これからの日本文化の残し方
NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクトでは、日本の文化から残すべきもの、変化させていくことを学ぶ場もつくっています
築120年の古民家を文化的にリノベーションしたリアル・スタイル株式会社代表の鶴田さん、松月堂栗田表具店の四代目栗田浩次さんから掛け軸の話、蒼築舎 株式会社の専務 松木一真さんから土壁(左官)の話をしていただきました。
栗田さんからは、表具の見方、価値の違い、美学の話を。
『陰翳礼讃』という、谷崎潤一郎の随筆があります。これはまだ電灯がなかった時代の今日と違った日本の美の感覚、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性について論じたもの。陰に美を感じる感性が日本人にはあるようです。言われて納得でした。
『陰翳礼讃』の話も出てきた際に、元照明マンから、昔の照明マンは必ずこれを読まされていた。と職をまたいだ共通点があることを知りました。
鶴田さんの手がけた住宅には掛け軸が多くあり、興味深い話が尽きませんでした。
松木さんからは土を使った壁の面白味を解説いただきました。
伊勢神宮に奉納されている砂を活用した壁や、着色料を入れていない赤い壁の話、ロンドンクラフトウィークに出展された際の話をお聞きしました。
左官では土を定着させるための糊、表具では和紙を張る工程に使用する糊の作り方が共通しており、自然素材を活用してきた歴史に共通する部分を探求することも、職を跨ぎ文化をどう残すかという観点から面白いかもしれません。
食事会では、デンマークの家具文化は実は日本からスタートしていたのでは?という話がありました。デンマークは厳しい気候の中でどう文化を創っていこう、残していこうと試行錯誤したこと。これは今後の日本にとても必要なことではないかと感じました。(諸説あります)
会員限定のコンテンツではございましたが、また小規模にこのようなイベントも実地して参ります。
ご協力いただいた3社の皆様、ありがとうございました。
リアル・スタイル株式会社:https://www.real-style.jp/
松月堂栗田表具店:https://www.shogetsudo-hyoso.jp/
蒼築舎 株式会社:https://www.tutikabe.net/
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