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意外と知らないNPOの話

こんにちは、はーちゃんです。
今回は、意外と知らないNPOというテーマで、「そもそもNPOとは?」や

誤解されがちなNPOのことについてお話ししようと思います!

①そもそもNPOとは?


まず、NPOの歴史について触れます。
日本において、NPOという概念が広く知られるようになったきっかけが、阪神淡路大震災だと言われています。

そして、阪神淡路大震災が起こった1995年をNPO元年などと呼ぶこともあります。

震災後、ボランティア活動が活発になったり、ボランティアをコーディネートする市民団体が立ち上がります。そして、多くの義援金が集まります。

しかし、ここで問題が生じます。


それは、立ち上がった団体の多くが法人格を持っておらず、任意団体であったため、会計監査に沿った経済支援が受けられないということです。

もう少し分かりやすく言うと、受けっとったお金を本当に、支援の為に使ったかを証明できないので、お金を渡せないということです。
そのため、市民団体の活動を推進するための法整備の必要性が浮上します。

そして、それから3年後の1998年、特定非営利活動促進法(NPO法)が制定されます。
これによって、条件を満たす団体は、「特定非営利活動法人」として、法人格を取得すことができます。

ちなみに、特定非営利活動促進法において、「特定非営利活動法人」の定義として
・営利を目的としない
・宗教活動をしない
・政治活動をしない
・特定の政党や候補者を支持しない
などが挙げられます。

また、この特定非営利活動促進法の制定から、改正が加えられ改正NPO法となりますが、変更点や遷移を説明すると長くなるので、割愛します。

②誤解されがちな「非営利」


NPOに関するよくある誤解として、NPO=ボランティアと勘違いしている人がいます。
また、なんとなく違うことは分かるけど、上手く説明できない、、、
そんな人もいるのではないでしょうか?

まず、NPOは
Non-Profit organizationという英語から来ています。

この、Non-Profit という語が非営利と訳されている訳ですね。
たしかに、Non(ない)-Profit(利益)ですから、「お金を稼がないの?」と誤解される方もいると思います。

実際、僕自身「NPOで働いています!」と言うと、「ボランティアをされているのですか?」や「どうやってお金を貰うのですか?」という質問をされたことがあります。

しかし、何度も言いますがNPO=ボランティアではありません。
もちろん、僕も給料を貰いながら働いています。

NPOで禁止されていることは、「剰余金」と呼ばれる、活動によって生まれた収益を、寄付者に再分配することです。
つまり、事業を経営し、売り上げを上げても、利益はまた次の事業に使わなければならないということです。しかし、経費の中には人件費も勿論含まれているわけですから、給料を貰うことは問題ではないという訳です。

このように、NPOのルールが分かれば、NPO=ボランティアではないことが分かってもらえると思います。

③NPOが抱える課題


このように、近年広く知られるようになったNPOですが、問題は山積しています。
その中でも、僕がよく問題として取り上げるのが

日本において10年以上NPOが存続する確率は0.2%しかない

ということです。
つまり、NPOが500団体立ち上がっても、10年後に残っているのは1団体だけということです。

勿論、これにも原因があります。端的に言うと

日本のNPOは経営が下手である

ということです。

もう少し具体的に説明します。
内閣府が発表しているNPOの事業規模を見ます。

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これが、事業規模の分布です。そして、平均は1860万円です。
やはり、NPO全体としてまだ事業規模が大きくないことが分かります。

更に、平均的なNPOの全収入内訳の構成比が下の円グラフです

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このように、NPOが自分たち自身の事業として売り上げているのは、収入の3割程度なのです。また、賛助や寄付が収入の4割以上を占めていますが、年間の寄附額を世界で比較してみると

日本5910億円
イギリス1兆812億円
アメリカ36兆2258億円

と、そもそもの寄附額も他国と比べると低いのが現状です。

やはり、世界的に見てもNPOを支援するという動きは、日本は遅れています。
そんな、日本でNPOとして働くからには、事業としての収入が不可欠。
しかし、事業を経営することができないため、全収入の3割しか事業で稼げていない。

これが、日本においてNPOがたった10年も存続できない原因の1つではないかと思います。

実は、僕が働いているグローカル人材開発センターも今年で8年目、0.2%になるか、99.8%になるかの分かれ目に立っています。
やはり、社会に対して、何か働きかけたいという優しい人の想いが報われる世の中になって欲しい。だからこそ、グローカルも「正しく稼げるNPO」になるために、これからも頑張って行きたいと思います!!

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