ep.17 親友と縁を切った話 前編
高校時代に仲が良かったAちゃんのことをふと思い出したので、綴ろうと思います。
この話も少し長くなるので何編かに分けます。
女子校という環境、かつ、3年間クラス替えがなかったクラスに属していた私にとって、同じクラスで3年間過ごしたAちゃんという存在は高校生活が楽しかった理由であり、高校時代を語る上で欠かせない存在でした。
名字の頭文字が同じ行だったため、入学して最初に決められている名前順の席順でAちゃんは私の斜め前の席にいました。第一印象は大人しくて、控えめで、いかにも女子校の学校紹介パンフレットに載っていそうな子 といったところでしょうか。私はそれとは対局にいるような、どちらかと言うとガサツなタイプの人間だったため、仲良くなる感じの子では無いな〜と始めは思っていました。
入学して2、3日目のホームルーム。
学校生活恒例の名前順に皆の前で自己紹介をするという流れになり、クラスメイトのそれぞれが、名前や、どこから通っているか、趣味や好きなものは何かを1分ほど語って、聞いている人は拍手をする、という感じのことをお決まりの儀式のようにその日もしていました。
正直、誰が何を言ったのか、自分が当日何を言ったのかも覚えていませんが、Aちゃんが自己紹介で好きなアーティストを話していたことを今でも覚えています。
そのアーティストは偶然にも私が好きでCDを持っていたアーティストで、ただ当時15歳の女の子が好きです、と名前を挙げるのはちょっと珍しいようなアーティストでした。
自己紹介を聞くまでは、斜め前にいるけれど、関わるタイプの子じゃない、名前、なんだっけ…?というような曖昧な認識でしかなかったAちゃんのことが、自己紹介を聞いた瞬間いっきに気になるようになりました。
休み時間にすぐに声をかけ、私もそのアーティストのことが好きでCDを持っていることを伝えると、Aちゃんもとても驚いた様子で喜んでくれ、そこからちょこちょこ話すようになりました。
とはいえ、最初の2ヶ月ほどは、お弁当を一緒に食べることはなく、それぞれ違うグループで集まってお弁当を食べていたので、特段仲が良かった訳ではありませんでした。しかし3ヶ月が過ぎたあたりで、だんだんクラスメイトそれぞれの性格が分かってきて、仲良くなるグループが本格的に形成されていく頃になると、気づけば一緒にご飯を食べる5人グループの中にAちゃんも入るようになりました。
そこからはどちらともなく毎日一緒に帰ったり、教室移動の際は一緒に行ったり、2人組を作る際は一緒に組んだりして学校内で一緒に過ごす安定の存在になってきました。また、休みの日は、池袋で朝からプリクラを撮り、カラオケのフリータイムで何時間も好きなだけ歌を歌い、たまにサンシャインで買い物をする、といった私たちの " 恒例の遊び方 " が出来て、いつからかお互いがお互いのことを「親友」と呼ぶようになっていました。
私のスマホの中の高校時代の写真にはどれもこれもAちゃんが写っていて、LINEのアルバムはAちゃんとのプリクラで溢れていました。
2人でお揃いのパスケースを買ったり、誕生日にはお互いにプレゼントを贈り合ったり、手紙を書いて渡すこともありました。
それくらい楽しかったし、全然服装も性格も正反対なのに、そんなことどうでも良いくらいAちゃんのことが私は大好きでした。
続きます。↓↓↓