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少年犯罪と想像力
「思考させる授業」
高校生の強盗殺人事件が社会に大きな衝撃を与えた。あまりにも普通な高校生の犯罪に、社会の抱えた問題の根深さを感じる。子ども達の夜間外出に、それも深夜に及ぶ外出に大人や社会は寛容になってしまったのか、それとも諦めに似たところがあるのか、いずれせよ、この事件は、私達大人が真剣に捉え考えるべき性質を持っている。
子ども達に持って貰いたい能力に「想像力」がある。特に、自分の将来をイメージする、つまり、将来の夢にも繋がるものだ。想像力は、あらゆる場面で人を助けてくれる力になる。今回の事件、お金欲しさが原因だというが、それだけではないだろう。しかし、殺害に及ぶ前に、犯行を置かす前に、少年はもっと臆病であったらと強く思ってしまう。
そして、そこに、犯行後の自分の姿と家族の悲しみ悩む姿に想像を巡らせば、犯行を思い止まるだけの頭を持っていたのではないだろうか。その先、拘置所にいる自分の姿を想像すれば、簡単に犯行に走ることはない。私は、教育の重要な役目の中に、子どもの想像力をつける指導があると考えている。まさしく、考える授業だ。
文科省が、数年後「道徳教育」を教科として指導することを示唆している。私は、「道徳教育」という、まかり間違えば戦前戦中時代の半ば洗脳教育に等しい教科ではなく、「考える授業」「思考の授業」にすべきだと思っている。「読む」という学習に含まれる、「人の心を読む」「先を読む」、これらはそのまま「思考の授業」に通じる。
青少年の犯す衝動的な犯罪は、逮捕後、その殆どで自分の将来を不安視している。そこには、相手に対する罪の意識はない。自己中心的に犯罪を犯しているのが特徴と言える。子ども達の心は大人が感じているよりも育ってはいない。むしろ大人も含めて未熟と言える。その未熟な心で社会は構成されている。バランスを欠いた社会は、人の心にもアンバランスな状態へと導いていく。改めて、教育の重要性を強く感じる。
国語と重なるが、「読む学習」それも「人の心を読む」学習ができていない。それは、根本に人と人との繋がりが薄く、互いに心の通わない生活が多くなってきていることを意味しているのではないだろうか。教育も、その根本から、何の為の教育か指導する側が自問自答しておかなければならない。国語教育と道徳教育の見直しも必要かも知れない。
月刊私塾界の今月号に、塾に於いて「語彙獲得授業」の提案をした。国語・算数という教科だけでなく、各教科の基礎にもなる学習指導の提案だ。同時に、語彙獲得により「思考の授業」も可能となる。これからの教育に「考える」ということばがキーになる。単純に「考えろ」といっても考えられるだけのことばを持ち合わせていなければ話にならない。「考えろ」と口で言うだけでは思考の学習にはならない。その為の下地がなければ成立しないだろう。語彙獲得の授業は、全ての教科に影響し、記憶力にも繋がる授業となるだろう。
最後に、今回、少年の逮捕に当たって、警察はかなりの配慮をした。少年への任意同行は、彼の高校の卒業式後に行われた。かれは、就職希望だったと言う。すると、取り調べはこのタイミングしかないだろう。卒業式後であれば学校や生徒等に大きな影響や動揺を与えないで済む。また、次の就職先への影響もない。双方に配慮した警察の対応ではなかったろうか。久しぶりに感じる、正常な警察の判断だった。
2014/3/3
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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