あらゆる思考は気を乱す
The Book of Life
9/2のテーマは
All Thought Is Distraction
J.クリシュナムルティの言葉を、1日1ページ 、365日分に編集された本
「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
気功的な補足や解説を添えています。
和訳&補足解説 天野泰司
和訳
心の中で競い争っている、つまり「こうなりたい」という葛藤にとらわれ、どうしようか迷い、比べて考えているならば、真実を発見することは不可能です。
思考感情を通じて、集中して継続的に自己発見しようとすることは、
確かに、自由で創造的な発見をもたらします。
そのような自己発見は、貪欲さからの自由、考えてばかりの複雑な生活からの自由をもたらします。
この「複雑な知的生活」こそが、常習的で溺れるような満足を求めるものです。破壊的な好奇心、空論、単純な知識、知力、ゴシップなどを求めてやまないのです。
これらの障害は、純粋でシンプルな生活を妨げます。
あることにどっぷり集中し専心することは、心を鋭敏にし、思考を集中させる手段となりますが、思考感情が、真実性に目覚め開花するのではありません。
気が散漫で、落ち着かないことからの自由は、もっと困難です。
これは、思考感情のプロセス全体を私たちは理解していないからです。
思考感情を働かせること自体が、気を散漫にする手段なのです。
思考感情は常に不完全で、憶測的な好奇心をいだいたり、決まった形に定式化しがちです。真実への気づきを阻害する、障害や幻想を作り出す力を持っています。自らの気を乱し、自らの害悪となるのです。
心は幻想を作り出すことができます。この力を理解することが、自らが作り出している「散漫な気の動き」から完全に自由になる以前に必要です。
心は完全に凪いでいて、静かでなければなりません。
あらゆる思考は、気を散漫にさせるものなのですから。
J.クリシュナムルティ 訳・天野泰司
思考を手放す
すっとまっすぐな、楽な姿勢で座って、ほっとしたにこやかな表情になり、
ゆっくり手のひらをなでたり、首をまわしたりしていると、
ぽかんとして、頭の中が真っ白になっていくのと同時に、
身体中の細かな動きや、内臓から手足の指先まで、
からだの隅々まで至るところにある、気持ち良さが感じられる。
体が充分にゆるみきって、すっと凪いだように止まっている時、
無限の可能性を秘めた自由でダイナミックな動きがその中にある。
これが「静中の動」。
心が思考を離れている時、心はただ落ち着いているだけではなく、
伸びやかでどこまでも心地よい「自由な心の動き」がその内にある。
その何物にも縛られない自由な心、いわば天心にそって動いていくと、
心はもっと自由で柔軟に動き出し、心と動きが一致してくる。
すると、体は動きつつも、すーっと静かな、なんとも言えない落ち着いていて満ち足りた心持ちに包まれる。
これが「動中の静」。
NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司