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いよいよ活動がスタート!初めての指導員派遣の裏側に迫る。

こんにちは!JSS noteライターの佐藤です。
今回は、部活動指導員派遣の活動報告レポートです!JSSとして初めて、部活動指導員を派遣したその効果、反応について記事にしました。JSSとして大きな一歩となった活動の裏側にも迫っていきます。

そもそも部活動指導員ってなんのこと?

JSSが総力を上げて取り組んでいる取り組みのひとつが部活動指導員を育て、学校へ派遣する活動です。

 部活動指導員とは、教員の働き方改革の推進、子供たちがより良い環境で指導を受けるため にできた文部科学省、スポーツ庁が施行した制度のこと。(詳しくはこちらから)

引用:朝日新聞
引用:テレビ朝日

運動部活動については、顧問のうち、保健体育以外の教員で担当している部活動の競技経験がない 者が中学校で約46%高等学校で約41%となっている。日本の中学校教員の勤務時間は参加国・地域中、最長となっている。

※ (公財)日本体育協会「学校運動部活動指導者の実態に関する調査(平成26年)」 
※ OECD「国際教員指導環境調査(TALIS2013)」

令和5年度より段階的に部活動が地域の活動へと移行していくことが決定。現在、当たり前のように学校で取り組んでいる部活動は廃止され、子供達がスポーツと触れ合う環境の維持すら危ぶまれます。さらには、技術面の支援・金銭的支援は今よりさらに劣悪化が進む見込みで、特に技術教育面での指導員の確保は必須ともいえる状況になっています。

引用:テレビ朝日
引用:テレビ朝日

今回、賛同してくださった関東学院大学および大道中学校の指導者の皆様はこういった現状を正しく理解し、いち早く取り組みに共感していただきました。モデルケースの創出にご協力くださった皆様に改めて感謝を申し上げます。JSSが取り組んでいる派遣プランがこちらです。

①大学生の採用(大学との提携が理想) 

∟大学でもスポーツに打ち込んでいる学生の採用。指導をする責任感や社会経験を育みます。派遣される側の中学生は大学生の姿を見て、「近隣に素晴らしい大学生がいること」を知り、その大学を選ぶ可能性が増えることも副次的効果として狙います。

②指導員受け入れ先中学校選定

∟現場の顧問から部活動指導員を導入したいと校長に依頼。校長との面談後、教育委員会に採用を依頼する流れ。指導員の素性について、顧問と校長のダブルチェックが入る事で、より安心して子供たちが指導を受ける事ができる。

大きな一歩!部活動指導員の派遣

今回初めて指導員を派遣させていただいたのは神奈川県 横浜市にある大道中学校サッカー部。顧問の江ヶ崎先生は令和5年度以降、部活動が民間に移行する事に危機感を抱いていたこともあり、指導員受け入れの決意いただきました。

先生が指導しない時にも、先生と同じくらい熱意をもった学生が指導する事によって、子供たちにメリットがあるとのご判断でした。

実際に指導員として中学校に派遣されたのが神奈川県の関東学院大学のサッカー部。大学側は「合理的な地域貢献」を求めていたという背景もあり、JSSの取り組みはそれに合致すると思ったと前向きな反応をいただき今回の賛同につながりました。

(スポーツ振興課松本さん)
大学内では得られない、多様な人々と出会い協働する経験が得られる貴重な活動だと考えています。多くの学生に積極的に参加してもらえるよう学生への周知を進め、スポーツを通じた地域貢献の促進が図れることを期待しています。

(GM狩野さん)
一次的な支援でなく、効果や意味が学生に伝わる地域貢献の方が継続しやすいです。「サッカー部が大好きなサッカーを使って地域を豊かにできる」というのが合理的でしたし、「指導することによって学生たち自身も自分のサッカーを見つめ直すきっかけになる」こともとても良いと考えました。自分たちがこれまで取り組んできた事が無駄ではなく、他の人のために活かせるということ。自分たちを指導してくれた方々への感謝に気づけるとより人間としての成長が期待できるのではないでしょうか。自分のためよりも人のために行動を起こすほうが実は自分を満たしてくれるということをこの活動を通じて学んでほしい。

大学関係者の声

実際に今回、中学校に派遣された関東学院大学サッカー部員は4名。自らの志願と、大学から推薦のあった学生がそれぞれの視点で中学生を指導することへのやり甲斐を見出しての参加でした。

中学生に指導する様子

(大友さん)
これまでサッカーをしてきた中で、いつも教わる立場だったので、この活動をきっかけに指導者の立場に立ってみたいというのが率直な理由です。その中で一番伸びしろのある中学生に、自分の持っている能力を少しでも教えることができたなら、もっと伸びるだろうなと思いこの活動に参加しました。

大学生の声

自身が選手でプレーしている時は考えたこともなかった大学の監督やコーチなどの立場などを身をもって実感。安全なプレー環境を整えることはもちろん、選手たちが練習しやすくするために毎日試行錯誤をしていたこともリアルに感じることで、大学の監督やコーチへの感謝やコミュニケーションも変化していったとお話しいただきました。

指導している様子

(大友さん)
指導していく中で、中学生の成長が目に見えていることにとてもやりがいを感じます。基礎練習を多くやっているので、基礎の部分に関しては、教え始めたころよりも成長している選手は増えたと感じます。一方で、日常的に行っている対大人のコミュニケーションでは通用しない、伝えたいことが上手く伝わらないことや、話しかけてもうまく返事が返ってこないことがあります。そういった面に難しさを感じますし、自身の課題とも感じます。
(出口さん)
実際に指導する立場になって普段自分がやっているプレーを言語化する難しさ。それに対して中学生にどういった言葉を使うのか。

大学生の声

未来のサッカープレーヤー育成に携われることやりがいと自分たちの指導を通して中学サッカー全体のレベルが上がっていくことへの貢献は、サッカー界を盛り上げる基盤になることを確信いただける機会となりました。

また、今回指導員を派遣した大学側の目論見でもあった「大学生自身の人間としての成長」についても、中学生指導を通じて指導者としての葛藤や至らない点に向き合うことで大きく成長したともご意見をいただきました。

JSSが繋ぐのは「子供達の明るい未来」

一方で指導を受けた子供達にも話を聞くと、大学生の指導前と指導後で具体的な変化があったという点を教えてくれました。

【大学生を迎える前と今で変わったことは?】
・個人・チームの目標が高くなった。サッカーが上手くなりたいという気持ちがでてきた。
・チームがまとまった。一丸になろうとする意識が上がった。
・もっと教わりたいと思えるようになり、上を目指せる気持ちが沸いた。
・『味方とコミュニケーションを取りながらプレーする』ようになり、周りを見れるようになった。
・指導前→とりあえず上手くなりたい(軽い気持ち)指導後→ボールをいっぱい触って役に立つ(やる気)
・チームとしては区大会で負けてしまいすごく悔しかったのでみんなで戦いたいという気持ちが強くなった。
・今も前も目指すものは同じだが、大学生がきてから自分も含め皆の練習の雰囲気が変わってきている気がする。
・技術が向上しやすくなった。
・以前の自分たちより、声を出す大切さやその意味を理解する事ができた。(腹から声を出すと体幹が鍛えられる、士気が上がる)
・キック力、足の力が上がった。

大道中学校サッカー部員

技術的な成長はもちろんのこと、「声が出せるようになった。(練習、試合でも)ただ声を出すのではなく、内容が変わった気がする。」「自信をもってサッカーができるようになった。周りがみえるようになった」などの精神面での成長も見られ、部活動指導員を派遣することの意義を改めて見出すことが出来ました。

関東学院大学サッカー部が来ることが楽しみになり、関東学院大学サッカー
部を地域としても個人としても応援したくなりました。サッカーの意見交換もとても有意義で、指導者としてのレベルアップも期待できると感じました。
一方で、トップアスリートが指導する有効性を感じるが、イベント的になってしまうのではなく、継続的に指導に来てもらう事も大切と感じます。(もちろん大学生活が優先ではあるが)
今回は大学側も人物的に推薦できる選手であり、安心して受け入れることができました。教育実習もそうだが、免許をとるためだけにくる学生もいるため、部活動指導員としての動機がすごく大切です。時給のためやコミュニケーション能力の低い学生は、指導を受ける側にも生徒に失礼なので、面接したうえで採用できる環境はとても有効と感じています。

大道中学校 サッカー部顧問江ヶ崎先生

実際に技術や精神面で成長した点を大学側にフィードバックをしていくこともJSSが間に入っていることのメリットです。「やりっぱなし」の貢献でなく、相互の課題や成長を共有することでより精度の高い指導につながっていくと考えています。

JSSは横浜市教育委員会・横浜市立中学校からの要望を取り纏め、大学サッカー部・学生との希望を調整の上で、派遣及び横浜市への登録手続等を行います。派遣元は派遣先との直接の調整が不要となり、JSSを挟むことで円滑な学生の派遣を行うことが可能になります。JSSの最も有効な存在意義はそんなところにあると思います。

NPO法人日本スポーツ支援振興協会の橋渡しで、本学のサッカー部員が横浜市立大道中学校サッカー部の指導に携わることになりました。学生たちはそれぞれ使命感を持って取り組んでいるようです。

彼らにとって中学生を指導することは自分自身のこれまでと現在を確認するいい機会になります。また、人に教えることで気付きを得て、プレーヤーとしてのレベルアップにもつながると考えます。また、大道中学校の江ヶ崎先生からも適宜フィードバックをいただいているようで、教育という意味でもこの取り組みは有意義です。

大道中学校の生徒の皆さんも、サッカーの技術はもとより、サッカーに向き合う姿勢についても学生たちから学んでいるようです。こうした取り組みによって、大道中学校サッカー部がチームとしてレベルアップしていくことが、われわれ関東学院大学の関係者にとっての喜びになります。
大学と中学校、地域が繋がるモデルケースとなる可能性を秘めた取り組みだと思います。引き続き、関係各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

関東学院大学  小山 嚴也学長
小山学長と協定を結んだ時

これからの課題と展望

唯一の頼みの綱でもある、部活動指導員制度。実はこの先、この制度がなくなる可能性があります。そういった未来も見据えて、部活動指導員制度で担っていた部分、さらなる支援を弊法人の制度構築を行う事で、指導員への報酬を支払い、より責任感をもって指導していただく形をとりたいとJSSは考えています。そのためには、賛同いただけるスポンサー様や個人の皆様のお力添えが必要不可欠です。

今後の目標はなんといっても、派遣していただける大学を増やし、受け入れ先の中学校を増やすこと。今回のモデルケースのような学校を増やしていくこと、具体的なメリットや実施ケースを示すことで地道に賛同を増やしていくことに尽きると考えます。学校・学生・そして子どもたちやその他たくさんの方々にメリットがある事を発信し続けていくことが私たちのミッションです。

今回ご協力をいただいた関東学院大学ではほかの部活動でも指導員になる学生の選定をしていただいており、 少しずつ活動が広がりつつあります。今後も一人でも多くの子どもがスポーツを楽しみ、上達していけるような環境を提供していきます。引き続きご協力をいただけますと幸いです。

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