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意識を持てるか「独り言」

「セミナーを終えて」

早朝、セミナーのためにJRの乗換駅に着いた。そのとたん激しい揺れに襲われた。駅舎のきしむ音や揺れにあの東日本大震災を思い出す。一時コンコースは騒然とした。震度4、それでも恐怖は蘇るものだとつくづく実感した。余裕を持って家を出たが、何と50分も電車が遅れた。それにしても、皆動じることなく電車が動くのをじっと待っていた。改めて、秩序を持ち行動する日本人を実感した。

セミナーで司会を担当される先生が、初めの挨拶をし、私が地震で遅れる事を説明しかけたとき、タイミング良く到着できた。何と、思わぬことに遅れたにもかかわらず拍手を頂いた。実に温かい歓迎を受けた。

セミナーは、冒頭、教育改革の話をさせて頂いた。これから始まるであろう改革内容は、参加され方々のお子さんやお孫さんに関係する事ばかりだ。毎回そうだが、保護者の意識の高さに驚く。授業でも、子ども達がここまで集中してくれたならと、ふと思ってしまうほどだ。

今後我が国の教育は間違いなく低年齢化してくる。というより必然として考えておくべきだろう。大学受験の改革は、高校生の学力低下に起因している。思考力が無いばかりか、基礎力すらおぼつかない有様だ。常識的知識も持ち合わせていない。だから、学習の基礎判定が必要となる。大学で専門課程を学ぶための力を、基礎教育の重要性に求めたのだ。しかし、学力低下は高校生だけの問題ではない。中学生も加減乗除の基礎計算ができない子の数はたぶん皆さんの予想を超えるだろう。

このように辿っていくと、修学前教育にたどり着く。既に世界の先進国は4歳を軸にヘッドスタートを考えている。学習開始年齢を4歳からが世界の趨勢(すうせい)なのだ。幼児教育がようやく我が国でもスタンダードになってくる。低学年教育を軽視することは、その後の学力に大きなマイナスになることを経験的に理解してきたのではないだろうか。以前から申し上げているが、低年齢を指導している教室、片手間でなく、しっかりとしたカリキュラムで低学年指導を行っている教室は少なく、しっかりとしたカリキュラムを有する所に、安心、安定、安全の3要素がある。名古屋の西塾(佐藤武寛代表)から頂いたコメントにもあるように、低学年指導はその理論性に於いて十分高学年指導に通用する。タイル指導はこうして使うべきだとエールを頂いた気持ちだ。今、このように解りやすい指導を心がける教室が少ない。難しい問題を難しく教えることはたやすい、しかし、こうして解りやすく説明ができることが出来れば、多くの子ども達の理解力を上げることが出来る。それだけでなく、出来ている子にも、より具体性をもった理解が可能となる。

何と今回のセミナーは2時間を超え行ってしまった。話し始めると止まらない、そんな性格を見抜かれたのか、プリンスジュニア国分寺教室の粋な計らいだった。そんな長時間にもかかわらず、誰一人途中退席することなく最後まで聴いて頂いた。感謝である。我が子に対する思いがあるから、人間に対する思いがあるから意識して聴くことが出来る。久々に「無償の愛」を感じた。子ども達の耳を鍛えてあげることは大切なことだ。そして、後半、それを実践することになる。参加された方々に聴写を実践して頂いたのだ。聴くことに集中すること、聴いたことを記憶すること、それを想起し紙面に書き記すこと、これほど聴くことを意識する学習法はない。たぶんそう感じられたと思う。

大切なことは、意識して聴くこと、意識して見ることだと思う。この力を子ども達に付けてあげたい。

今日も、気持ちよく話をさせて頂いた。長い時間、保護者の方々の視線は鋭かった。この目を大切にしたい。基礎教育の重要性、それ以前に人間として子ども達を育てていきたい。知識や知性を学べる資格を持った人間に成長、発達させること、この責任を背負わされたセミナーだった。

参加された皆様には、長い時間お聞き頂き心より感謝申し上げます。有り難うございました。

動画のアップだけでなく、教育的アプローチを今後更に広げて参ります。新たな教材開発も目白押しです。どうぞ、今後とも宜しくお願い致します。

2013/11/10


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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