未来記憶=夢「独り言」
「人と共感」
小学生の頃、美術時間、私の描いた絵を先生が誉めてくれた。果物を描いた絵だった。先生は私の絵をじっと見つめ、「いいね!」と一言、そしてにっこり笑った。暫くすると、その絵が美術室に飾られていた。単純な私は美術系の学校に行きたいと真剣に考え始めた。
中学生になったときもその思いは変わらなかった。ところが、あるとき石川島播磨重工業の工場に行った。そこで見たものはジェットエンジンだった。そのエンジンを見て美しいと思った。担当の方の説明も実に面白かった。その日から、ジェットエンジンのことが頭を離れなかった。
多感な少年期は、様々な刺激から未来に向けた夢を持ち始める。幼児でも、小学生でも、自分の将来に繋がるかも知れない一つの夢を見るとき、必ず周囲に共感してくれる「人」がいる。自分の考えを認めてくれる「人」がいる。それは、父親であったり、母親であったりもする。幼児期は解くに両親からの影響を受けるだろう。我が家の子ども達、と言っても全員成人しているが、幼い頃から福島県喜多方市にある奥さんの実家に帰り、毎晩のように外に出て星を眺めていた。それも川の字に寝っ転がって。すると、幾つもの流れ星を発見する。天体望遠鏡も持ち込んだが、やはり流れ星が良い。この時間、私達家族は皆同じ時間を共有していた。そして、私の知りうる知識から星について語ったり、星座の話しをした。皆、星空の美しさ、神秘的な存在に共感した。この時の感覚は、子ども達が成人した今でも変わらない。今年こそ、天候不順で一日しか見る事ができなかったが、それでも家族全員と田舎の祖父母で夜空を眺めた。
子ども達に夢について聞くと、「えぇーないよ」と返ってくる。年齢が高くなればなる程。そこで、私流の夢を語ることになる。あるCMに、娘から「お父さんの夢は?」と聞かれ「この年になって夢?」とたじろぐが、「どんなに年齢を重ねても夢を持って良いんだ」と思い直すシーンがある。大人が夢を持てなくなって久しいが、子ども達も同じなのだろう。共感するところに夢が生まれる。
まずは、親が子どもと共感すべきなのだが、なかなか子どもと向き合えないでいる。どう育てたら、どうことばがけをしたらと方法論ばかりが先に立ち、行動が追いついてこない。互いに周囲を見ていない。美しいもの、鮮やかなもの、巨大なもの、果てしないもの、感じる事の大切さ、その為には動き追い求めなければ真の感動はない。その先にあるものは、受け止められる感受性が育ち、共に共感できる意思の疎通が生まれる。私達の環境は、様々な情報が錯綜し、その情報に踊らされているのかも知れない。だから、周囲にあるものを見る事ができていないとも言える。
子ども達が成長し、その未来に託す記憶が未来記憶である「夢」だ。彼らにどんな体験をさせてあげる事ができるのか、また、親子で共感できることがどれだけあるのか、すると、自然に会話が始まり、話しが盛り上がる。世の中は「個」が蔓延している。「個」とは、その文字が示すとおり、「人が固まる」と書く。ここからは共有も共感も生まれない。ましてや、親子間でこうした状態である野ならば、それは子どもにとって悲劇だろう。子どもと夢を語って貰いたい。
時にはスマホの電源をオフにして外に出かけてみては!子どもと一緒に、発見の旅に!見知らぬ土地で、見知らぬ人と出会ったとき、何か共感できることがあるかも知れない!子どもと一緒の時間を共有する、それは幼い子どもにとってかけがえのない時間になる。
2014/8/26
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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