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教育現場に生成AI。試行錯誤を通して見える未来。
個人的に授業準備や教材作成に生成AIを活用し始めているものの、試行錯誤の連続です。定期考査の問題も生成AIで作成し、ChatGPTの「GPTs」を活用して対策コンテンツを作ってみました。出題範囲に沿った問題が次々と生成され、解答後には正解・不正解が表示され、さらに詳細な解説までついてくる。
たった30分ほどで、こうした教材が完成することに感動しました。
さっそく生徒たちにも試してもらうと、最初は目を輝かせて取り組んでくれていたものの、すぐに「利用制限」がかかってしまいました。私は有料でChatGPTを使っているため「GPTs」を活用できますが、生徒たちは無料版なので、5問ほどで制限がかかってしまったのです。こうした制約は教育での活用にとって悩ましい問題ではありますが、制限も含めて、新しい学びの視点が得られたのは大きな収穫でした。
「教育の現場で生成AIをどう活用していくか」ということについて、県の校長会から助成をいただき研究を進めています。
ここでわかってきたのは、私たち教育者も生徒たちも「プロンプト・エンジニアリング」を体験として積み重ねることが必要だということです。
生成AIに対して、単に求めた答えを一度で出してもらうのではなく、何度も試行しながら対話を楽しむことが、結果的に思考力や表現力、判断力を養うことにつながっていると感じます。
生成AIの導入に対して「正確性に懸念がある」などの声が挙がるのも事実です。しかし、それも生徒にとって学びの一環であり、生成AIからの回答が常に正しいとは限らないからこそ、自分で答えを検証し、調べ直す大切さを学べる貴重な体験になります。むしろ、生成AIとのやり取りは批判的思考や課題解決力を育てるチャンスと捉えています。
生成AIを活用するようになってから、私自身も「言葉」の選び方をより大切に考えるようになりました。たった一言で返答の内容やその深さが変わるのは、人間が日常で使っている言葉や表現から学習した結果であり、生成AIに人間らしさを感じることもあります。とはいえ、大学などで生成AIによるレポート作成を禁止している場面もあると聞きます。その理由に「考える力が育たない」という見解もあるようですが、私は少し違うと感じています。生成AIと対話し、思考や表現を整理し、判断する力が不可欠であり、生成AIと向き合うことそのものが、若い世代の人材育成につながると思っています。
教育の現場において生成AIは、教師の代わりではなく、教師のサポート役として価値を発揮します。AIが生徒に答えを提示することで、私たちはさらに深く生徒を導き、支えることができるのです。AIの答えに対して、どこまで信頼し、どのように活用していくかを考えることは、教育現場での「生成AIの未来」において大切なポイントになるでしょう。挑戦の場である教育において、こうした試行錯誤も含めて成長し続けていくことを楽しみたいと思います。
生成AIとの対話は、結局「どうしたらうまくいくか」「どうしたら実現できるか」を問い続ける姿勢が鍵になると思います。
「じゃぁ、こうしてみよう!」と次の一手を考えられる自分を育てるために、生成AIとの試行錯誤をこれからも重ねていきたいと思います。