
作られる障がい児「独り言」
「学習だけでは…」
ある雑誌対談で、「これからの塾には学力の向上だけでなく、生徒の精神性も鍛えることが求められる」という主張があった。それに対し、「いくら要求社会だからと言ってもそこまでは」という意見があった。今月28日、東京で開かれる塾の先生や学校などの先生方対象の勉強会で特別講演を依頼されている私は、その中で、「指導しにくい生徒の増加」について、教育界が抱えている問題として取り上げる。
事実、幼児からその兆候が見え始めているという実態がある。幼稚園、保育園の関係者から集団に馴染めず、問題行動を起こす幼児が間違いなく増加していると伝えられた。現在社会では「大人の発達障害」も取り上げられ始めている。社会や会社で問題行動を起こす大人が増えているとお気づきの方もいるだろう。
電車に乗ると、周囲からイライラしている雰囲気を感じる事が多くなってきた。このことは以前から感じていたが、先日もニュース番組のレギュラー解説者が同じような事を仰っていた。二極化の波は、とうとう「人間性」という部分にまで及び始めたのだろうか。
今後、日本社会は悪しき連鎖が始まる恐れがある。と危機感を持っている。人はこの世に誕生してから3歳までの間に人格や性格の基礎を形成していく。この間にどのような子育て環境にあったのか、そこが問題だ。子育て環境は劣化の一途を辿っている。子どもは放っておいても育つものではない。必要な時に必要な愛情を掛けることで大切な事を学んでいく。それが人間の本能であり、人間としての生き方だと思う。親のことばは子どもの心を作る。親の愛情は、子どもの心を更に大きく成長させる。今、我が国に於いて最も必要な教育は、その対象者は親なのかも知れない。幼児でも人の目を見ることの出来ない子が増えている。小学生でも、中学生でも人と目を合わせることが出来ない子が増えている。こうした状況から、先の対談のように、塾に求められる要求がまた一つ加わった。
学校という組織だけでは今の現状をまかないきれないところまで来ている。教育界はどうしようもない状況にまで追い込まれていくかも知れない。それほどの危機感を持たなければ、先の環境や社会状況の予測は不可能だろう。自分さえ良ければ良いわけではない。社会という枠の中で、心も含めた未発達な人達と相対する事は避けられないのだから。忘れてはならい事がある。「指導しにくい子も」「未発達な大人達も」じつは子育ての過程で「作り上げられて来た」ことを。
十分な教育とは、国語や算数の事を指すのではない。子育ての過程にどれだけの愛情を注ぐか、ことばがけを行うか、多くのスキンシップを重ねるか、これらは決して難しい事ではない。何故なら、人は太古の昔から行ってきたことだからだ。便利な世の中になり、人は次第に怠惰な生活を行うようになってきた。幸福の反対語は間違いなく「怠惰」であると私は以前も語った事がある。自分自身自戒の念を含めて。
2014/9/13
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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