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怒るでもない、叱るでもない「独り言」 

「子どもの人生を支配!?」

高校生による家族殺人事件が北海道で起きた。まだ詳しい動機は伝わってこないが、佐世保の事件も、今回起きた北海道の事件も、心を病む十代の犯行ではないかと想像する。この事件に当てはまるかは解らない、しかし、最近、子どもの人生を支配しているかのような親の言動が気になる。

 外出して気になることがあると以前述べた。「社会が殺気立っている」と感じるのだ。電車の乗り降りなど怖いと感じる事もある。駅のコンコースを歩いていても、人前を平気で横切る。キャリーバッグの扱いなど危険きわまりない。余裕がない、人の事などかまってはいられない、自分さえ良ければ、安全であれば幸せであれば良い、こうした風潮は確かにあり、先日起きたラーメン店の殺人事件も、動機としてはとても大人の感覚ではない。稚拙と言うか、身体だけ大きくなった幼児という印象を受ける。注意するとキレる!子どもも大人も同じだ。こうした、成長できない大人はどのような過程で、また、家庭で育ってしまったのだろうか。

冒頭述べたように、離婚率の増加と、少子化と共に、子どもを支配する親の言動が気になり始めた。親は人生の先輩だ。様々な経験をしている。だからといって親の考え方が全て正しいとは言えない。特に子育てに於いて親は子どもを支配したがる。指示命令形の言葉が多いのはその為だ。そして、必要以上に子どもの生活に関わる傾向もある。幼児期の着替え、食事、排泄、片付け等々、全て親が行うケースは日常的によく見かける。こうした行為が子どもの自立を阻害していることに気付かない。子どもの精神的発達に悪影響を与えていると気付いていない。常に指示命令通り子どもが動けば、または、身の回りの世話をする事で家事は低減する。食べ物をこぼしたり、散らかされずに済むからだ。

 しかし、この管理干渉が度を超していくと、子ども支配に転じてしまう危険性を孕んでいる。「貴方の為だから」「お母さんの言うとおりにしていれば間違いないから」という言葉が出てきたら要注意となる。自分の人生観を子どもに押しつけても、当初は、体力も知識にも乏しい子どもであっても、彼らは間違いなく親の知らないうちに成長していく。その過程で親は重い存在となっていく。この傾向は、母子家庭や父子家庭に多いと言われている。家族関係を確かなものにすることは大切だが、子どもは親の所有物ではない。

最近の青少年犯罪では、いわゆる「良い子」が犯罪を犯すケースが多い。場合によると、彼らは親の言いなりに生きてきたのではないだろうか。こうした子どものロボット化は、いつしか親のコントロールが効かない範囲に移動していく。この時点で親子共に悩み苦しむことになる。この時、親が過剰に反応すると「そんな考え方じゃうまくいくわけないでしょう!」と感情的に言い放ち、子どもの考え方、人生を否定してしまう。子どもは、子どもで、親の重圧から逃れようともがく。親子にとって、互いの自立が大切なのだが、親離れ、子離れができなければ双方にとって不幸な事態を招きかねない。子育ては難しい。だから、共通の悩みを持つ者通しの会話が大切だと思う。

 私自身、長男の誕生から半年適度、父親役と母親役を行った経験がある。子育ては確かに重労働で、精神的にも肉体的にも苦しい。しかし、だからといって子どもに代償を求めることはできない。我が子の安心しきった寝顔、屈託のない笑い声と笑顔を見るだけで幸せだった。余裕など中々持てないけど、余裕は大切!苦しむお母さんや、お父さんの為にも、少しでもお役に立てばと思う。

2014/10/2


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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