幼児教育「数の学習①」
「数は第二の言語・論理思考への道標」
幼児、小学生、中学生を指導していると、数・算数・数学の系統立てた指導の重要性を強く感じます。幼児期の数指導、そして小学生になってからの算数指導、ここまでの積み残しは、中学生で習う数学にとって致命傷となります。このことは既に皆さんご存じでしょう。「ことばの学習」は「言語的知性」を高めます。数学習、算数学習は、「論理数学的知性」を高めます。社会一般では、数学が出来る人を「頭の良い人」と例えます。それは、物事に対し高い「論理性」を持って望むことが出来るからです。
数学や算数が嫌いな大人が、心機一転、基礎から数学を学び始めたとき、誰もが感じる感覚があると言います。それが一般的に言う「頭が良くなったように感じる」というものです。「計算が速くなる、難しい問題でも順を追っていくと理解できる、物事を順序立てて考えられるようになる等、頭の回転が速くなった。」と言います。学ぶ事に年齢はないのですが、学習の面白さに早く気付いていれば苦労しなくて済んだはずです。幼児期や低学年の頃まで、算数は子ども達にとって大好きな教科でした。ところが3年生頃を境に算数嫌いが増えてきます。このころから学習の積み残しや、概念形成の未履修が表面化し始めています。
指を使った計算を指導する先生がいます。これは、教師としてとても情けない話しです。指を使わせる安易な方法は、足し算・引き算の概念や、一歩進んだかけ算・割り算の概念形成の妨げになります。また、さらに小数・分数指導になると、お手上げ状態になるでしょう。この頃から算数嫌いが増え、苦手とする子ども達が増えるのも頷けるはずです。算数嫌いや、算数を苦手とする子ども達は、指導内容の問題がかなり影響していると思われます。指を使用した足し算は、計算と言うより「数える」といった方が早いでしょう。「数える」ことは大切です。実際、様々なシーンで出てきます。しかし、計算は別です。幾つもの要素を「併せる」際に「合併」という足し算の概念を学びます。その際、計算が必要になります。更に、別のものを加える「添加」などの概念が加わります。
2+2という式があります。数指導では、式を中心とした指導は後になります。指を使った指導では、2に後の2を数え足す作業になります。これでは「合併」という概念は育ちません。だから、文章問題が苦手になってきます。特に引き算になってそれは顕著に表れてきます。問題の内容を考えることなく、数えていく。いったい何を指導したいのでしょうか。算数という、論理性を養う学習です。具体的な場面をイメージし、考える。式という抽象化された指導はその後でしょう。
幼児期は、数学習として、算数や数学に繋がる抽象思考の基礎を形成します。子ども達は、今の環境なら間違いなく数を習得していきます。それを系統性を持って基礎から数の概念形成をしていく、それがこの時期の指導です。その為、半具体物であるタイルが登場します。2+2でも、2のタイルをイメージします。次に併せる数の2のタイルをイメージします(または、タイルで操作をします)。これが「合併」のイメージです。ここまでくる過程で、数の意味を指導します。数の要素として、具体物:数詞:数字の3要素があります。この指導過程は障がいを持たれている方の数指導にも使われます。それだけ、充実した基礎学習であると言うこともいえます。当初の数指導には、タイルや具体物が多く出てきます。そして、そこで使用する言葉も少なく、操作なども単純です。少ないことばで指導が出来るのもきその数指導の特徴です。だから、幼児にも、障がいを持たれているお子さんにも適している学習なのです。
2014/8/30
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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