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高校教員向け無償AI研修 mirAI for Japan

CLACKは、ひとり親家庭や生活保護、不登校や発達障害といった困難を抱える中高生を対象に、プログラミングをはじめとした「デジタルを活用した支援」を行っています。
これまでは直接的に中高生を支援してきましたが、2023年10月より、高校教員向け無償AI研修プログラム「mirAI for Japan」をはじめました。


mirAI for Japanとは

CLACKが高校生に対して直接授業を行うのではなく、高校の先生方向けにAI研修を実施し、その先にいる高校生にAIの学びを届けるための取り組みです。教員の方々を通して高校生に授業が行われることで、持続的かつ継続的な学びにつなげることをめざしています。

また、本プロジェクトについては、日本マイクロソフト株式会社より連携パートナーとして支援いただいています。
そのため、教材費や講師の交通費などは、すべて無償で実施しています。

実施背景

近年、AI技術が急速に発展・普及しています。特に、文章、画像、音声、動画などをAIが生成する、いわゆる「生成AI」が注目されています。

出典:Next Move Strategy Consulting

こうした社会情勢のため、教育現場においても子どもたちへのAI教育や校務での技術活用について需要が高まっています。

また、文部科学省が生成AI技術を教育現場で安全かつ効果的に利用するための基本指針を策定していたり、導入と活用を進めるために、特定の学校をパイロット校として指定し、生成AIを利用した教育プログラムや教材の実証実験をおこなうという取り組みも始まっています。(※詳しくはこちら

CLACKはこうした社会情勢の中、高校生にも早い段階でAIについての学びを届けたいと考えていました。また、CLACKが支援する高校生に直接届けるだけでなく、より多くの高校生に届ける方法を模索したところ、高校教員を対象にしたAI研修の実施となりました。

とはいえ、日々の校務でも忙しい先生方が個人でインプットし、学ぶのは難しい現実も・・・。実施にあたって先生方にAIについて聞いてみたところこのような声もいただき、ニーズを非常に高く感じています。

AI研修コンテンツ

mirAI for Japanでは、先生方からAIに関する悩みや相談内容をヒアリングし、研修内容をカスタマイズして研修を行っています。

たとえば、こちらはChat GPT(文章生成AI)研修スライドの一部です。

  • Chat GPTとは

  • Chat GPTにできること

  • Chat GPT使用上の注意点

などをお伝えしています。

また、先生方のご希望に応じて、

  • 教室運営=スローガンのアイデア出し、席替えの座席表作成

  • 授業準備=教材スライド作成補助、問題作成

  • 校務=メール文面作成、アンケート結果の分析

などの「業務上でのデジタルツール活用について」などの研修も行っています。

これまでとこれから

2023年10月より始動し、これまでに集合開催も含め、230校の先生方に対して研修を実施しました。大阪や東京に限らず、愛知、広島、山口、宮城など、全国にも広がっています。(2024年10月末時点)

研修を終えた先生方が高校生に対して授業することも始まっています。今後、mirAI for Japanの活動がたくさんの高校生の学びにつながっていきます。

今後はほかの都道府県でも実施し日本全国に広げ、より多くの先生方、高校生に学びを届けることをめざしています。

AIを学んでみて

CLACKスタッフから研修を受けた先生方と、先生方から授業を受けた高校生の声をご紹介します。

<先生方より>

・基本の内容から説明していただき、よく理解できました。生徒にどのように話せばいいのかもよくわかりました。人間でなくてはできないところにエネルギーを割くためにもAIを活用していきたいです。
・生成AIについては、今まで若干の抵抗感があり、学校教育には活用できないと思い込んでいました。今回の研修で、職場での活用として、目からうろこの内容ばかりでとても良かったと感じています。
・新しい技術や新しい知識をどんどん入れていかないと、生徒たちのほうが先々に進んで置いて行かれるばかりだと思って参加してみました。説明が分かりやすく、AIは誰でも使えそうに思えました。怖がらずに使ってみたいと思います。

<高校生より>

・あまりAIに触れていなかったので、AIの進歩を身近に知ることができて、すごく嬉しいです。AIを用いて新しいことに挑戦できたのでよかったです。
・AIが人の作品を真似したりして危ないと言うことも分かったので、本当に正しいかというのもちゃんと確認していきたいと思います。
・AIはいい面も課題面もありますが、何も知らなかったら改善することもできないので、より良い方向に行くために学ぶことが大切だと思いました。

自治体との連携も

CLACKは2024年8月に、大阪府教育委員会と大阪府立学校のデジタル活用の充実を目的とした連携協定を締結しました。

実際に大阪府立学校の管理職向けAI研修も行い、1回の開催で144名もの方にご参加いただきました。こうした自治体との連携も広げていきたいと思っています。

終わりに

最後に、mirAI for Japanの統括をしているメンバーからのコメントをご紹介します!

デジタル伴走支援事業部 部長 小浦友梨

こんにちは!mirAI for Japan事業を担当している小浦です。
現状、学習指導要領にはAIに関する記載がないため、通常のカリキュラム内では高校生がAIについて学ぶ機会はありません。次世代を担う高校生は、良くも悪くも、AIと共存する未来を生きていきます。高卒で社会に出る生徒もいる中、AIの仕組みや課題、そして有効活用法について学ぶことは、生徒たちの未来に資することと考えています。先生方にAI研修をお届けすることで、校務でのAI活用が進み、より多くの生徒がAIリテラシーを身に付けられる、これがmirAI for Japanの目標です。
これからも、少しでも多くの学校や自治体にAI研修をお届けできるよう、チーム一同頑張ります!

今後も、mirAI for Japanを通して先生方にAI研修プログラムを届け、さらにその先にいる高校生にAIの学びを届けていきたいと思います。
mirAI for Japanにご関心のある学校関係者様は、下記よりお問い合わせください。


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