風邪を活かす〜木曜の教室から
毎週木曜、「京の気功入門」は天野の唯一の定例教室です。
初めての方も長く通う方も、毎週同じ流れで、安心して自分に集中されています。何十年ぶりかで休講になった翌週、お話に加筆訂正。
2023/11/2 天野泰司 (NPO法人運営責任者)
久しぶりに三日ほど熱を出し、一週間ほどの風邪を引いた。コロナの時期は無意識に、風邪をひかないようにしていたのかもしれない。
無理に熱を下げず咳を抑えずに暖かくして水を飲み、からだだけに向き合う。そうして自分の力で経過できると、大きく変わる。まだ気温が高く、寒くなってこない今のタイミング、風邪を引くのはオススメ。断食にもなった。
病気や打撲もそうして、自分に丁寧に向き合う機会として使う。
そうした経験があると、また何かあった時にも変化がある。
動けない時は頑張って歩くのでなく、どうしたらもっと楽に歩けるか、動けるかを探す。
明治初期くらいまではそうして体を使わないと、生きて行けない時代だった。例えば今こうして座っている中にも、いろんな動きがある。
風邪の時に水を飲むことは大切。水のある体と足りていない体は全然違う。風邪を引いたときは水を吸収しやすい。水の足りた柔らかさは、赤ちゃんの体に近い。動いた後は汗が出る。かいていないようでも飛んでいく。手元に水がいつも手に取れるように、鍋物がしたい時はするように。
熱が出て、たくさん汗が出た後はよくふいて着替える。その時に冷えないようにする必要があり、汗をふくタイミングは難しいが、かなり熱いお風呂にごく短時間入って、ぱっと出る。ふいているうちにさーっと乾くので、一気に着替える、そうした方法もおすすめ。
回復期に入ってくるとからだの波が変わる。好潮期、体温が上がる時期に風邪をひくと早く経過するが、低潮期にかかると少し時間がかかり、好潮期に切り替わる時に一気に変化する。焦らない、変わる時には変わる。
10月末に高野山へ行ってきた。金剛峯寺で空海が唐に渡った史実の朗読劇があったが、大波に揺れる時も空海は術を使わず、波に揺られていたという設定だった。
「大波のなかでも、心の揺れは治めることができる。着く運命であれば着く」というのは、一般論に聞こえるが、深いものがある。着くことに迷いがなく予期している。
その時、遣唐使船は4隻のうち、最澄と空海が乗った2隻だけが唐に着いたという。
私たちが生きていること、今の状況も稀なもの。
毎日が奇跡。 だからこそ何がやってきても全力で向かうことができる。私を取り巻く自然も含めて、自分の力。
[実習]首の手あて〜心がおちつくやさしい気功
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