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まじめにやれよ!(一社)SVリーグ③
【注意】
2024年10/11(金)に開催された、日本バレーボールのトップリーグ
「SVリーグ」の開幕戦に関して、
1スポーツファン目線+ビジネス系のライター目線で、
かなり辛辣なことを書いています。
まずは①②をお読みください(どちらも6,000文字近くあります)。
読んでいただいた上で
「そんなことない盛り上がってた」「興奮した」「感動した」と
あなたが思うのならば、それはとても幸いなことだと思います。
どうぞそのまま、ピュアなバレーボールファンとして、
SVリーグをお楽しみください。
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さて、ようやく試合が始まったわけだが、プレー内容については本稿では特記しない。
1観客としては単純に「凡戦」だった。
そして他チームファンとしては「サントって時々こういうだるい試合するよな…。世紀の開幕戦カードに選ばれて、なおぶれないの、ある意味すごい」というくらいだろうか。
ある程度観戦慣れした者からすれば、あんな静まり返った会場で、3-0ストレート。うち2セットは20点にも満たない、1.5時間弱の試合に「熱狂」する機会が何度あったか、という話だ。いわんや「大フィーバー」をや、である。
開幕戦の振り返り記事などを追うと、「大観衆で緊張した」とか「気合が入りすぎた」といった選手のコメントが載っているが、少なくとも以前からサントやパナを生観戦している人たちが、こんなの真に受けるはずがない。
同会場で行われたVファイナルの方が熱かったし、これ以上の大歓声なんかHG(や対グレベア戦)でいくらでも浴びている。
選手もライターも、「盛り上がらなかった」「のれなかった」と言うのをはばかっただけである。
少なくとも下の記事を読んで「声援しょぼくてすまなかった高橋、せっかく帰国してくれたのに…」と思わなかったら、読解力がなさすぎだろう。
なお、見出しからして欺瞞に満ちているが、この「頭を使う=プレースタイル」の傾向の話。「もっと一緒に戦っている=ファンの熱」の話だ。
「日本のファンは頭使ってるから観戦がおとなしい」と高橋が言ってるみたいな、しょーもない印象操作をするんじゃないよライター。
高橋藍、来年もSVリーグにいてくれるだろうか…今のとこ彼のキャリアにメリットがまったくない感じなんだが。
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■そもそも試合終了後に言うものか?
前代未聞の「開幕のご挨拶」
さて、はなはだ盛り上がりに欠く試合が終わって、会場内の空気がさらにだらけきった20:45。
もたもたと並べられたSVリーグ各チームのフラッグと、サント・ブルテの選手の前に、ひとりの殿方が現れた(ぬるりと)。この方こそ誰あろう、SV.LEAGUE代表理事チェアマン・大河正明氏である。
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だからといって、満を持して、みたいな雰囲気は一切ない。
なにしろイベントとしてなんの告知もされていないのだから、すでに帰ってしまった人もいる。そうだね、出口や駅の混雑回避したいもんな。どっちのファンも飲みたい気分だったろうし。
私と連れも「は~やれやれなんだかなあ。まだ早いしごはん行こうかね」と片付けを始めた、そんなタイミングでのご登場だった。
ちなみにこの準備中、会場MCからの「これからSVリーグチェアマンよりご来場の皆様にご挨拶があります。準備が整うまで、今しばらくお待ちください」的なアナウンスもなかったように思う。
なんだかフラッグ並べだしたから、なにかあるのかな、とぼけっと見ていたら、誰か出てきた。私は一応、大河氏のお顔を知っていたが、周りは「誰…? ざわざわ…」てなものである。
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=「開幕挨拶」だなんて誰が思うだろうか…?
そんなわけで、ようやく登場した大河氏だったが、話の内容がまた薄かった。
「長い歴史を持つ日本バレー。五輪などで注目が集まる中、2030年までに世界最高峰(ふんわり)を目指す。応援よろしくお願いいたします(主にスポンサー企業の皆様)」…みたいな。
要は開幕前から発表されていたことをそのまんま、
ぎくしゃく噛みながら、テンション低くしゃべって、
3分くらいでそそくさと去っていった。
新情報は特になし。
あのなあ。なんらかの事情で大して言えることがないのかもしれないが、だったらせめて、ちゃんとスピーチ練習してこい。
一応世紀の大舞台で、あんたは日本バレーボールビジネスにおける大看板なんだぞ! Bリーグから鳴り物入りで招聘された!
いやほんとなんなんだよ…ハキハキ元気よく「かっこいいこと」「ワクワクするようなこと」を聞かせてくれよ…。
このグダグダの仕切りからも分かるように
SVリーグの運営はとにかく
「事前準備とアナウンス」がことごとく不足
しているのである。
少なくともこの開幕戦については、いつ、どこで、誰が、なにを見せて、ファンを楽しませようかという発想・配慮とアナウンスが皆無だったと言い切れる。
「PRは全部、西田有志(ブルテ)と高橋藍(サント)にぶん投げればOK。チケットも瞬殺だったし、これでファンも大喜びだろ!」 と、高をくくったんだなSVリーグ様は、というのが私の印象だ。
長丁場のリーグを戦い抜く体をつくり、
しっかり練習しなくてはいけない時期の選手たちに、
地獄みたいな数の取材対応を強いといて、
自分たちの準備はこのざまか。
私は普段、インタビューする立場なので想像がつく。本当にマスコミ対応というのは疲れるし時間をとられるのだ。
五輪前後からの怒濤の取材ラッシュを、彼らは「僕らをきっかけにバレーに注目してもらえるなら」という気持ちで受けてくれているのだと思うが、その厚意や犠牲に報いる舞台だったか? この開幕戦は。
SVリーグがなんの疑問も反省もなく、これで「客を呼べる」「満足させられる」「日本バレーの未来を拓く、素晴らしいリーグになれる」と考えているのなら、悪いことはいわない。
少なくともプロモーション担当者と代理店は即刻変えた方がいい。
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■「品格と洗練」は
不完全燃焼の言い訳にはならない
さて、なんだかもやもやする夜が明け、翌12日。
大河氏はこの開幕戦についてXで『「品格」と「洗練」をテーマに!世界標準をここから。』とのたまわった。
「品格」と「洗練」をテーマに!
— 大河正明 『社会を変えるスポーツイノベーション』 (@mybright0922) October 11, 2024
世界標準をここから。 https://t.co/UVxlDF65rP
「品格と洗練」「世界標準」。なにやらふわふわしたこのテーマ(?)が、SVリーグ全体にかかるスタンスなのか、この開幕戦だけのトンマナの話かすら、私にはよく分からない。
(恐縮ながら、開幕までのプロモーションの中で、そういう方向性で行くという発表はあっただろうか。プレス会場やリリースなどでは示されていたのだろうか?)
さらに大河氏は開幕戦後の取材に対し「日本のバレーファンはお行儀がいい」などと寝言をおっしゃっていたが、国民性やファン層のせいにするんじゃない。
あの会場に集まったファンは、
バレーボール史に残る一日に立ち会える幸運を喜び、大興奮・大感動する気満々だった。
大声を出して応援するかどうかは人によるだろうが、
少なくとも「これまで見たことのない
凄い景色が見られるはず」と信じて駆け付けた
はずなのだ。安くないチケットを、さんざん苦労して手に入れて。
それをできなかったのは、させなかったのは、すべて主幹であるSVリーグの仕切りが悪かったせいだ。他に原因はない。
声出していいのか?
ハリセンを叩いていいのか?
そんなことすら迷うような雰囲気しか作れなかったくせに、
他国のファンだったら、他競技だったら、もっと盛り上がったんでしょうが…(苦笑)みたいに、ファンに責任を押し付けるんじゃないよ。
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■謎の称号「1st WINNER」と
敗れたチームへのしょぼくれた対応
大河氏の挨拶だけではない。試合終了後の仕切りについての疑問はまだまだある。
まずは勝者となったブルテに贈られた「1st WINNER」なる称号である。日時違いで開幕しといて、勝った方だけに与えられた、この仰々しいパネル。サントとブルテにしか得るチャンスのない謎の称号…
まあただの撮影用パネルなんだろうが、まさかこの試合に勝っただけでなにか賞金とか商品が出てるなら、他チームに対して甚だ不公平だし失礼なのだが。まさかな?
なお私の感覚では「1st WINNER」=「SVリーグ元年の優勝チーム」が得る称号だ。この試合の勝者に持たせるのは「Winner of the 1st match」くらいがふさわしいと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1729395392-sCcjhnWNA8Qmx1YDy5doJ0Fg.jpg)
勝者に対してもさることながら、敗者とに対しては、もっともやもやする対応だった。
なんらねぎらいの言葉もなく、これまた初めて聴くしんみりしたインストが流れて、だらだらと選手が場内に手を振って去っていく。それだけ。
もちろんファンはまばらに拍手を送っていたが、なぜ会場MCははっきりアナウンスしなかったのだろう。
「熱戦を繰り広げた選手たちが退場します。皆様大きな拍手をお贈りください」ぐらい、どのカテゴリーのどの会場だって、普通言うだろうに。
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この光景を見ていた連れは、「えっ、別にサントファンじゃないけど、やだ~! こんな辛気くさい、憐れみを誘うような退場! 今日負けただけじゃん! 明日も戦う人たちをこんな、こんなしょんぼりした雰囲気で見送りたくない~!」と地団太を踏んでいた。
彼女は日頃から若者と接している教育者でもあり、私の100倍くらい人情家なのである。
まったくそのとおりで、この試合は「開幕戦」だ。
これからまだ43試合もあるリーグ戦、その初戦を落としただけなのに、なんでこんな「これにて終戦です…安らかに眠れ」みたいな曲で退場させられにゃいかんのだ。
アンセムの扱い方が最たるものだが、とにかくSVリーグの音楽・MCについてはストレスが溜まる。どんな曲を、どんな意図で、どのシーンで使うべく用意したのか。MCはどんなシナリオで話しているのか。一刻も早く教えていただきたい。
ともかくこれにて、
ファンにとっても選手にとっても
「一生に一度であろう
トップリーグの開幕戦」は終了。
本当に、なんだったんだ…? これが当初の計画通りだった? これで盛り上がると思った?
メディアは「大興奮」だの「熱狂」だの提灯記事を上げていたが、私にとってこの開幕戦は失望しかなかったし、悪いが、かなり多くの観衆にとってもそうだったと思う。
だってこの日、出口に向かう人波の中で私は「凄かったね!」とか「かっこよかった」とか「また来ようね!」のような興奮した会話を、まったく耳にしなかった。
私は普段主に、リーグの中ではまだ下位にいる、東京グレートベアーズとVC長野をメインに観戦している。機会があればV2、V3も、大学や高校も観る。
そしてどんな会場でも、勝敗を問わず、「楽しい!」「悔しい!」「また来よう」と思い、たくさんの笑顔を拝んで帰ってきた。
チーム成績やカテゴリなんて関係なく、生観戦すれば必ず「バレーボールは面白い」と思ってもらえる。
そう思って、いろんな人を観戦に誘うし、実際「楽しかった」と言ってもらってきたのだが、正直この夜は、その確信がだいぶ揺らいだ。
こんな熱気も歓喜もない帰り道、バレーに限らず、長いスポーツ観戦人生で初めてだ。
世界が注目する、そして最も関心が高まる
「開幕戦」で、こんな仕切りしかできない
連中が運営してるのか。
…大丈夫なのか? SVリーグ。
帰り道、連れがぽつんと呟いた「ランランや西田をきっかけに観に来た人たちに、もっとわ~きゃ~言わせてあげたかったよ…」が、本当に、しみじみとしんどかった。
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またしても5,000w超えてしまったのでいったん切ります。④で終わる予定ですが、次はちょっと生っぽい話。
開幕戦ではなんと500円のエクスペンシブハリセンが販売されたのだが、このあたりを掘りつつ、「金を稼ぐ気があるのかSVリーグ」という観点が入ります。ちょっと調べものするので、また来週。
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