為替レートってどうやって決まるの?③
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では、ここから本題です。
前回と前々回に続き、今回も為替レート決定にまつわる理論の話です。
為替レート決定の理論には大きく以下三つがあります。
購買力平価説
フローアプローチ
アセットアプローチ
前々回は購買力平価説を、前回はフローアプローチを解説しました。
今回はアセットプローチです。
アセットアプローチとは
購買力平価説では、二国間の物価やインフレ率によって為替レートが決まるとされました。
フローアプローチでは、”経常収支”、”民間部門の金融収支”、”公的介入”の三つの取引によって生まれるフロー(流れ)の需給が均衡するように為替レートが決まるとされました。
但し、フローアプローチでは短期的な為替レートの変動を十分に説明できていないことが明白ということも説明しました。
そこで、為替レートは短期的には売買市場の需給で決まるとする「アセットアプローチ」が注目されるようになってきました。
アセットアプローチでは、円資産とドル資産の売買市場における需給で為替レートが決定されると考えます。
このため、為替レートの短期的な乱高下は、株価や債券価格の乱高下同様、期待の変化や新情報が価格に織り込まれる過程として説明されます。
アセットアプローチというと、なんだか通貨の総量とかそういった概念が出てきそうですが、そんなことないんですね。笑
ややこしい。。
アセットアプローチにはいくつかの主要な理論があります。
今回は中でも最もよく知られたオーバーシューティングモデルについて解説します。
オーバーシューティングモデルとは?
このモデルは次の二つの仮定が大前提としてあります。
仮定1. 各国通貨建資産の間の完全代替性
国際金融市場では、為替変動リスクを負うことをいとわない多くの投資家が存在しているので、金利収入と為替変動を合わせると自国通貨建ての金利に一致してしまうと仮定します。
つまり、日本人にとって以下二つのリターンは全く同じになってしまうと仮定するのです。
保有している円で日本国債を購入
保有している円をドルに両替し米国債を購入し、満期にドルを円に戻す
例えば、日本国債の利回りが0%/年で、米国債の利回りが3%/年だとします。
一見、米国債の方が金利が高いのでドルに両替して米国債を買った方が得だと思いますよね?
ところが、仮定1に従えば、為替差損で-3%/年が発生して、結局米国債で運用しても日本国債で運用した時と同じようにリターンは0%/年になってしまうと考えるのです。
仮に為替差損が発生しないと予想されるのであれば、「円を借りて(金利0%)、ドルに両替して、米国債を買う(金利3%)」、という投資行動が繰り返され、仮定1の条件が満たされるまで円安ドル高が進みます。
これらをまとめると以下の等式が成り立ちます。
円金利 = ドル金利 + 為替変動(円安だと+、円高だと-) (A)
仮定2. 実質為替レートの変化に対する予想は回帰的
これは、「外国為替市場の参加者は、実質為替レートは将来その均衡レートに近づいていくと予想する」という仮定です。
仮に実際の為替レートが130円/ドルで、均衡為替レートが100円/ドルの場合、投資家は将来的には100円/ドルに収束していくだろうと予想します。
まあ、当たり前っちゃ当たり前ですね。
ちなみにここでいう均衡レートは購買力平価などで決定される長期的かつ本質的な為替レートです。
また、日米間にインフレ格差がある場合、当然購買力平価で決定される均衡レートも変化していくことが予想されます。
これらを総合すると以下のような等式が成り立ちます。
為替変動 = [日本の予想インフレ率 - 米国の予想インフレ率]+ 正の定数 × [名目為替レートの対数値 - 均衡レートの対数値] (B)
ここで対数値が出てくるのですが、解説するとより混乱してしまうのでここでは解説を省きます。
二つの仮定から導かれる結論
仮定2の(B)式を(A)式の為替変動のところに代入すると以下の式が求められます。
名目為替レートの対数値 = 均衡レートの対数値 + (1 / 正の定数)×[(米国の金利 - 米国の予想インフレ率)- (日本の金利 - 日本の予想インフレ率)]
つまり
名目為替レートの対数値 = 均衡レートの対数値 + (1 / 正の定数)×[米国の実質金利 - 日本の実質金利]
このモデルによると、名目為替レートは内外の実質金利格差に比例して均衡レートから乖離するということになります。
例えば、米国が利上げを行っている現在の状況では、日米間の実質金利差が拡大しています。
よって、名目為替レートは円安ドル高にふれます。
ちょうど3月から4月にかけて急激に円安になりましたね。
但し、一度その水準に調整されると、新たな情報がない限りあとは均衡レートまで戻っていくだけです。
つまり円高ドル安になっていくのです。
オーバーシューティングモデルの問題点
オーバーシューティングモデルには問題点もあります。
それは、経常収支の不均衡が為替レートに直接影響するメカニズムが入っていないことです。
実際には為替レートが均衡レートという、いわばアンカーから離れて、どんどん上昇ないし下落していくことを阻んでいるのは、為替レートの過大評価や過小評価による経常収支不均衡の発生であると考えるのが自然です。
まとめ
購買力平価説、フローアプローチ、アセットアプローチ、それぞれに理論的に評価できる面がある一方、問題点があるのも事実です。
但し、どちらかという長期の視点では購買力平価説、フローアプローチ、短期の視点ではアセットアプローチとある程度は使い分けて、全ての理論的要素を抑えておくことが重要です。
為替は難しい。
けど、楽しい。
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