事実を知りたい「独り言」
「美味しんぼ問題」
東日本大震災とその後の大津波で被災し、大きな事故を起こした福島第1原発。この事故による二次被害は私達の目には見えない放射線との戦いとなった。居を構える流山市もお隣の柏市と同じホットスポットよ呼ばれる放射線量の多い地域として警戒を強めていた。自治会でも、放射線量の定期的計測を行っていた。我が家でも、測定器を購入し計測を試みていた。放射線被害は、広島、長崎、そして福島と3県に及ぶ。しかし、福島だけは違う。国の意志で作られ、東京電力によって管理運営されてきた。東京電力を使い生活をしている私は、福島県民の方々の健康障害を最も危惧している。
放射線は目に見えないだけに、私達にとっては防ぎようがない。安全な地域に移住するか、極端に外出を避けるか、または、外出後シャワーを浴びるか、単純な自衛策しか講じられなかった。チェルノブイリ事故を調べる限り、我が国の原発事故報道は真実を語っているようには到底思えない。私の義理の両親も福島に住んでいる。また、常磐道を下れば直ぐに東海村に行き着く、原子力という人が自由にコントロールできない代物に手を出した以上、こうした事態は予測できた。また、放射線被害による身体の影響は3年を過ぎた今、次第に表面化してきていないだろうか。
さて、今回、週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味(おい)しんぼ」の表現に不適切なものがあったと避難の声が上がっていることは承知の通りだ。原発事故の影響か鼻血が止まらないという内容について、福島県、同県政界、政府のスポークスマンである菅義偉官房長官も会見で「住民の放射線被曝と鼻血に因果関係はないと、専門家の評価で明らかになっている」と断じた。自民党県連や民主党県議らでつくる会派も相次いで抗議声明を出した。「福島県民の心情を全く顧みず深く傷つけ、農林水産業や観光業へ深刻な損失を与えかねない」「断固容認できず、極めて遺憾だ」という声もある。
原発事故以降、農林水産業、観光業への深刻な損失、また風評被害による農産物の不買、こうした状態は十分政府及び政治家の方々は予測できる範囲ではなかったのか。いや、していなければ政府として、政治家として活動する意味を失うだろう。一方、復興税として特別徴収した税金の使い道はどうであったか。こうした損失を余儀なくされた方々の生活を守るために使われるべきであったはずだ。しかし、ご存じの通り、他の行政地域で復興に関係のない使われ方がされた。旧ソ連、チェルノブイリ事故後、多くの方々が苦しんだ(特に若年層の甲状腺癌)ことはご存じの通りだ。我が国でも放射線被害による病気の発症も十分予測出来るはずだ。そうした真実を隠蔽するのは、そこに巨額の保証金が必要とされるからではないのかと疑問視する人も多い。すると、政府からは「住民の放射線被曝と鼻血に因果関係はない」とお決まりの言葉が返ってくる。非難の声が、福島県民と言うより、政治がらみの団体から多く出ている事も頷けてしまう。
今回の「美味しんぼ」の表現、私は、被爆され苦しまれている福島県民の心の叫びを代弁しているように思えてならない。放射線により甲状腺に異常をきたす割合が若年層に多いということが気がかりでならない。福島の子ども達は大丈夫なのだろうか。先のコミック誌に対する非難よりもまず、福島県民、そして若年層の健康被害を克明に調査し報告すべきではないのか。
当初、コミック誌に掲載している原作者の雁屋哲氏に対し、何という非常識な事をと考えたが、冷静に考えると、私は真実を知らないことに気付いた。すると、これからが大変なのではないのかと。「時の政府や政治家は当てにならない」お隣の国を連日非難の対象にしているが、我が国も真実を隠蔽しているのではないだろうか。このまま、福島を犠牲にしてオリンピックなど開催できるのだろうか。福島県民の命を最優先して頂きたいと願う。私は、今の福島の事実を知りたい。
2014/5/10
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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