知性を感じることばの変化
「向き合う授業、促す授業」
最近、母子分離が難しい幼児が増加しています。それは、登園拒否、登校拒否へと繋がるとても大きな問題なのです。母子分離ができない、その第1の理由は子どもが持つ「心の不安」です。幼児教室でも、保護者と一緒に行う教室が多いようですが、子どもの成長発達、そして自立を考える教室は、母子分離の指導をしっかりとカリキュラムに組み込んでいます。常に、親子を同室させると、子ども側では依存心、不安症が、親側では、比較症、過管理、過干渉を招き、また、我が子への侮蔑や苛立ちを起こさせ、ネグレクトや虐待にまで走る場合も出てきます。このままでは、親子関係はやがて崩壊してしまう可能性を秘めています。
我が研究所併設のラボスクールは、「学習病院」「生活指導病院」という役割があるように思います。子どもに起こる学力的な問題、行動的な問題、精神的発達の問題には必ず原因があります。その大多数は脳が引き起こしています。多発する犯罪も犯人についても、精神鑑定と言うより、「脳」の検査が必然となる日も近いでしょう。幼児教育は、子どもの成長発達だけでなく、保護者の指導も併せ持っているべきです。親として、成人するには子どもの成人になるまでと同じ年数がかかります。子どもの安定した状態というのは、親の心の安定であり、それが子どもの心の安定に通じるのです。
入室半年、年長の子に大きな変化が出てきたことは既にお伝えしました。母子分離も出来ました。このことが、子どもの自立心に大きな影響を与えました。対応する先生は、ある程度までの許容範囲(子どもの行動や言動の)を設けています。それが叱られるか否かの境界線となります。また、子どもに対する言葉遣いは丁寧語でなければいけません。子どもであっても、いや、子どもだから丁寧なことばを使うべきなのです。すると、子どもの反応に変化が出てきます。先生のことばを真似すると、次第に姿勢も表情も、勿論受け応えも丁寧になって来ます。ことばが心を作る。授業からそのことばの確かさを実感できます。こうした変化は、読書好きへの道に繋がります。絵本や本、または図鑑などには、子どもの知的好奇心を満足させる情報がいっぱい詰まっていることを体感するからです。これを言語環境と言います。丁寧なことばを通した授業は、次に、先生と子どもの信頼関係を築くことが出来ます。大人と子どもの信頼関係は、憧れや尊敬という感覚に結びつきます。人を敬うことを覚えるのです。「友達関係の先生」を気取っているようでは真の教育が出来ていない証拠でもあります。
子どもの、好奇心は、聞き慣れないことば、意味のわからないことばに向いていきます。「○○ってどういうこと、どういう意味?」この質問に答えることは、単に○○ということばではなく、説明に使われることばも同時に子どもの学習意識の中に入ることになります。こうして、語彙が獲得出来るのです。自分が必要とする語彙は、子どもの意識が十分に働いているので、しっかりした知性を作り上げていきます。この語彙数獲得が、次の語彙を呼びます。同時に、語彙の量は、言語記憶に比例していきます。子どもの発することばから知性を感じる事が出来る。それは、単なるにわか仕込みの知識ではありません。子ども自身が学び得た知性です。子どもと向き合い、次の学習を促す。幼児期から学んだ子はここが違います。勿論、選択した教室の善し悪しに関係します。
2014/6/26
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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