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親の目・子の目

「子どもの本音」

子育ての中で、親の頭を悩ますのが、何度言っても一向に直らずイライラしてしまうことではないでしょうか。「わかった」と聞くと「わかった」とは言うのですが、勿論、お母さんは見抜いています。さて、こんな場合どうしていますか。

以前、「おかあさんの”あ!”」という子どもの作文を読んだことがあります。これが実に面白い作品でした。お母さんのことをよく見ているなあと感心してしまいました。掻い摘んでお話しすると、『私がコップを倒し、テーブルに水がこぼれると、お母さんは「あ!から始まり、いうえおかきくけこさしすせそ…ん。まで言い続けます。それでも足りないときは、がぎぐげござじずぜぞ…ぽまで言います。でも、お母さんがコップを倒したときは、「あ!」で終わってしまいます。何故私の時はあんなにたくさん言うんだろう」もうお解りですか。「あいうえお」とはお母さんの説教です。とても上手に表現していますが、ここに子どもの目線からの気持が現れています。

お母さんは、ことばで理解させようとします。つまり理屈です。これは、理屈が悪いと言うのではありません。子ども、特に幼児や小学生低学年の男の子は言語性に乏しく、お母さんの理屈を十分理解するだけの語彙数を持ち合わせていません。だから、お母さんの話を聞くことができないのです。また、この時期は、ことばより感情が先になります。いつまでもお説教を聴きたくないので、「わかった」という問いかけに「うん」「はい」と返事をします。諭したことばが心に残り、反省するまでにはそれなりの能力が必要になるのです。

私は講演会の時に多く口にする「経験」。こどもが失敗したとき、いつまでもだらだらしていて、食事をとらない時など、自然の法則とも言うべき原因と結果を経験させる事が大切です。理屈ではなく、こうすれば、当然の結果としてこうなるという法則をしっかり体験させるのです。その為の環境整備と親の心構えが必要になります。子どもにとって失敗はつきものです。そこから多くを学びます。コップを倒す。それは、コップの置き場所が悪かったり、遠くのものをとるときに起こります。また、よそ見をしながら食べているときなどもそうです。原因として何が上げられるか考えておくと良いでしょう。そして、いくら声を掛けてもご飯を食べないとき、時間が来たら片付けてしまいます。この場合、夕飯であれば朝食まで与えてはいけません。勿論お菓子類などはもってのほかです。こうした困った体験をさせます。これは育児放棄や意地悪ではありません。そして、ここで甘やかし、ご飯を与えると、泣いたり、意味が解らなくても謝れば大丈夫という、子どもながらの知恵を付けてしまいます。この中途半端な躾が、子どもをダメにしていきます。

こうして、自分の責任で食べる時間を遊んでしまったことに気付かせるべきです。具体的な経験は、その後、ことばを伴い、注意を受けたことに理屈で理解出来るようになります。

2013/1/29


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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