数・算数・数学を学ぶ
「イメージ力」
午前中、病院の待合室のテレビから、コメンテーターの「ピーコ」さんが今日限りで降板されるという案内がされた。「ピーコ」さんは、庶民目線で、実に素直で温かいコメントをされていた。人の心の痛みが解る方で、歯に衣着せぬ物言いが私は好きだった。人が去って行くのは実に寂しい。画面から今すぐ消えることはないと思うが、「ピーコ」さんのコメントをまた聞きたいと願うのは私だけだろうか。これからもご活躍されるよう願っている。
昨日、文部科学省の国立教育政策研究所が、全国学力テスト4回分の傾向を分析された結果が出た。それによると、小学6年生の半数近くが、小五までに学ぶ「小数のかけ算・割り算」の意味を理解していないとみられたという。少数の概念は数字中心の指導には無理がある。今回の発表では単純な小数計算の正答率は高いが、小数の意味などを問う問題では大きく正答率が下がるという結果が出ている。これは、以前から指摘しているように、数字だけの操作による指導がもたらした結果であり、指導そのものを根本から見直す必要があるだろう。
幸いにも、プリンスジュニアでは、数の指導に於いてタイルを使用している。タイルは整数だけでなく、小数にも分数にも応用できる優れものだ。図を見て頂くとお解り頂けるだろう。1に2を掛ける、1に1.2を掛ける、1に0.8を掛ける、それぞれをタイルで表すと、今回指摘されている問題が何を意味するかご理解頂けると思う。学力テストの問題では、0<□という前提で、式の中から□より大きいものを選べという問題だ。すると、掛ける数が、「1」より大きければ全て答は大きくなる。実際にタイルを使い表示する事で、数字だけでは分かり難い事が、タイル表示を通し具体的に理解できる筈だ。
学力テストの分析結果は、プリンスジュニアに通う多くの方達に勇気と自信を与えた事になる。数字だけの指導は、理解力や思考力を低下させるものだ。しかし、殆どの場合、数字だけの指導しか出来ない。何故ならば、そこには指導理論と指導技術が前提となるからだ。理論的に研修や学習を積み重ね、実践してきた指導者でしか出来ない指導がタイル学習であり、それが、民間教育団体の中でも一目置かれる所以である。来週、またプリンスジュニアの全体研修が待ち構えている。先生方からのリクエストで、タイル指導が組み込まれた。
2012/9/21
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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