フィールドワークレポート#1 はじめての遠野物語(24.10.12-13)
こんにちは!那須塩原市企画政策課のKSKです。
先日、初の市外でのフィールドワークをしてきました!
行先は、岩手県遠野市!
遠野市は、古くは柳田國男氏が訪れてその時の体験を書き起こした「遠野物語」やその中に出てくるカッパのお話が有名な場所。また、精霊、獣、妖怪、死者の魂まで、「異界のものたち」の気配が色濃く残る土地です。
この異界の地・遠野において、数百年の歴史を持つ郷土芸能と現代カルチャーを織り交ぜ、音楽、芸能、食という切り口から、目に見えぬものへの想像をめぐらせるカルチャーツアー&ライブイベントの「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)’24」に参加しつつ、遠野のまちを実際に肌で感じてきました。
詳しいイベントの内容は後ほど!
ということで、今回もレポートします!
ちなみに、私自身初遠野です!
なんとなーくカッパのイメージはありましたが、遠野物語のことは全く知らず。少しだけ予習をして降り立ちました。
①オープニングイベント/イントロダクション・トーク
イベントのオープニングとして、「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)’24」の制作過程を映画にした短編ドキュメンタリー作品『DIALOGUE WITH ANIMA』を鑑賞しました。
作品中、遠野に住む方々が出てきて、独自の死生観についてお話をされていて、遠野の不思議な雰囲気を感じるものでした。
↓予告編ですが、YouTubeで公開されています!
—『DIALOGUE WITH ANIMA』—
妖怪伝承で知られる岩手県・遠野市を舞台に、日本土着の死生観について訪ね歩いた短編ドキュメンタリー作品『DIALOGUE WITH ANIMA』民俗学者・柳田国男の著した『遠野物語』で知られる岩手県遠野市で撮影された短編ドキュメンタリー映像作品。古くから河童や座敷童子などの妖怪伝承が残るこの地域には、「死者の魂はすぐそばにいる」といった土着の死生観がいまも強く根付いている。遠野市博物館の学芸員や遠野八幡宮の宮司、郷土史家、遠野で活動するプロデューサーなど、地域文化に深く関わる5名にインタビューを行った。そこで見えてきたのは、動物と人の間を行き交う「しし踊り」、魂の存在、死者の供養、厳しい自然環境のなかで祈り続けた土地の姿―― (https://www.youtube.com/watch?v=nNo8FaTHW6oより引用)
②まちぶら
オープニングの後は、遠野のまちを散策しました!
まずは、こども本の森遠野。
素敵な外観!中もとても素敵なつくりになっています!
受付の方に話を聞くと、この施設は、被災地復興支援として、世界的建築家の安藤忠雄さんが遠野市に寄付してくれたものだそうです。
また、遠野の文化について、小さい頃から、カッパや妖怪は身近な存在として育ってきた、それは今も変わらないなど、色々と話をしてくださいました!
次に、遠野醸造というブルワリーに行きました!
遠野のまちの盛り上がりにつられ、面白い人がどんどん集まってきて、遠野醸造もそのひとつで、このような素敵なお店が増えてきているようです!
ちなみに、遠野市はホップの栽培面積が日本一で、夏にはホップ収穫祭というなんとも楽しそうなイベントも開催されているようです!
さて、ランチです。遠野のまちを舌でも感じておかねばと!
遠野といえばジンギスカンですね。(遠野に行くまで知らなかったけど…)
どれも美味しくてとまらない!何皿食べたか覚えていません(笑)
続いて、カッパ淵に行きました。
カッパ淵は、多くのカッパが棲み、人々を驚かし、いたずらをしたといわれているそう。
どこかカッパが現れないか期待してしまう自分がいました!
③トークイベント
1日目最後は、トーク・ワークショップ・ディナーです。
我々は時間の都合上、トークイベントのみ参加してきました!
共異体、、共同体、、、難しい!!!
なかでも、このイベントに中心で関わるメンバーのお2人が昨年お亡くなりになられたようですが、その亡くなったお2人とともにこのイベントをつくっている、行っている、とのお話をされていたのが印象的です。
独自的な死生観を持った遠野ならでのお考えで、とてもスピリチュアルなものを感じました。
会場内は、クリエイティブな活動をされているであろう方たちが集っており、なかにも子ども連れの方たちもいました。
ということで、1日目終了です!
④ガイドツアーB:バスツアー「遠野物語巡り」
ここから2日目に入ります!
遠野の「祈り」の文化がいまに伝わる五百羅漢や、カッパや座敷童の伝承を伝える土淵山口集落など、目に見えぬものの気配を感じられるスポットを巡るバスツアーに参加しました。
そもそも遠野は盆地、かつ、7つの街道が交わっていて、昔から山を横断するときは、沿岸に行くにも、内陸に行くにも、遠野を経由しなければいけなかった。
この要因もあり、夜な夜な峠を越える猟師たちが山中で不思議な体験をして、さまざまな話が遠野に集まったそうです。
ツアーでは、色々回ったのですが、ここではいくつかピックアップしてご紹介します!
まずは、遠野市内の山口地域に広がる「デンデラ野」。
『遠野物語』では60歳を過ぎた人たちをこのデンデラ野に追いやる風習があり、日中は里へ下りて農作をし、夕方になるとここに戻っていた、と記されています。
現在は田園が広がっており、遠くに見える民家や自然豊かな恵みなどのどかな景観が広がっていました。
この場所の説明などを受けたときには少し驚いた部分もありましたが、意外と集落との距離が近い印象を受けました。ガイドさんは、この距離感も遠野ならではの距離感では、とのお話をされていました。
こちらはデンデラ野にある住居のレプリカで「あがりの家」という名称のようです。
次に、五百羅漢を見に行きました!
遠野地方の度重なる凶作で餓死した人たちを供養するため、お坊さんが自然石に500の羅漢像を刻んだものと伝えられているそうです。
ガイドさんのお話を聞きながら、言葉では表現できない雰囲気を感じつつ、緑がたくさんありとてもきれいな風景でもありました。
⑤ライブセッション
最後に、このイベントのハイライトであるライブセッションに参戦!
神社にDJブース、、、
神社内にDJによる音楽が響いています…!!
信じられない光景でしたが、これが良い雰囲気でした。
神社が協力してくれるのもすごいですが、そもそもこの発想自体が面白い!
他では味わったことのない独特な雰囲気を感じることができました。
我々は時間の都合で前半しかいられませんでしたが、
後半(夜)は↓のような盛り上がりになるようです!
最後に
遠野での2日間のフィールドワーク、遠野のまち・人と接して感じたことは、遠野に住む人、ひとりひとりが遠野のまちをかたちづくっているんだなという印象を受けました。
イベントは、遠野の歴史・文化を大切にしつつ、新しい風を取り入れながらまちを盛り上がていく。住民主導のまちづくりには、みんながその土地の歴史・文化の素晴らしさを理解していることが重要だなと感じました。
また、このイベントは、クリエイティブな活動をされているであろう方たちが多くいて、何かを得るために来ているんだろうなという印象を持ちました。
ここに集まっているこの方たちが、将来、遠野に還元し始めたとき、遠野でどんなすごいことが起きるのか、と個人的にすごい興味が湧きました!
そして!なんと!
先日、「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)’24」を主催する、株式会社富川屋 富川岳さんをお迎えしたゲストトークイベントを開催しました!
フィールドワークで感じたことをお伝えしながら、遠野のまちづくり、ブランディング、遠野では今何が起きているのか、などなど、たくさんお話していただきました!
当日の様子は、後ほどレポートしますのでお楽しみに!
それでは以上でレポートを終えます!
お付き合いいただきありがとうございました!
次回のレポートをお楽しみに!!