊厳にも関わるのと、便のphの問題で皮膚へのダメージも大きくなります。

だから訪問看護でやる排便ケアは結構重要!
時間も制限があるので時間との勝負!と言っても過言ではありません。

私はそんな一見簡単そうに見える摘便につまづきました・・・トホホ。

長くなったので後編に続きます!



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