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親を敬する者…「独り言」

「教育の荒廃」

ある塾が情報公開制度を用いて全国の公立中学、高校の定期テスト販売目で入手したという。公立学校のいじめや体罰、そして教育委員会を含めた隠蔽体質がよく問題となるが、民間教育にもこうして問題とされる事が多いようだ。教育に就いているとは言え、私達にも生活がある。

しかし、ここまで来ると法律ぎりぎりのビジネスと化してしまう。民間教育は諸先輩方のご努力で今までの経済産業省の管轄から、ようやく文部科学省との関係が強く太くなってきた。残念ながら、こうした状態を教育の荒廃と呼ぶのだろうか。いじめや体罰が教育界でやり玉に上がったが、問題の根っこは深そうだ。そのいじめも何も生徒同士だけで起こるのではない。学校、塾の教育機関の中で、それも大人のいじめがあるという。様々な事件が後を絶たないが、社会全体が荒廃しているのだろうか。

昨今の事件に、成長仕切れない大人達の姿が見え隠れする。成長した大人の考え方が示せない社会はとても不幸だ。分別ある年齢の人の犯罪が、短絡的動機で行われている。親子など親族殺人も目立っている。

今年、我が父を亡くして20年になる。まじめ、堅実、実直こうしたことばがぴったり当てはまる父だった。そして子煩悩な父であった。以前にも書いたが、私は将棋を指している時の父が好きだった。というより尊敬していた。その顔はいつもとは違う、元々頭の良い父ではあったが、将棋の時は更に鋭さが増していた。父親の尊敬すべき姿、どんなに強い相手がきても、二勝一敗とする父親。父曰く、一敗は相手に敬意を払う為と余裕の父がいつもより大きく見えた。

教育の荒廃は学校から起こっているのではない。それは間違いなく家庭からだ。そして、子ども達が間違った方向に進むのは貧富や片親であるからでもない。親の威厳がなくなり、親を敬する事がなくなってきたからではないだろうか。親孝行という言葉も廃れてきたようだ。

私達姉兄弟は、母親の介護を在宅介護とした。一度、特養ホームを見学したことがある。その帰り道、ここに母を住まわすことはできないと思った。施設が悪いわけでも、介護をして下さる方々の問題でもない。自分自身が情けなくなったのだ。親を…父も姉兄弟そして母と在宅介護で看取った。介護老人ホームが無いという。足りないという。

また、子どもを預ける保育施設がないという。こうした施設を数多く作れば解決するのだろうか。たぶんそうではないだろう。幼い子が、親から離れて幼児期を過ごさなければならない社会構造が問題視されなければならない。子ども達が成長し、親元を巣立っていく。それは当たり前だ。それが成長だから。そして、親は歳をとる。年老いた親は子ども達から大切にされる、筈だった。しかし、現実社会は現代版乳母捨て山が展開されている。それすらできず、「一人孤独に世を去る人がいる。

中国に「親を敬する者は、敢えて人を侮らず」ということばがある。
親を敬う者は、他人に対してもバカにしたり、蔑む行いはしないと昔の人は人間教育の基本を親と子の関係になぞっていた。親孝行とは、親のためだけではない、心配を掛けないことも親孝行だ。人に対する思いやりが親孝行にもなる。我が国は、親を大事にしない社会に成り下がったのだろうか。

教育に携わる者は、こうした物事の原理原則、そして人間としての本質を常に心に問いかけ、子ども達にも問いかけていかなければならないと私は肝に命じている。金・金・金と連呼するスマホのゲームCMがある。このCM、我が家全員が嫌悪感を抱いている。そう見ている子ども達がまぶしく光る。私は民間の一教師としてこうした社会に抵抗する。最近、その後ろで支えてくれる長男の姿がある。親孝行な息子だ!

2014/2/14


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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